2019年10月7日

【毎年恒例】ノーベル生物学医科様ショー(笑)。

(ノーベル生理学・医学賞改め)

今年もまた、この季節がやってきましたね(笑)。

(「理科年表」には「生理学・医学賞」っていう表記になってんだが、最近のマスゴミ報道によれば、「医学生理学賞」という表記もふつうにみかけるようになってんですね。ならば、ノーベル「医科様生物学」賞だな…)



2013年ノーベル賞日程
http://www.nobelprize.org/


(追記9/15)
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笑えるおちゃらけイグいノーベル賞っていうだけなら何も実害はないが…。

だが、あの心臓移植マウスオペラネタは反吐がでるくらい不快感を催した…。

心臓移植なんて、「生存」を確約するための医療技術でもなんでもない、ただのインチキ医科様じゃないか。






(書きかけ)





医科様生物学といえば…(笑)。




「パンデミック詐欺 人獣共通感染症 ウイルス捏造」(ぐぐる先生)



ひょっとしたら今年あたり、ノーベル賞いくんじゃないの?(笑)。


(追記10/9)
大変残念でした。歓喜と賞賛に沸く瞬間は来年まで持ち越しです。



(2013年9月14日)

228 件のコメント:

  1. イグ・ノーベル賞 日本人7年連続受賞
    9月13日 12時19分

    ノーベル賞のパロディーとしてユニークな研究に贈られる「イグ・ノーベル賞」の授賞式がアメリカのハーバード大学で行われ、たまねぎを切ると涙が出る原因となる酵素を突き止めた日本の食品メーカーなどの研究グループが「化学賞」に選ばれました。
    イグ・ノーベル賞を日本人が受賞するのは、7年連続で、日本の独創的な研究に世界の注目が集まっています。

    「イグ・ノーベル賞」は1991年にノーベル賞のパロディー版として創設されたもので、人々を笑わせ、そして考えさせる、ユニークな研究に贈られます。
    アメリカ東部・マサチューセッツ州のハーバード大学で、12日、ことしの授賞式が行われ、10の部門の受賞者が発表されました。
    このうち、「化学賞」では、たまねぎを切ると涙が出る原因となる酵素を突き止めた、大手食品メーカーのハウス食品などの研究グループが受賞しました。
    この酵素と、たまねぎに多く含まれているアミノ酸を反応させると、涙を誘う「催涙物質」が作られ、目を刺激し、涙が自然と出てくる仕組みになっています。
    授賞式では、研究グループの今井真介さんが「これまでたまねぎに泣かされてきたすべての人々にこの賞を贈ります」とあいさつすると会場から喝采を浴びていました。
    また、帝京大学などの研究グループが、心臓移植をしたマウスにオペラの「椿姫」を聴かせたところ、モーツァルトなどの音楽を聴かせたマウスよりも拒絶反応が抑えられ生存期間が延びたという研究成果で、「医学賞」を受賞しました。
    研究グループがマウスの着ぐるみを着て授賞式に現れ、「椿姫」の曲を歌うと会場から笑いが沸き起こりました。
    このほか、旅客機のハイジャック犯を通路に仕掛けた穴に落として、パラシュートで外に放り出し警察に突き出すという装置を開発したアメリカの研究者には、「安全工学賞」が贈られました。
    イグ・ノーベル賞を日本人が受賞するのは、7年連続で、日本の独創的な研究に世界の注目が集まっています。

    [関連リンク]
    ◇  “UMAMI”が世界を制す!?発見 驚きのパワー クローズアップ現代 (2月28日)
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130913/k10014511351000.html
     

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  2. 9月14日 編集手帳

     オペラの愛好家でない人が考えついたのだろう。『英和笑辞典』(郡司利男編訳、研究社)は【opera】を定義して言う。〈男が背中を刺されると、血を流すかわりに歌う芝居〉。ミもフタもないが、なるほどと思わぬでもない◆けがをしても、悲しみに打ちひしがれても、音吐朗々と歌い上げるのがオペラの魅力である。「音楽療法」はよく知られているが、オペラからあふれる生命力は人の心身のみならず、マウスの寿命をも潤すものらしい◆帝京大医学部・新見正則准教授の研究チームによれば、心臓移植を受けたマウスにオペラを聴かせると長生きするという。ユーモアあふれる科学研究に贈られるイグ・ノーベル賞(医学賞)に輝いた◆マウスは普通、移植手術から平均7日で死んでしまう。ベルディのオペラ『椿姫』を聴かせると、平均で26日間も生きた。モーツァルトの20日間よりも長い。オペラの効能や、畏(おそ)るべし◆『椿姫』の第一幕で青年アルフレードは歌う。〈いざ、ほさんかな盃(さかずき)を/儚(はかな)き世(とき)を酔いしれて…〉(乾杯の歌)。粋なマウス君もいたものである。まさか“酎(チュー)”とも鳴くまいが。

    2013年9月14日3時3分 読売新聞
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20130914-118-OYTPT00054/
     

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  3. [顔]音楽でマウスが延命するという研究でイグ・ノーベル賞…新見正則さん 54

     「音楽が持つ偉大な力を示すことができた!」。米ハーバード大で12日、開かれた授賞式で、ネズミの格好をした研究仲間と一緒にオペラ「椿姫」を歌いながらあいさつし、会場を沸かせた。

     マウスに心臓を移植すると、免疫の拒絶反応で7日ほどで死んでしまうが、椿姫を聴かせ続けると平均で26日も生きた。こんな研究で、ユーモアあふれる研究に贈られるイグ・ノーベル賞の医学賞に輝いた。「音楽が脳を通じて免疫に影響をしているのでしょう」と話す。

     帝京大医学部の准教授で外科医。英国に留学していた15年ほど前、心臓移植の後、長く生きるマウスがいることに気付いた。「周囲の環境が関係しているのかも」。本業の合間に仲間や学生と実験を重ねた。

     マウスは走らせても、漢方薬のにおいをかがせても、長生きするという。「さらに掘り下げて研究する人がいたら、とてもうれしい」

     式を終えて、一人娘のあずさちゃん(9)が「パパ、かっこよかったよ」と声をかけた。「たまにはいいところを見せないとね」とはにかんだ。(ワシントン支局 中島達雄、写真も)

    2013年9月14日3時3分 読売新聞
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20130914-118-OYTPT00148
     

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  4. イグ・ノーベル賞に日本人、マウスにオペラで…

     ケンブリッジ(米マサチューセッツ州)=中島達雄】人々を笑わせ、考えさせる研究に贈られる「イグ・ノーベル賞」の今年の授賞式が12日、米ハーバード大で開かれた。

     心臓移植を受けたマウスにオペラを聴かせると長生きすることを見つけた帝京大医学部の新見正則准教授(54)ら7人のチームが医学賞に、タマネギの催涙成分を作る酵素を新たに発見したハウス食品の今井真介研究主幹(56)ら6人のチームが化学賞に、それぞれ選ばれた。

     心臓移植手術をしたマウスは免疫を抑制しないと拒絶反応が起き、平均7日で死んでしまうが、帝京大の新見准教授らが移植後7日間にわたりオペラ「椿姫」を聴かせると、平均で26日間生きた。モーツァルトなら20日間、アイルランドの人気女性歌手エンヤの歌だと11日間だった。

     長生きしたマウスの体内では、免疫を抑制する細胞が増えていた。

     一方、ハウス食品の今井研究主幹らは、レトルトカレーの開発中、タマネギの催涙成分としてすでに知られている酵素とは別に、もう1種類の新たな酵素を発見、2002年に英科学誌ネイチャーで発表した。その後、新たな酵素の働きを止めることで、切っても涙が出ないタマネギを作ることに成功している。

     日本人の受賞は7年連続。2分野で日本人が同時受賞するのは1997年、2005年に次いで3回目となる。

     日本勢のほかには、道に迷ったフンコロガシが星を頼りに帰り道を探す様子を研究した欧州のグループが「生物学・天文学賞」に、ハイジャック犯を航空機内でわなにかけて機外に放り出すというシステムを開発した米国人研究者が「安全工学賞」に、デモ隊が拍手するのを禁止したうえ、片手のない男性を逮捕したベラルーシのルカシェンコ大統領が皮肉で「平和賞」に選ばれた。

     ◆イグ・ノーベル賞=ユーモアあふれる科学研究に与えられる賞で、1991年に創設された。「イグ」には「反対の」という意味があり、ノーベル賞のパロディーとなっている。日本人は過去に仮想ペット「たまごっち」や犬語翻訳機「バウリンガル」の開発などでも受賞している。

    2013年9月13日13時14分 読売新聞
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20130913-118-OYT1T00385
     

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  5. 「ノーベル生物学医科様賞」
    https://www.google.co.jp/search?q=%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%AB%E7%94%9F%E7%89%A9%E5%AD%A6%E5%8C%BB%E7%A7%91%E6%A7%98%E8%B3%9E
     

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  6. 捏造、不正論文 総合スレネオ 7
    http://uni.2ch.net/test/read.cgi/life/1378358482/

    475 名前:名無しゲノムのクローンさん[sage] 投稿日:2013/09/15(日) 13:25:37.93
    http://www.nobelprize.org/
    2013年ノーベル賞日程

    医学賞  10月7日(月)日本時間18時30分
    物理学賞 10月8日(火)日本時間18時45分
    化学賞  10月9日(水)日本時間18時45分
    平和賞  10月11日(金)日本時間18時00分
    経済学賞 10月14日(月)日本時間20時00分
    文学賞  未定

    捏ったヤシには、その瞬間から意味のない噺になるよね?

    476 名前:名無しゲノムのクローンさん[] 投稿日:2013/09/15(日) 13:35:29.35
    2013年野口英世賞日程は?
     

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  7. ノーベル賞有力候補に日本人3人…米情報会社
    2013年9月25日20時33分 読売新聞

     米国の情報サービス会社「トムソン・ロイター」は25日、日本人3人を含むノーベル賞受賞の有力候補者28人を発表した。

     今年のノーベル賞は10月7日から順次発表される。

     日本人では、鉄を含む超伝導物質を発見した東京工業大学の細野秀雄教授(60)が物理学賞の有力候補に入った。生理学・医学賞候補には、生物を構成するたんぱく質が体内で分解、再利用される「オートファジー(自食作用)」の仕組みや機能を解明した大隅良典・東工大特任教授(68)と、水島昇・東大教授(47)が選ばれた。

     質量の起源とされるヒッグス粒子の理論を考えた英国の物理学者ピーター・ヒッグス氏(84)らも選ばれた。同社は論文の引用回数などを分析して有力候補者を毎年、発表している。2002年から昨年まで183人を選び、27人が実際に受賞している。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20130925-118-OYT1T01027
     

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  8. >生理学・医学賞候補には、生物を構成するたんぱく質が体内で分解、再利用される「オートファジー(自食作用)」の仕組みや機能を解明した大隅良典・東工大特任教授(68)と、水島昇・東大教授(47)が選ばれた。

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  9. KAKEN - 水島 昇(10353434)
    http://kaken.nii.ac.jp/d/r/10353434

    KAKEN - 水島 昇(21677002)
    http://kaken.nii.ac.jp/d/r/21677002.ja.html

    https://www.google.co.jp/search?q=site:kaken.nii.ac.jp+%E6%B0%B4%E5%B3%B6%E6%98%87
     

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  10. 今年は例の医科様ウイルス学派のみなさんが受賞なさるのではないかと、いまからワクワクして待つ気持ちが日増しに高まっておりますです(笑)。

    「kaken.nii.ac.jp 新型インフルエンザウイルス」
    https://www.google.co.jp/search?q=site:kaken.nii.ac.jp+%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%AB%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B6%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9
     

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  11. 「プリオン」がいっちゃうくらいだもの、「H5N1」人獣感染ウイルスはさっさととれてもおかしくない。

    だれも不思議に思うことなんかないでしょう(笑)。
     

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  12. ノーベル賞7日から発表 日本人連続受賞なるか
    10月6日 19時28分

    ことしのノーベル賞の発表が、7日から始まります。
    去年、医学・生理学賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授に続き、2年続けて日本人の受賞がなるか、注目されます。

    ノーベル賞は、ダイナマイトを発明したスウェーデン人、アルフレッド・ノーベルの、「人類のために最大の貢献をした人に与える」という遺言に基づいて、1901年に設けられた賞です。
    ことしの受賞者の発表は、7日の医学・生理学賞に始まり、8日が物理学賞、翌9日が化学賞となっています。
    そして10日以降も文学賞、平和賞、経済学賞が発表されます。
    去年は、体のさまざまな組織や臓器になるとされる「iPS細胞」を作り出すことに成功した京都大学の山中伸弥教授が、医学・生理学賞を受賞しました。
    また3年前には、化学賞で、鈴木章さんと根岸英一さんの2人が、5年前には、物理学賞と化学賞で、アメリカ国籍の南部陽一郎さんを含めて、合わせて4人の日本人研究者が受賞しています。
    これまでにノーベル賞を受賞した日本人研究者は、南部陽一郎さんを含めて19人で、21世紀以降でみると、自然科学系の3つの賞の受賞者は、日本はアメリカに次いで2番目に多くなっています。初日の医学・生理学賞の発表は、日本時間の7日午後6時半ごろの予定で、2年続けて日本人の受賞がなるか注目されます。
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131006/k10015072441000.html
     

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  13. >初日の医学・生理学賞の発表は、日本時間の7日午後6時半ごろの予定
     

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  14. ノーベル賞 きょうから発表
    10月7日 5時33分

    ことしのノーベル賞の発表が7日から始まります。
    去年、医学・生理学賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授に続き、2年続けて日本人の受賞がなるか注目されます。

    ノーベル賞は、ダイナマイトを発明したスウェーデン人、アルフレッド・ノーベルの「人類のために最大の貢献をした人に与える」という遺言に基づいて1901年に設けられた賞です。
    ことしの受賞者の発表は、日本時間で7日夜の医学・生理学賞に始まり、8日が物理学賞、翌9日が化学賞となっています。
    そして10日以降も文学賞、平和賞、経済学賞が発表されます。
    去年は、体のさまざまな組織や臓器になるとされる「iPS細胞」を作り出すことに成功した京都大学の山中伸弥教授が医学・生理学賞を受賞しました。
    また、3年前には、化学賞で、鈴木章さんと根岸英一さんの2人が、5年前には、物理学賞と化学賞で、アメリカ国籍の南部陽一郎さんを含めて合わせて4人の日本人研究者が受賞しています。
    これまでにノーベル賞を受賞した日本人研究者は、南部さんを含めて19人で、21世紀以降で見ると、自然科学系の3つの賞の受賞者は、日本はアメリカに次いで2番目に多くなっています。
    初日の医学・生理学賞は日本時間の7日午後6時半ごろ発表される予定で、2年続けて日本人の受賞がなるか注目されます。

    ノーベル賞とは

    ノーベル賞は、ダイナマイトを発明したスウェーデン人、アルフレッド・ノーベルの遺言に基づいて1901年に創設された賞で、現在は、▽医学・生理学、▽物理学、▽化学、▽文学、▽平和、それに▽経済学の6つの賞があります。
    それぞれの分野ごとに毎年3人までが受賞し、これまでに863人が受賞しています。
    自然科学の分野では、ノーベル賞は「世界で最も権威がある賞」とされています。
    ノーベルの遺言では「前年に人類に最大の貢献をもたらした人々」に賞が贈られることになっていますが、実際には前年の功績とは限らず、数十年前の成果で受賞することがあります。
    自然科学3賞の選考は、毎年9月に世界中の研究者に数千通とされる推薦状を送り、翌年のノーベル賞にふさわしい人物を挙げてもらいます。
    推薦状は、翌年1月に回収した上で、そこから1組3人以内に受賞者を絞る作業を行います。
    物理学賞と化学賞の場合、「ノーベル委員会」という選考機関が候補者を絞り込み、最終的には、専門家350人が参加する「スウェーデン王立科学アカデミー」が協議して受賞者を決めます。
    ノーベル賞は原則、生きている人しか受賞できませんが、おととしの医学・生理学賞のように研究者が亡くなっていることに気付かずに選考が進められ、そのまま受賞に至ったケースもあります。
    また、誰がどの人物を推薦したかなど選考の過程は秘密とされ、50年後にならないと公開されない仕組みになっています。

    ノーベル賞の予想

    ノーベル賞の発表が始まるのを前に、有力候補について、さまざまな予想が行われています。
    このうち、イギリスなどで企画されているノーベル賞の受賞者を予想する賭けでは、文学賞で村上春樹さんが去年に続いてトップの人気を集めています。
    2位には、アメリカの作家、ジョイス・キャロル・オーツさんが続いているほか、アメリカのミュージシャンのボブ・ディランさんなどの名前も取り沙汰されています。
    また、毎年、平和賞の受賞者を予想しているノルウェーの「オスロ平和研究所」は、去年、パキスタンで女性が教育を受ける権利を訴え、イスラム過激派に銃撃されたマララ・ユスフザイさんや、ロシアで人権擁護活動を続ける「モスクワ・ヘルシンキ・グループ」のリュドミラ・アレクセーエワさんら3人の女性活動家のほか、アフリカ中部、コンゴ民主共和国の紛争で暴力を受けた女性に、治療や心のケアを続けてきた医師のデニス・ムクウェジさんなどを有力候補に挙げています。
    マララさんは、ノーベル賞の候補を対象にした複数の会社の賭けでも1番の人気で、このほか、アメリカ政府機関の機密情報を漏らした疑いで訴追されているCIA=中央情報局の元職員エドワード・スノーデン容疑者や、アフリカへの支援活動に取り組んでいる人気ロックバンド「U2」のボノさんなどの名前も挙がっています。

    高まる期待と課題

    ノーベル賞のうち、医学・生理学賞、物理学賞、化学賞の自然科学系の3つの賞を受賞した日本人は、アメリカ国籍を取得している南部陽一郎さんを含めて合わせて16人です。
    特に、近年は、日本人の受賞が相次いでいて、今世紀に入ってから去年までに自然科学系の3賞を受賞した人の数を国籍別に比較すると、日本はアメリカの47人に次ぐ9人で、イギリスと並んで2番目に多くなっています。
    新たな受賞への期待も高まっています。
    アメリカの学術情報サービス会社が論文の引用数などを基に、毎年、予想しているノーベル賞の自然科学系の有力候補者には、去年までに合わせて13人の日本人の名前が上がり、このうち京都大学教授の山中伸弥さんは去年の医学・生理学賞を受賞しました。
    ことしも、新たに3人が加わるなど、世界的に評価の高い日本人研究者が増えています。
    その一方で、日本の科学技術について、国際的な競争力の低下を懸念する声も上がっています。
    日本政府は、平成13年に科学技術基本計画の中で、「50年間で受賞者30人」という目標を掲げ、世界のトップレベルの研究を行っている研究者に重点的に予算を配分するなど戦略的な研究支援の態勢を整えてきました。
    ところが、文部科学省が去年行った調査で、自然科学系の注目度の高い論文の数を国別に比較したところ、日本は平成11年からの3年間では世界4位につけていましたが、その後、中国などに抜かれ、おととしまでの3年間では7位に後退しています。
    中でも、ここ数年受賞が相次いだ化学の分野では、論文数の減少が目立っているうえ、世界の研究者が引用するような質の高い論文も減る傾向にあり、国内の研究者で作る日本化学会は、ことし3月、減少に歯止めをかけるための提言を行っています。
    また、総務省によると、国内の企業や大学が、科学技術の研究にかける費用は、平成23年度が総額17兆3000億円で4年ぶりに増加しましたが、全体の70%を占める企業部門で景気悪化前の水準には戻っておらず、国の研究開発への投資も頭打ちとなっています。
    こうした事態を打開しようと、政府はことし6月に決定した成長戦略の中で、科学技術イノベーションによる新しい産業の創出を掲げ、国と企業の研究開発投資の促進を目指しています。
    その1つとして、文部科学省は、来年度予算の概算要求の中に、大学の研究を強化するおよそ88億円の事業を盛り込みました。
    この事業では、引用数の多い論文などを基準に将来性のある研究を進める30程度の大学などを絞り込み、優先的に資金を配分する計画で、大学の研究レベルの向上を目指すことにしています。

    日本人の受賞者(年別)

    これまでにノーベル賞を受賞した日本人は、アメリカ国籍を取得している南部陽一郎さんを含めて19人です。
    日本人で初めて受賞したのは、戦後まもない昭和24年、「中間子」という素粒子の存在を予言してノーベル物理学賞を受賞した湯川秀樹さんです。
    その後、昭和40年に朝永振一郎さんが物理学賞、昭和43年に川端康成さんが文学賞、昭和48年に江崎玲於奈さんが物理学賞を受賞し、昭和49年には、佐藤栄作元総理大臣が初めて平和賞を受賞しました。
    そして、昭和56年には福井謙一さんが日本人初の化学賞、昭和62年には利根川進さんが初めての医学・生理学賞を受賞します。
    平成に入ると、まず、平成6年に大江健三郎さんが文学賞を受賞しました。
    平成12年からは3年連続で日本人が受賞します。
    平成12年には白川英樹さんが化学賞、平成13年には野依良治さんが化学賞、平成14年には小柴昌俊さんが物理学賞、田中耕一さんが化学賞をそれぞれ受賞しました。
    平成20年は、4人の日本人が一気に受賞し、南部陽一郎さんと小林誠さん、益川敏英さんの3人が物理学賞を、下村脩さんが化学賞を受賞しました。
    さらに、3年前の平成22年には鈴木章さんと根岸英一さんの2人が化学賞を受賞しました。
    そして、去年は、体のさまざまな組織や臓器になるとされる「iPS細胞」を作り出すことに成功した山中伸弥さんが、25年ぶりに医学・生理学賞を受賞しました。
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131007/k10015076561000.html
     

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  15. ん~、ずあんねんでした(笑)。
     

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  16. >ノーベル生理学・医学賞に米教授ら3氏 日本人なし
    https://www.google.co.jp/search?hl=ja&gl=jp&tbm=nws&authuser=0&q=%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%AB%E7%94%9F%E7%90%86%E5%AD%A6%E5%8C%BB%E5%AD%A6%E8%B3%9E
     
    >受賞テーマは細胞内の物質輸送の解明。

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  17. ノーベル医学・生理学賞に米国の3研究者
    10月7日 18時54分

    スウェーデンのストックホルムにあるノーベル賞の選考委員会は、ことしのノーベル医学・生理学賞を細胞内のタンパク質などの物質を輸送するメカニズムなどを明らかにしたアメリカの3人の研究者に贈ることを決めたと発表しました。
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131007/k10015099211000.html
     

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  18. ★科学ニュース+ 13/10/07 19:14
    【ノーベル賞】2013年のノーベル生理学・医学賞は細胞内の物質輸送システムを解明したジェームズ・ロスマン氏ら3人に
    nobelprize.org Posted by すわきちφφ
    http://anago.2ch.net/test/read.cgi/scienceplus/1381140850/

    「ノーベル 賞」
    http://www.2nn.jp/search/?q=%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%AB+%E8%B3%9E&e=
     

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  19. ノーベル医学・生理学賞に米国など3研究者
    10月7日 19時29分

    ことしのノーベル医学・生理学賞に、細胞内でタンパク質などの物質を運ぶための「膜輸送」と呼ばれるメカニズムを世界で初めて発見したアメリカなどの3人の研究者が選ばれました。

    スウェーデンのストックホルムにある選考委員会は、日本時間の午後6時半ごろ、ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞者を発表しました。
    選ばれたのは、アメリカにあるエール大学のジェームズ・ロスマン教授、カリフォルニア大学のランディ・シェックマン教授、それにスタンフォード大学教授でドイツ生まれのトーマス・ズートホーフ氏の3人です。
    ロスマン教授らは、細胞の内側や外側でタンパク質などの物質を運ぶ「膜輸送」と呼ばれるメカニズムを世界で初めて発見しました。
    この解明によって、細胞どうしのタンパク質のやり取りなど細胞の活動の基本的な仕組みが明らかとなり、糖尿病や免疫不全などさまざまな病気の治療法の開発のための道筋を作ったことが高く評価されました。
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131007/k10015099211000.html
     

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  20. ノーベル生理学・医学賞に米エール大教授ら3人
    2013年10月7日21時3分 読売新聞

     スウェーデンのカロリンスカ研究所は7日、2013年のノーベル生理学・医学賞を、米エール大のジェームズ・ロスマン教授(62)、米カリフォルニア大バークレー校のランディ・シェックマン教授(64)、米スタンフォード大のトーマス・ズートホーフ教授(57)の3人に贈ると発表した。

     3氏は、細胞内の物質輸送の仕組みを解明した。

     細胞の中で作られる酵素やホルモンは、細胞内の「小胞」と呼ばれる小さな袋にいったん蓄えられた後、細胞の小器官や細胞の外に輸送され、様々な生命活動を支えている。この仕組みが乱れると免疫不全、糖尿病のほか、神経系の病気を引き起こす。

     同研究所の発表によると、シェックマン教授は1970年代から酵母を使って小胞の研究をはじめ、その働きに関わる一連の遺伝子を発見した。ロスマン教授は80年代以降、哺乳類の細胞で、小胞が細胞膜に融合し、物質を放出する過程を明らかにした。

     一方、90年代から神経細胞の研究を進めたズートホーフ教授は、神経細胞間の信号を伝える物質を小胞が適切なタイミングで細胞外に運び出す仕組みを解明した。

     賞金は800万スウェーデン・クローナ(約1億2000万円)で、3氏で等分する。授賞式は12月10日にストックホルムで開かれる。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20131007-118-OYT1T00999/
    http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20131007-OYT1T00999.htm
     

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  21. 「酵母を使って小胞の研究をはじめ、その働きに関わる一連の遺伝子を発見」…

    鼻の辺りがむずむずする…(笑)。
     

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  22. >細胞の中で作られる酵素やホルモンは、細胞内の「小胞」と呼ばれる小さな袋にいったん蓄えられた後、細胞の小器官や細胞の外に輸送され、様々な生命活動を支えている。この仕組みが乱れると免疫不全、糖尿病のほか、神経系の病気を引き起こす…


    病気(免疫不全、糖尿病のほか、神経系の疾患現象)の原因は、細胞内物質輸送システムの乱れ(笑)。
     

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  23. 「3大科学誌は商業主義」…ノーベル受賞者が「絶縁」
    2013年12月13日15時1分 読売新聞

     【ワシントン=中島達雄】今年のノーベル生理学・医学賞を受賞した米カリフォルニア大バークレー校のランディ・シェックマン教授(64)が、世界的に有名な3大科学誌は商業主義的な体質で科学研究の現場をゆがめているとして、今後、3誌に論文を投稿しないとの考えを明らかにした。

     教授は9日、英ガーディアン紙に寄稿し、英ネイチャー、米サイエンス、米セルの3誌を批判した。研究者の多くは、評価が高まるとして、3誌への掲載を競うが、教授は「3誌は科学研究を奨励するよりも、ブランド力を高めて販売部数を増やすことに必死だ」と指摘した。

     その上で「人目を引いたり、物議を醸したりする論文を載せる傾向がある」との見方を示し、3誌が注目されやすい流行の研究分野を作り出すことで「その他の重要な分野がおろそかになる」と問題を提起した。

     ネイチャーは10日、「論文の掲載基準は、科学的な意義があるかどうかだ。論文が広く報道されることはあるが、編集者が意図しているわけではない」との声明を出した。セル、サイエンスもそれぞれ、反論をガーディアン紙に寄せた。

     教授は細胞内で作られた酵素やホルモンなどが運ばれる仕組みを解明し、今年のノーベル生理学・医学賞を受賞した。ネットで論文が読めるオンライン科学誌「イーライフ」の編集長も務めている。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20131213-118-OYTPT00643/
     

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  24. 米の医学賞「ラスカー賞」に京大の森和俊教授
    9月9日 21時10分

    アメリカで最も権威のある医学賞とされる「ラスカー賞」のことしの受賞者が発表され、細胞の中にある器官にタンパク質の品質管理を行う仕組みがあることを明らかにした京都大学の森和俊教授が選ばれました。

    これは8日、ニューヨークのラスカー財団が発表したもので、ラスカー賞の4部門のうちの1つ、基礎医学賞の受賞者に京都大学の森和俊教授がアメリカのカリフォルニア大学サンフランシスコ校の教授とともに選ばれました。
    森教授は56歳。
    京都大学を卒業後、アメリカのテキサス大学の研究員などを経て、平成15年から京都大学の教授を務めています。
    森教授は、細胞の中にある「小胞体」という器官には新たに作られたタンパク質に異常がないかを検知し、それを修正する仕組みが備わり、いわばタンパク質の品質管理を行っていることを明らかにしました。
    この仕組みは糖尿病やパーキンソン病などに関わっているとされ、さらに解明することで、さまざまな病気の新たな治療法につながるのではないかと期待されています。
    ラスカー賞は、受賞した研究者から多くのノーベル賞の受賞者が出ていることでも知られ、2012年にノーベル医学・生理学賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授も2009年に選ばれています。
    授賞式は今月19日にアメリカのニューヨークで行われます。
    9日午後、京都大学で会見した森教授は「25年前に始めた地道な基礎研究が高い評価を受けたことを光栄に思います。数多くの細胞を確認したり、厳しい競争にさらされたりと苦しいことも多いですが、謎が解けたときの喜びはなにものにも代え難いです」と述べました。
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140909/k10014453001000.html

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  25. ラスカー賞の森教授にトロフィー
    9月20日 8時37分

    アメリカで最も権威のある医学賞とされる「ラスカー賞」の授賞式がニューヨークで行われ、基礎医学賞に選ばれた京都大学の森和俊教授に記念のトロフィーが贈られました。

    「ラスカー賞」の授賞式は19日、ニューヨークで行われ、基礎医学賞に選ばれた京都大学の森和俊教授とアメリカのカリフォルニア大学サンフランシスコ校の教授に記念のトロフィーが贈られました。森教授は、細胞にある「小胞体」という器官には、タンパク質が作られる際、誤って不良品ができた場合にそれを感知し修復や分解をする仕組みが備わっていることを解明しました。
    タンパク質の品質管理ともいえるこの仕組みは糖尿病やパーキンソン病などと関係があるとされ、新たな治療法につながるのではないかと期待されています。
    授賞式のあと森教授は、「基礎研究における新しい発見が評価され光栄に思う。今後は若い学生たちに基礎研究のおもしろさを伝えていきたい。日本の基礎研究はレベルは高いが予算が少なく、厳しい環境にある。将来を見据えた基礎研究の重要性も認識してほしい」と話していました。
    ラスカー賞は受賞した研究者から多くのノーベル賞受賞者が出ていることでも知られ、京都大学の山中伸弥教授も5年前に選ばれています。
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140920/k10014744341000.html

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  26. ノーベル賞 あすから発表
    10月5日 6時51分

    ノーベル賞の発表が6日から始まり、おととしの京都大学、山中伸弥教授以来の日本人の受賞がなるか、注目されます。

    ノーベル賞は、ダイナマイトを発明したスウェーデン人科学者、アルフレッド・ノーベルの遺言に基づいて、1901年に始まった、世界で最も権威のある賞です。
    ことしの受賞者の発表は、6日の医学・生理学賞に始まり、7日が物理学賞、8日が化学賞、10日が平和賞と続き、13日に経済学賞が発表されます。
    文学賞の日程についてはまだ、明らかになっていませんが、9日になるとみられています。
    去年、日本人の受賞はありませんでしたが、おととしは体のさまざまな組織や臓器になるとされる「iPS細胞」の作製に成功した京都大学の山中伸弥教授が医学・生理学賞を受賞しました。
    また、4年前には化学賞で鈴木章さんと根岸英一さんの2人が、6年前には物理学賞と化学賞でアメリカ国籍の南部陽一郎さんを含めて合わせて4人の日本人研究者が受賞しています。
    これまでにノーベル賞を受賞した日本人研究者は、南部陽一郎さんを含めて19人で、21世紀に入ってからは、日本はアメリカ、イギリスに次いで3番目に、自然科学系の3つの賞の受賞者が多くなっています。
    初日の医学・生理学賞の発表は、日本時間の6日の午後6時半ごろの予定で、20人目の日本人のノーベル賞受賞がなるか注目されます。

    海外の予想は
    ことしのノーベル賞の発表が6日から始まるのを前に、海外でも各賞の有力候補についてさまざまな予想が行われています。
    このうち世界的な学術サービス会社が論文の引用回数などをもとに、予想している医学・生理学賞、物理学賞、化学賞、それに経済学賞の4つの賞の有力候補には9か国から27人の研究者の名前が挙げられています。
    このうち日本人では、物理学賞で、東京大学の十倉好紀教授が挙げられているほか、化学賞では、韓国科学技術院のユ・リョン(劉龍)教授が候補に名を連ねており、韓国としては、自然科学分野で初めての受賞となるか注目を集めています。
    また、イギリスで、政治やスポーツなどさまざまな出来事を対象に賭けをする政府公認の業者、「ブックメーカー」の予想では、文学賞の受賞者として村上春樹さんが軒並みトップになっています。
    このうち大手業者の一つでは、村上さんは、ことしの予想が始まった8月から不動の最有力候補で、過去6年間で、4回目の一番人気だということです。
    「ブックメーカー」の担当者は、「村上さんはとても人気が高い作家です。ことしかどうかは分かりませんが、やがてノーベル賞を受賞すると多くの人が考えています」と話していました。
    このほか、毎年、平和賞の受賞者の予想を行っているノルウェーの「オスロ平和研究所」は、ことしの受賞候補に、戦争の放棄をうたった憲法9条を持ち続ける日本国民を挙げています。

    日本人の受賞者
    日本人で初めてノーベル賞を受賞したのは、昭和24年の湯川秀樹さんで、それ以降、おととしの山中伸弥さんまで、合わせて19人の日本人が、経済学賞を除く5つの分野でノーベル賞を受賞しています。
    このうち、医学・生理学賞はこれまでに2人が受賞しています。
    昭和62年に利根川進さんが受賞したあと、おととし、25年ぶりに、体のさまざまな組織や臓器になるとされる「iPS細胞」を作り出すことに成功した山中伸弥さんが受賞しました。
    物理学賞と化学賞は受賞者が最も多く、それぞれ7人が受賞しています。
    物理学賞は、戦後まもない昭和24年に、湯川秀樹さんが「中間子」という素粒子の存在を予言して、日本人として初めてのノーベル賞を受賞。
    その後、昭和40年に朝永振一郎さんが、昭和48年に江崎玲於奈さんが、平成14年には小柴昌俊さんが受賞しました。
    そして、6年前の平成20年には、素粒子の理論的な研究で成果を上げた南部陽一郎さんと小林誠さん、それに益川敏英さんの3人が同時に受賞しました。
    化学賞は、昭和56年に福井謙一さんが初めて受賞したあと、平成12年から3年連続で、白川英樹さん、野依良治さん、田中耕一さんが受賞しました。
    その後、平成20年に下村脩さんが受賞し、4年前には液晶や医薬品など幅広い分野で使われている「クロスカップリング反応」の研究に取り組んだ、鈴木章さんと根岸英一さんが同時に受賞しました。
    文学賞は、昭和43年に川端康成さんが、平成6年に大江健三郎さんがそれぞれ受賞し、平和賞は、昭和49年に佐藤栄作元総理大臣が受賞しています。
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141005/k10015128851000.html

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  27. 自然科学系 増える日本人受賞者
    10月5日 6時51分

    6日からノーベル賞の発表が始まります。
    そのうち医学・生理学賞、物理学賞、化学賞の自然科学系の3つの賞を受賞した日本人は、アメリカ国籍を取得している南部陽一郎さんを含めて合わせて16人です。
    とくに近年は、日本人の受賞が相次いでいて、今世紀に入ってから去年までに自然科学系の3賞を受賞した人の数を国籍別に比較すると、日本はアメリカの51人、イギリスの10人に次ぐ9人で3番目に多くなっています。

    日本人研究者への評価
    新たな受賞への期待も高まっています。
    アメリカの学術情報サービス会社が論文の引用数などをもとに毎年、予想しているノーベル賞の自然科学系の有力候補者には、これまでに合わせて19人の日本人の名前が上がり、このうち、京都大学教授の山中伸弥さんは、おととしの医学・生理学賞を受賞しました。

    課題
    一方で、日本の科学技術について、国際的な競争力の低下を懸念する声も上がっています。
    日本政府は、平成13年に、科学技術基本計画の中で、「50年間で受賞者30人」という目標を掲げ、世界のトップレベルの研究を行っている研究者に、重点的に予算を配分するなど、戦略的な研究支援の態勢を整えてきました。
    ところが、文部科学省が去年行った調査で、自然科学系の注目度の高い論文の数を国別に比較したところ、日本は平成12年からの3年間では世界の4位につけていましたが、その後、中国などに抜かれ、おととしまでの3年間では8位まで後退しています。
    また、総務省によりますと、国内の企業や大学が、科学技術の研究にかける費用は、平成24年度は総額17兆3246億円。
    研究者の数では世界3位ながら、研究費は、右肩上がりの傾向を示すアメリカや中国とは異なり、ここ数年ほぼ横ばいです。

    力点
    こうした事態を打開しようと、政府はことし6月に決定した総合戦略の中で、科学技術の発展に適した環境作りに力点を置いています。
    具体的には、若手の柔軟な発想を生かし、女性研究者を育てる環境や、大学、研究開発法人の機能の強化を目指すことで、国際競争力を確保するとともに、持続的に発展することを目指しています。
    また、文部科学省は、来年度予算案の概算要求の中に、大学の研究を強化するおよそ64億円の事業を盛り込みました。
    この事業では、引用数の多い論文などを基準に将来性のある研究を進める20余りの大学や研究機関などを絞り込み、優先的に資金を配分する計画で、研究レベルの向上を目指すことにしています。
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141005/k10015129241000.html

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  28. [顔]「バナナの皮はよく滑る」証明しイグ・ノーベル賞 馬渕清資さん 63
    2014年10月5日3時0分 読売新聞

     「バナナの皮は、雪の上のスキーに迫るぐらい滑りやすいことがわかりました」

     ユーモアあふれる研究に贈られる米国のイグ・ノーベル賞で、物理学賞に輝いた。米ハーバード大での授賞式では、歌いながらバナナの皮の滑りやすさを説明した。ゴジラがバナナに滑って転ぶイラストで意表を突き、1分で見事、笑いを取った。

     現在、北里大医療衛生学部の教授。医療工学の世界で35年以上、関節が滑らかに動く仕組みを調べてきた。その関節のプロが目を付けたのが、喜劇でよく見るバナナの皮でずっこけるシーンだった。「これ、人工関節の開発に、応用できないかな」

     2010年からバナナやリンゴ、ミカンの皮などを繰り返し踏みつけ、滑りやすさの指標「摩擦係数」を測定した。意外なことに誰も調べたことがなかったという。学生時代に機械工学を学んだ人らしい発想だった。

     授賞式への途上、かばんの鍵をなくした。翌日は、ボストン市内で新しいかばんを求めて歩き回る羽目に。「まさかボストンでボストンバッグを探すことになるとはね」。どんな時も、ユーモアを忘れない。(ワシントン支局 中島達雄、写真も)
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20141005-118-OYTPT50131

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  29. 医学・生理学賞に欧州の3人「脳の空間認識」解明
    10月6日 19時06分

    ことしのノーベル医学・生理学賞に、脳の中に、自分が今どこにいるのかを把握する神経細胞があることを発見し、脳の空間認識のメカニズムを解明したイギリスとノルウェーで活動している研究者ら3人が選ばれました。

    スウェーデンのストックホルムにあるノーベル賞の選考委員会は、日本時間の午後6時半ごろ記者会見し、ことしのノーベル医学・生理学賞に、▽イギリスで活動しているジョン・オキーフ氏、▽ノルウェーで活動しているマイブリット・モゼール氏、そして夫の▽エドバルド・モゼール氏の3人を選んだと発表しました。
    オキーフ氏は、動物はなぜ、自分が今いる位置を感覚的に把握できるのか、その理由を突き止めようと、ラットを使った実験を行い、まず、脳の中でも「海馬」と呼ばれる記憶に関わる部位に注目しました。
    その結果、海馬の中に、自分が今どこにいるのかを把握する神経細胞があり、この細胞をつないだ神経のネットワークがあることを突き止めました。
    さらに、モゼール夫妻は、大脳新皮質にも、自分の今の位置を距離も含めて把握する別の神経細胞があることを突き止め、脳が空間を認識するメカニズムを解明しました。
    ノーベル賞の選考委員会は、3人を選んだ理由について、「アルツハイマー病などの患者が、はいかいするのは、これらの細胞などの脳の機能に異常が出るためだと考えられる。記憶や意識など脳の情報処理のメカニズムに迫る研究で、常識を覆す成果だ」とコメントしています。
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141006/k10015173391000.html

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  30. アルツハイマー病・認知症・痴呆症関連「脳神経科学」分野から…

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  31. かつては中村氏も…ノーベル賞候補に日本人2人
    2015年9月24日19時45分

     米国の情報調査会社トムソン・ロイターは24日、ノーベル生理学・医学賞の有力候補者として、京都大の森和俊教授(57)と大阪大の坂口志文しもん教授(64)を選んだと発表した。

     森氏は細胞内の器官「小胞体」が、たんぱく質の不良品を検出して修復する仕組み「小胞体ストレス応答」を解明、坂口氏は免疫反応にブレーキをかける「制御性T細胞」を発見した。

     同社は2002年から毎年、世界中の研究者の論文が他の研究者に引用された回数などを分析し、生理学・医学、物理学、化学、経済学の4分野でノーベル賞候補者を独自に発表している。今回は森、坂口両氏と欧米の研究者ら計18人を選んだ。

     昨年までに選ばれた延べ238人のうち、12年に生理学・医学賞を受賞した山中伸弥・京都大教授(53)や、14年に物理学賞を受賞した中村修二・米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授(61)ら37人が、後にノーベル賞を受賞した。

     今年のノーベル賞の自然科学系3賞の発表は、生理学・医学賞が10月5日午後6時30分、物理学賞が同6日午後6時45分、化学賞が同7日午後6時45分の予定。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20150924-118-OYT1T50101

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  32. ノーベル賞予想に日本人研究者2人
    9月25日 8時01分

    来月5日から始まることしのノーベル賞の発表を前に、論文の引用回数を基にしたアメリカの学術情報会社による受賞者の予想が発表され、医学・生理学で、京都大学の森和俊教授と、大阪大学の坂口志文教授の2人の日本人研究者の名前が挙がりました。

    世界の研究者の論文およそ6000万本の検索サービスを行っているアメリカの学術情報会社「トムソン・ロイター」は、24日、論文の引用回数を基にノーベル賞の受賞が予想される18人の研究者を発表し、日本人研究者も2人の名前が挙がりました。
    このうち、京都大学の森和俊教授は、生命の活動を維持するのに必要なたんぱく質のうち誤って出来た不良品を見つけて分解する、細胞の中の「小胞体」と呼ばれる器官の仕組みを解明しました。
    また、大阪大学の坂口志文教授は、体を守るはずの免疫が自分の体を攻撃して起きる病気の仕組みなどを解明しようと取り組み、過剰な免疫反応を抑えるリンパ球の一種、「制御性T細胞」という細胞があることを突き止めました。
    論文への注目度を基にした「トムソン・ロイター」の予想では、これまでに名前が挙がった238人のうち37人が実際にノーベル賞を受賞していて、来月5日から始まることしのノーベル賞の発表が注目されます。
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150925/k10010246911000.html

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    1. サプレッサーT細胞(抑制性T細胞)捏造をケムにまくために、ぜひとも「サプレッサーT細胞」のノーベル賞を希望してるエロい人多数…

      「サプレッサーT細胞 抑制性T細胞 制御性T細胞」
      https://www.google.co.jp/search?q=%E3%82%B5%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%B5%E3%83%BC%EF%BC%B4%E7%B4%B0%E8%83%9E+%E6%8A%91%E5%88%B6%E6%80%A7T%E7%B4%B0%E8%83%9E+%E5%88%B6%E5%BE%A1%E6%80%A7%EF%BC%B4%E7%B4%B0%E8%83%9E

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    2. [キーワード:サプレッサーT細胞]
      https://kaken.nii.ac.jp/p?qb=%E3%82%B5%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%B5%E3%83%BC%EF%BC%B4%E7%B4%B0%E8%83%9E&c=50&o=2

      https://kaken.nii.ac.jp/r?qb=%E3%82%B5%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%B5%E3%83%BC%EF%BC%B4%E7%B4%B0%E8%83%9E&c=100&o=4

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  33. ノーベル平和賞予想 独首相や「九条の会」
    10月2日 4時40分

    ノーベル平和賞が来週、発表されるのを前に、平和賞の予想を行っている北欧のノルウェーの研究所は、ことしの受賞候補として、シリアなどからの難民の受け入れに主導的な役割を果たしているドイツのメルケル首相や、戦争の放棄などをうたった憲法9条を守ろうと活動している「九条の会」など5つの候補を挙げました。

    毎年、ノーベル平和賞の予想を行っているノルウェーの「オスロ平和研究所」は1日、ことしの予想を発表しました。5つの受賞候補のうち、最有力の候補には、内戦が続くシリアなどからヨーロッパに押し寄せる難民の受け入れに主導的な役割を果たしているドイツのメルケル首相を選びました。
    また、4番目の候補には、ノーベル賞作家の大江健三郎さんなどが呼びかけ人となって、戦争の放棄などをうたった憲法9条を守ろうと活動している「九条の会」を挙げました。理由について、オスロ平和研究所のハルプビケン所長は、NHKの取材に対し、「東アジア地域の緊張が続くなか、憲法9条は極めて重要な原則だ」と話していて、安全保障関連法が成立し憲法改正が議論される中で、「九条の会」の活動が評価される可能性があるとしています。
    一方、公表された予想の中では、被爆者の立場から核兵器廃絶を訴え続けてきた日本被団協=日本原水爆被害者団体協議会についても言及していて、ハルプビケン所長は「平和賞は現在の問題に光をあてようと贈られることが多いが、受賞の可能性は排除しない」と話しています。
    ノーベル平和賞は9日、ノルウェーの首都オスロで発表されます。

    「九条の会」など推薦の研究員は

    憲法9条を守ろうと活動している「九条の会」と「日本被団協=(にほん)日本原水爆被害者団体協議会」をことしのノーベル平和賞に推薦したイギリス、ブラッドフォード大学のピーター・バン・デン・デュンゲン研究員は、NHKのインタビューに応じました。
    この中で、デュンゲン研究員は、「戦争の放棄をうたった憲法9条はすばらしい条文だ。しかし、年々根本的な部分が変質してきているように感じている」と指摘したうえで、「もし、九条の会がノーベル平和賞を受賞すれば、こうしたことを以前の状態に戻すことができるかもしれない」と述べました。また、日本被団協について、デュンゲン研究員は、「被爆者らの高齢化が進むなか、この先10年後、20年後にはこうした世代がいなくなってしまうかもしれない。もし日本被団協がノーベル平和賞を受賞することになれば、核廃絶の必要性という非常に明確なメッセージを送ることになる」と述べました。
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151002/k10010255561000.html

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    1. ノーベル賞をとりまくヒトビトのトンデモさの象徴、証左…

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  34. 10月3日 よみうり寸評
    2015年10月3日15時0分

     富山市から岐阜県飛騨市を経て高山市までの国道41号とその沿道は「ブリ街道」と呼ばれる。富山湾のブリが江戸時代以降このルートに沿って信州に運ばれたことに由来する◆最近は富山、岐阜両県が「ノーベル街道」の別称を使っている。自然科学分野のノーベル賞を受賞した日本の研究者19人中4人に縁があるためという◆例えばノーベル生理学・医学賞を1987年に受賞した利根川進氏は富山市で幼少期を過ごした。飛騨市神岡町の実験施設で観測された宇宙からの素粒子は、小柴昌俊氏の2002年のノーベル物理学賞受賞につながった◆地元観光団体は「豊かな自然」「落ち着いた教育環境」が貢献したと解説する。ノーベル賞との関係には異論も出ようが、地元への愛着と考えておこう◆今年も5日からノーベル賞受賞者の発表が始まる。下馬評に上がる日本人研究者は少なくとも30人を超える◆ノーベル街道にゆかりの候補者もいる。地元だけではなく、日本人としてちょっと誇らしく思える朗報を期待しよう。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20151003-118-OYTPT50298

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    1. [よみうり堂から]10月4日
      2015年10月4日3時0分

       ノーベル賞の季節です。あす月曜は生理学・医学賞、火曜に物理学賞、水曜が化学賞。まだスウェーデン・アカデミーのアナウンスがありませんが、例年通りとすれば木曜の8日が文学賞の発表日◆「夜長にフランス文学」特集を予告している手前、何か関連の話題はないかと文学賞のホームページをのぞいたら、こんな数字が出ていました。1901年から始まった文学賞の昨年までの受賞者は全部で111人。作品が書かれた言語を集計するとトップが英語で27、次いでフランス語14、ドイツ語13、スペイン語11。日本語の2は川端康成と大江健三郎◆フランス作家の歴代受賞者を並べてみます。ロマン・ロラン、アナトール・フランス、ベルクソン、アンドレ・ジイド、モーリアック、カミュ、サルトル(辞退)、クロード・シモン、ル・クレジオ、昨年のモディアノなどなど綺羅きら、星のごとし。投書をお待ちしています。(則)
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20151003-118-OYTPT50437

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    2. [わかるサイエンス]ノーベル賞 出るか23人目
      2015年10月4日3時0分

       ノーベル賞の自然科学3賞の発表が5日から始まる。生理学・医学賞が日本時間の5日午後6時30分、物理学賞は6日、化学賞は7日のそれぞれ午後6時45分に発表される予定だ。これまで日本のノーベル賞受賞者は22人で、うち自然科学3賞は19人。青色発光ダイオード(LED)の発明で昨年、物理学賞に輝いた赤崎勇さんや天野浩さん、中村修二さんに続き、23人目の受賞者が出るか注目される。(ノーベル賞取材班)

      生理学・医学 国際的受賞歴に注目

       生理学・医学賞の受賞者を予想するうえで、国際的な医学賞の受賞歴が参考になる。米国最高の医学賞とされる「ラスカー賞」や、カナダの医学賞である「ガードナー国際賞」は、ノーベル賞の「前哨戦」とも言われ、受賞者の多くが後にノーベル賞に輝いている。

       今年3月に発表されたガードナー国際賞には、坂口志文しもん・大阪大教授(64)と、大隅良典・東京工業大栄誉教授(70)が選ばれた。

       坂口さんは、体を病原体などから守る免疫という働きを抑える「制御性T細胞」を発見。がんや、過剰な免疫反応が原因のアレルギーや自己免疫疾患の新治療法の開発につながると注目されている。

       大隅さんは、水島昇・東京大教授(49)とともに、細胞内の不要物を一気に分解し、再利用する「オートファジー(自食作用)」の仕組みを解明した。

       また、今年のラスカー臨床医学賞には、新しいがん免疫療法の開発に道を開いた米研究者が選ばれたが、同様の治療法の開発に大きく貢献した本庶佑ほんじょたすく・京都大名誉教授(73)にも期待が高まっている。

       昨年のラスカー基礎医学賞は、細胞内の器官「小胞体」で、不良品のたんぱく質を検出して修復する「小胞体ストレス応答」の仕組みを解明した森和俊・京大教授(57)が受賞した。

       米情報調査会社トムソン・ロイターは9月、有力候補として、森さんと坂口さんを選んだ。同社は過去に、大隅さんや水島さんに加え、脳の活動を安全に観察できるfMRI(機能的磁気共鳴画像)の基本原理を発見した小川誠二・東北福祉大特任教授(81)も有力候補に挙げている。

      物理学 宇宙分野に可能性

       物理学賞は近年、授賞する分野に、ある程度の規則性がみられる。物質の性質に関する「物性」と呼ばれる分野の研究者が2年ごとに受賞し、物性と物性の間の年は、「素粒子」か「宇宙(天文)」の分野から受賞者が交互に出ているという規則性だ。

       一昨年は素粒子分野から、ヒッグス粒子の存在を提唱した研究者2人が選ばれた。昨年は物性分野の青色LED発明だった。この規則性が続けば、今年は宇宙分野の研究から受賞者が選ばれる可能性が高い。

       宇宙分野で国際的に評価が高いのは、宇宙が誕生直後に爆発的に膨張したとする「インフレーション理論」を提唱した佐藤勝彦・自然科学研究機構長(70)だ。

       一方、規則性を考慮しなければ、日本の得意分野である素粒子での受賞に期待がかかる。最有力候補は、素粒子「ニュートリノ」に質量があることを証明した梶田隆章・東京大宇宙線研究所長(56)だ。岐阜県飛騨市の地下に設置された観測装置「スーパーカミオカンデ」で1998年に証明した。別の観測装置「カムランド」でニュートリノの研究を行った鈴木厚人あつと・岩手県立大学長(69)の同時受賞にも期待がかかる。

       物性の分野では、省電力のコンピューター開発につながる新素材を発明した十倉とくら好紀よしのり・理化学研究所創発物性科学研究センター長(61)、超伝導研究の細野秀雄・東京工業大教授(62)らも有力とされている。

      化学 実用的研究重視の傾向

       化学賞は近年、社会の発展に役立つ実用的な研究に贈られる傾向がある。そこで注目されるのが、スマートフォン(スマホ)やタブレット端末などの急速な普及を支えている「リチウムイオン電池」の開発だ。

       小型で大容量、充電すれば繰り返し使えるという特長からスマホなどの電池として採用されている。最近では電気自動車や航空機などにも利用が広がっている。

       この電池の開発に、日本人では東芝リサーチ・コンサルティングの水島公一さん(74)や、旭化成の吉野彰さん(67)らが大きく貢献している。

       酸化チタンに光を当てると水が酸素と水素に分解される「ホンダ・フジシマ効果」を発見し、光触媒と呼ばれる研究分野を切り開いた、東京理科大の藤嶋昭学長(73)も有力候補の一人だ。光触媒は外壁の汚れの分解などに応用されている。

       日本のお家芸でもある有機化学分野での受賞にも期待が高まっている。薬の開発などにつながる化合物を効率よく作り出す手法を開発した東京大の向山光昭てるあき(88)、柴崎正勝(68)両名誉教授の業績も注目される。

       また、北九州産業学術推進機構の国武豊喜理事長(79)は、世界で初めて生体の細胞膜によく似た人工の膜を作り出すことに成功し、今年の京都賞の受賞者に決まった。小さな穴が多数開いた多孔性材料と呼ぶ物質を開発した京都大の北川進教授(64)は、特定のガスだけを貯蔵する技術につながる成果だとして、国際的に評価が高い。

      日本の受賞 2000年以降急増

       ノーベル賞の自然科学3賞を受賞した日本の研究者は19人に上る。2000年以降に限ると14人で、日本の受賞ラッシュが続いており、日本の科学研究の底力を示している。

       最も多いのが、物理学賞の10人。1949年に日本で初めてノーベル賞を受賞した湯川秀樹さんや、今年7月に94歳で亡くなった南部陽一郎さんらがいる。ノーベル賞は3人まで同時受賞が可能で、日本の3人が物理学賞を独占したケースが昨年と2008年にあった。

       物理学賞に次いで多いのが化学賞で、受賞者は1981年の福井謙一さんをはじめ7人を数える。有機化学分野で受賞者が多いのが特徴だ。生理学・医学賞は、免疫の仕組みを解明した利根川進さん、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を作製した山中伸弥さんがそれぞれ受賞している。

       ノーベル賞の受賞数をめぐっては、2001年に策定された国の第2期科学技術基本計画で、「50年で30人」という数値目標が掲げられたこともある。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20151003-118-OYTPT50384

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  35. あすからノーベル賞発表 日本人受賞に期待
    10月4日 18時05分

    人類のために最大の貢献をした人たちに贈られる、ことしのノーベル賞の発表が、日本時間の5日から始まります。去年の物理学賞の受賞で、日本は今世紀の国籍別の受賞者数が、自然科学系の3つの賞で見ると、イギリスを抜いて、アメリカに次ぐ第2位となり、ことしも日本人の受賞への期待が高まっています。

    ノーベル賞は、ダイナマイトを発明したスウェーデンの科学者、アルフレッド・ノーベルが残した「人類のために最大の貢献をした人に与える」という遺言に基づいて、1901年に始まった、世界で最も権威のある賞です。
    ことしの受賞者の発表は、5日の医学・生理学賞に始まり、6日が物理学賞、7日が化学賞、9日が平和賞と続き、12日に経済学賞が発表されます。文学賞の日程はまだ明らかにされていませんが、例年、木曜日となることから、8日になるとみられます。
    去年は、青く光るLEDの開発に成功して、LEDのフルカラー化を実現し、消費電力の削減に貢献した、赤崎勇さんと、天野浩さん、そしてアメリカ国籍を取得した中村修二さんの、3人の日本人研究者が物理学賞を受賞しました。
    これまでにノーベル賞を受賞した日本人は、アメリカ国籍を取得した人を含め22人となり、このうち13人は今世紀に入って自然科学の3つの賞で受賞した人たちです。
    今世紀、2001年以降の自然科学系の3つの賞の受賞者について、文部科学省が国籍別に行った集計では、日本は去年の受賞で、イギリスを抜いて、アメリカに次ぐ第2位となり、ことしも日本人の受賞への期待が高まっています。
    最初に行われる医学・生理学賞の発表は、スウェーデンの研究所で、日本時間の5日午後6時半以降に予定されています。

    自然科学系の3賞の選考方法は

    ノーベル賞のうち、医学・生理学賞と物理学賞、化学賞の自然科学系の3つの賞の選考は、それぞれの賞ごとに、5人以上の専門家で作るノーベル委員会によって進められます。
    ノーベル委員会はまず、毎年9月に世界中の研究者に数千通の推薦依頼を送り、次の年の候補者を募ります。
    候補者の推薦は次の年の1月に締め切られ、その後、業績の調査や受賞者の選考が進められます。
    誰がどの人物を推薦したかなど、選考の過程は秘密にされますが、記録は残され、50年後に公開されることになっています。

    医学・生理学賞 期待は

    医学・生理学賞では、細胞が不要なたんぱく質などを分解する「オートファジー」と呼ばれる仕組みを解明した、東京工業大学栄誉教授の大隅良典さんと、過剰な免疫反応を抑える「制御性T細胞」を発見した、大阪大学教授の坂口志文さんが、ことし、ノーベル賞と関連の深い「ガードナー国際賞」の受賞が決まるなど、注目を集めています。
    また、細胞の「小胞体」と呼ばれる器官の仕組みを解明した、京都大学教授の森和俊さんも、去年、多くのノーベル賞受賞者を出している「ラスカー賞」を受賞していて、注目を集めています。

    物理学賞 期待は

    物理学賞では、物質の新たな性質を発見した、理化学研究所の十倉好紀さんや、東京工業大学教授の細野秀雄さんなどの研究が注目されています。
    論文の引用回数の多さを基にしたアメリカの学術情報会社の予想で、十倉さんは去年、細野さんはおととし、ノーベル賞の受賞が有力な研究者として名前が挙がりました。
    このうち、細野さんが世界を驚かせたのは、身の回りにありふれた鉄から作った物質でも、マイナス247度まで冷やすと、電気の抵抗をゼロにできるという発見です。この状態は「超電導」と呼ばれますが、レアアースと呼ばれる希少な金属を含むなど、限られた物質でしか起きないと考えられていた、それまでの物理学の常識を覆しました。超電導になる物質は電気を通すと強力な磁石になるため、例えば、体の内部を詳細に撮影するMRIなどの医療機器に用いられています。今後、鉄を材料にできれば、医療機器の高性能化や低価格化につながり、世界の途上国などに高度な医療機器を普及させていくことができます。細野さんの発見をきっかけに、今、世界中の研究者が、応用のための研究を進めています。
    ことし、鉄から作った物質で強力な磁石を作ることに成功した、東京農工大学の山本明保特任准教授は、「稀少な金属を使わなくても済むメリットは大きく、今後、研究が進めば、超電導を利用した機器の普及につながると思う。科学者の中では起きないと思われていた、鉄の化合物で超電導になることを発見した、細野先生の常識を覆す発見は、非常にインパクトが大きい」と話しています。

    化学賞 期待は

    アメリカの学術情報会社の予想では、化学賞の受賞者に、携帯電話やパソコンなどに広く使われている「リチウムイオン電池」を開発した、アメリカのテキサス大学オースチン校のジョン・グッドイナフ教授の名前が挙がっていますが、実は、この開発にも日本人の研究者が深く関わっています。
    リチウムイオン電池は、プラスの電極にリチウムという金属の化合物を、マイナスの電極に特殊な炭素を使い、軽いのに、出力が大きく繰り返し充電できるのが特徴です。
    グッドイナフ教授は1980年、当時在籍していたイギリスのオックスフォード大学で、リチウムの化合物をプラスの電極に使うと、電圧が高く、寿命が長い電池ができることを発見しました。
    このとき、研究員として開発の中心を担っていたのが、後に東芝に入社した水島公一さんでした。そして、水島さんたちの発見の5年後、旭化成の研究員だった吉野彰さんが、マイナスの電極に特殊な炭素を使うことで安全性が高まることを突き止めました。
    こうして完成したリチウムイオン電池は、平成3年にソニーから世界で初めて商品化され、現在はハイブリッド車や電気自動車などにも応用が広がっています。
    水島さんは「当時は自分の研究が実用化されるとは思ってもいませんでした。製品化されるだけでも運がよかったと思いますが、ここまで普及したことは奇跡に近く、宝くじに当たったようです」と話しています。

    受賞者予想のコーナーが人気

    ノーベル賞の発表を前に、東京・江東区の日本科学未来館では、受賞者を予想するコーナーが人気を集め、多くの家族連れなどが訪れています。
    日本科学未来館では毎年、受賞者を予想してパネルを作り、さまざまな科学の専門分野に詳しい担当者が、訪れた人たちに解説しています。
    ことしの予想では、医学・生理学の分野で、体の免疫を研究し、がんの治療薬の開発に大きな貢献をした、京都大学名誉教授の本庶佑さんなど、4人の日本人研究者の名前を挙げています。
    会場では、訪れた人たちも自分たちなりに受賞者を予想をして、パネルに投票のシールを貼っていました。小学5年生の男の子と訪れた横浜市の男性は、「がんの治療のような社会に貢献する研究が、ぜひ評価されてほしいと思います。どの賞であっても、日本人が受賞することを期待しています」と話していました。
    日本科学未来館で科学コミュニケーターを務める詫摩雅子さんは、「ことしは投票のシールが足りなくなるぐらい、予想コーナーが大人気で、関心の高さを感じています。日本人の研究者には、『ノーベル賞の前哨戦』とも言われる国際的な賞の受賞者や、執筆した論文がほかの論文に数多く引用されるなど、高い評価を受けている人が何人もいて、ことしも日本人研究者が受賞する可能性は大いにあると期待しています」と話していました。
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151004/k10010258431000.html

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    1. ノーベル賞 きょうから発表始まる
      10月5日 0時59分

      人類のために最大の貢献をした人たちに贈られることしのノーベル賞の発表が5日から始まります。日本は、自然科学系の3つの賞では今世紀、2001年以降の受賞者数が国籍別で世界第2位となっていて、ことしも日本人の受賞への期待が高まっています。

      ことしのノーベル賞の発表は、5日の医学・生理学賞に始まり、6日が物理学賞、7日が化学賞、9日が平和賞、12日に経済学賞と続きます。文学賞は日程がまだ明らかにされていませんが、例年、木曜日となることから8日に発表される見通しです。平和賞以外の発表が行われるスウェーデンのストックホルムにあるノーベル博物館では、発表後に、受賞者の顔写真などを表示する専用の画面が設置されるなど準備が進んでいます。
      ノーベル賞の選考委員会は、受賞候補者の情報を明らかにしていませんが、平和賞については、委員会が推薦を受けた270余りの個人や団体から選ばれる見通しです。平和賞の予想をしているオスロ平和研究所は、ことしの最有力候補に、ヨーロッパに押し寄せる難民の受け入れに主導的な役割を果たしているドイツのメルケル首相を挙げたほか、戦争放棄などをうたった憲法9条を守ろうと活動する日本の「九条の会」を4番目の候補にしています。
      また、文学賞では、世界で作品が飜訳されている村上春樹さんが取りざたされていて、イギリス政府公認のブックメーカーで高い人気となっています。去年は、青く光るLEDの開発で日本人3人が物理学賞を受賞しており、ことしも日本人が受賞するのか注目されます。
      最初に行われる医学・生理学賞の発表は、スウェーデンの研究所で、日本時間5日夜6時半以降に予定されています。

      期待高まる日本人の受賞

      去年は、青く光るLEDの開発に成功してLEDのフルカラー化を実現し、消費電力の削減に貢献した赤崎勇さんと、天野浩さん、アメリカ国籍を取得した中村修二さんの3人の日本人研究者が物理学賞を受賞しました。去年の受賞で、日本は、自然科学系の3つの賞でみると、今世紀、2001年以降の受賞者数が国籍別でイギリスを抜き、アメリカに次ぐ世界第2位となっています。
      ことしも、論文の引用回数の多さを基にアメリカの学術情報会社が行っている受賞者の予想で、2人の日本人研究者の名前が挙がっているほか、ノーベル賞と関連の深い国際賞の受賞の決定も相次ぎ、日本人の受賞への期待が高まっています。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151005/k10010258661000.html

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  36. まぼろしのノーベル賞・・・調査研究本部主任研究員 佐藤良明
    2015年9月10日11時0分

     ノーベル賞の発表まで約1か月。日本人の受賞に備え、科学記者にとって1年で一番忙しい時期を迎えている。他の賞の受賞歴、研究分野の巡り合わせなどから、「あの科学者が今年は有力」と予測し、掲載する原稿を下準備したり、関連取材すべき人たちのリストを作ったりする。

     日本人は、ノーベル賞に大いに尊敬の念を抱いている。湯川秀樹博士が日本人で初めて受賞したのが1949年。戦争の荒廃から復興途上だった日本に明るい希望をもたらした。以来、「日本の存在感を世界に示す特別な栄誉」。そんなふうに日本人はこの賞のことを考えてきたのだろう。

     湯川博士より前に、受賞の可能性のあった日本人がいた。よく知られるのは、野口英世と、感染症の血清療法を研究した北里柴三郎だ。この2人は知名度が高いが、がん研究の山極勝三郎(1863~1930)となると、科学界はともかく、世間で知る人は少ない。今から100年前の1915年、世界で初めて人工的に「がん」を作り出し、がん研究の嚆矢となる業績を残した人物だ。

     「ノーベル賞の100年」(中公新書)によれば、北里が生理学・医学賞の候補になった第1回ノーベル賞(1901年)では、選考委員会は、北里の共同研究者だったドイツ人ベーリングの独創性が大きいと判断して単独受賞とした。また、野口英世は黄熱病の病原菌を発見したとされたが、黄熱は細菌ではなくウイルスが病原体だと後に判明した。野口の結論は間違っており、黄熱病の研究でノーベル賞をとったら、あとで問題になったかもしれない。

     一方で、山極の場合、気の毒な事情があった。1926年の生理学・医学賞を競り合ったヨハネス・フィビゲル(デンマーク)は、寄生虫でネズミの胃に人工的にがんを作ることに初めて成功していた(いわゆる寄生虫説)。山極の研究よりもフィビゲルの独創性のほうが上回るという選考結果になった。寄生虫説が本当だったら、がん研究史上不滅の業績だが、約30年後、ネズミにできた病変は、がんではないことが明らかになる。フィビゲルの研究は誤りだった。

     寄生虫説を退けられなかったのは、当時の科学の限界だ。ただ、フィビゲルの受賞は取り消されていない。北里のように、競合し、ノーベル賞に決まった相手方の業績が、受賞に値する中身だった事例とは明らかに異なる。ノーベル賞自然科学分野の「最大の汚点」と書く本もある。

     山極の出身地・長野県上田市の元教員による評伝「まぼろしのノーベル賞 山極勝三郎の生涯」(国土社)によれば、山極と弟子は、毎日毎日、ウサギの耳にコールタールを塗り続け、コールタールによって耳の細胞がいたみ、がんができることを証明しようとした。その期間は300日にも及ぶ。苦闘の実験だ。しかも発表当初は学界から相手にされず、ある学会では、「癌か贋か、はたまた頑か」(本当に癌なのか。贋モノではないのか。山極は意地になって癌と主張する頑固者ではないのか)と揶揄される始末だった。それでも、追試によって山極の正しさは実証される。

     人工発がん成功100年の節目になる今年、日本病理学会は11月に秋期特別総会を開催する。山極の業績を振り返るとともに、発がん研究の新たな視点を議論する「発癌の病理学からゲノム病理学へ~山極勝三郎の業績を将来に生かす(仮)」と題したシンポジウムを行う。

     山極がノーベル賞をとったほうが、もちろん良かっただろう。だが、たとえとらなくても、その研究成果は時代を超え、後世に受け継がれる素晴らしい業績であることは揺るぎない。日本人は胸を張り、「幻」だったとしおれることはない。山極のことを調べてみると、そう思えてくる。


     山極の研究は東京大学の「健康と医学の博物館」( http://mhm.m.u-tokyo.ac.jp/index.html )で常設展示している。また、上田市立博物館では10月14日から特別展「山極勝三郎博士の生涯と業績」を開催する( http://mhm.m.u-tokyo.ac.jp/index.html )。

    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20150909-118-OYTPT50257

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  37. ノーベル医学・生理学賞に大村智さん
    10月5日 18時35分

    ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞者に、熱帯の寄生虫の病気に効果がある抗生物質を発見したことなどで知られる北里大学特別栄誉教授の大村智さんが、アイルランド出身の研究者と中国の研究者と共に選ばれました。
    日本人がノーベル賞を受賞するのは、アメリカ国籍を取得した人を含め、去年、物理学賞を受賞した赤崎勇さんと天野浩さん、中村修二さんに続いて23人目で、医学・生理学賞の受賞は3年前、平成24年の山中伸弥さんに続いて3人目となります。

    大村さんは山梨県韮崎市出身の80歳。山梨大学を卒業後、北里大学薬学部の教授や北里研究所の所長などを務め、現在は北里大学特別栄誉教授を務めています。
    大村さんは、これまで微生物由来の有機化合物を多数発見し、薬学研究の分野で優れた業績を上げました。
    そして、寄生虫によって引き起こされるオンコセルカ症やリンパ性フィラリアなどの発生を劇的に抑えることができる「イベルメクチン」のもととなる「エバーメクチン」など、数々の抗生物質を発見しました。
    こうした業績が高く評価され、2012年には文化功労者に選ばれ、2014年にはガードナー国際保健賞を受賞しています。
    日本人がノーベル賞を受賞するのは、アメリカ国籍を取得した人を含め、去年、物理学賞を受賞した赤崎勇さんと天野浩さん、中村修二さんに続いて23人目で、医学・生理学賞の受賞は3年前、平成24年の山中伸弥さんに続いて3人目となります。
    大村智さんは、アイルランド出身でアメリカ・ドゥルー大学の名誉リサーチフェローを務めるウイリアム・キャンベル氏、それにマラリアに効果のある「アルテミシニン」という化合物を発見した、中国の研究機関に所属する屠※ユウユウ氏と共にことしのノーベル医学・生理学賞に選ばれました。

    ※「ユウ」は「口」に「幼」 2回繰り返す
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151005/k10010259391000.html

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    1. 日本人のノーベル賞受賞は23人目
      10月5日 18時49分

      日本人がノーベル賞を受賞するのは、アメリカ国籍を取得した人を含め、去年、物理学賞を受賞した赤崎勇さんと天野浩さん、中村修二さんに続いて23人目で、医学・生理学賞の受賞は3年前、平成24年の山中伸弥さんに続いて3人目となります。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151005/k10010259411000.html

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    2. ノーベル賞受賞の大村氏 午後8時半から会見
      10月5日 18時51分

      大村智さんがノーベル医学・生理学賞を受賞することが決まったことを受けて、大村さんが所属している北里大学は、午後8時半から東京・白金の薬学部で本人も出席して記者会見を開くことにしています。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151005/k10010259421000.html

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    3. ノーベル賞 大村智さんと共に2人受賞
      10月5日 19時10分

      ことしのノーベル医学・生理学賞に、北里大学名誉教授の大村智さんがさんが選ばれましたが、大村さんと共に、アイルランド出身の研究者のほか、中国人の研究者、屠※ユウユウ氏も選ばれました。
      ノーベル財団などにによりますと、医学・生理学賞に中国人が選ばれるのは初めてだということです。

      スウェーデンのストックホルムにあるノーベル賞の選考委員会は日本時間の午後6時半ごろ記者会見し、ことしのノーベル医学・生理学賞に、北里大学名誉教授の大村智さん、アイルランド出身のウイリアム・キャンベル氏、それに中国の研究者、屠※ユウユウ氏を選んだと発表しました。
      屠氏は中国人で、ノーベル財団によりますと、中国人が医学・生理学賞に選ばれるのは、今回が初めてだということです。
      屠氏は、漢方として用いられていたキク科の植物から、世界三大感染症に数えられるマラリアに効く「アルテミシニン」という化合物を発見し、アルテミシニンを使った薬は今では世界中で使われています。
      もう一人のキャンベル氏は、大村さんと共に寄生虫が原因となる感染症の治療に貢献したとして選ばれました。

      ※「ユウ」は「口」に「幼」 2回繰り返す

      60年にわたり漢方を研究

      中国メディアなどによりますと、屠氏は84歳。1930年12月に中国の浙江省で生まれ、現在の北京大学の医学部で薬学を学びました。その後は、中国にある伝統医学の研究所で60年にわたり、一貫して漢方の研究を続けています。
      今回、ノーベル医学・生理学賞に選ばれた成果は、漢方の研究を通して得られたものだということで、研究の対象としていたおよそ2000種類の漢方薬の中から「アルテミシニン」というマラリアに効果のある化合物を発見しました。
      この功績で、2011年にはアメリカで最も権威のある医学賞とされる「ラスカー賞」を中国人として初めて受賞しています。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151005/k10010259441000.html

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    4. 大村氏のノーベル賞に称賛の声
      10月5日 19時10分

      ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞者に大村智さんが選ばれたことについて東京・渋谷で聞きました。

      渋谷駅前にある大型画面には、早速、受賞が決まったことを知らせるニュースが表示されました。
      50代の会社員の男性は「誇らしいことだと思います。これからも日本人が世界の一員としてもっと活躍できればいいと思います」と話していました。
      また、21歳の男子大学生は「スマートフォンでニュースを見ました。日本の存在を世界にアピールできてすばらしいことだと思います。日本の気候とは違う地域での研究分野だと思うので、世界で活躍する日本人としてすばらしい実績だと思います」と話していました。
      20歳の女子大学生は「数多くの研究者の中から日本の研究者が選ばれたということは、すばらしいことだと思います」と話していました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151005/k10010259451000.html

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    5. 山中伸弥さん「何億人もの命救われた」
      10月5日 19時46分

      ことしのノーベル医学・生理学賞に北里大学特別栄誉教授の大村智さんが選ばれたことについて、3年前に同じ医学・生理学賞を受賞した京都大学教授の山中伸弥さんは「大村先生の受賞を聞き、とてもうれしく思います。大村先生の研究成果で何億人もの人が命を救われ、非常に偉大な業績と感じていました。人類の歴史で、感染症との戦いは非常に大事で、大村先生が成し遂げられた業績は本当にすごいと感じています」と話していました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151005/k10010259511000.html

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    6. 大村さんの共同研究者「地道な研究が評価」
      10月5日 19時47分

      ことしのノーベル医学・生理学賞に北里大学特別栄誉教授の大村智さんが選ばれたことについて、大村さんと共同研究をしたことのある東京大学大学院の北潔教授は「感染症に対する地道な研究が評価されたことは、非常に重要なことだ。感染症の研究の重要性がますます理解されることになれば、非常に意味があると考えています」とコメントしています。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151005/k10010259471000.html

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    7. 岸本忠三さん「人類の役に立った研究」
      10月5日 19時47分

      ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞者に大村智さんがさんが選ばれたことについて、大阪大学の元学長で、大村さんと親交がある岸本忠三さんは、「大村さんがカビから見つけ出した抗生物質が、最初は家畜の寄生虫の駆除に使われ、それが人の寄生虫の感染にも効くことが分かり、アフリカで大勢の人が目が見えなくなるのを救った。画期的な発見というよりも、アフリカで何百万人もの人を失明の危機から救っているということで、ものすごい貢献をしている。帝国大学ではなく山梨の大学を出て、学校の先生をしながら北里研究所に入ってそうした研究を成し遂げた。生理学の原理原則の発見ではなく、それだけ多くの人を助けたというのが評価されたのだと思う。ものすごく突出し、人類の役に立った研究だ」と話しています。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151005/k10010259521000.html

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    8. 大村さんと親交ある名古屋大教授「尊敬できる方」
      10月5日 19時48分

      ノーベル医学・生理学賞の受賞者に選ばれた大村智さんと東京にある生命科学に関する財団の運営などで40年来の親交がある名古屋大学創薬科学研究科の福山透特任教授は「ニュースを聞いて本当によかったと思った。大村さんは淡々とした方で、賞が欲しいと言う方ではなかったが、発見した化合物はアフリカで多くの人を感染症から救っているので、いつかはノーベル賞を取ってほしいと思っていた。研究だけでなく、絵画など趣味の広い方であのような人生が送れるのはうらやましく、尊敬できる方だ。本人にはお祝いのメールを送りたい」と話していました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151005/k10010259481000.html

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    9. ノーベル賞の大村さん「微生物に賞を」
      10月5日 20時00分

      ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった北里大学特別栄誉教授の大村智さんは、NHKの「ニュース7」で電話インタビューに応え、キャスターが「受賞おめでとうございます」と問いかけると、「ありがとうございます。私がノーベル賞を頂いていいのかという感じがしています。微生物を頼りに、微生物に教わってきましたので、微生物に賞をあげたらいいのではないのですか」と冗談交じりに照れた様子で受賞を喜びました。

      受賞の決定の知らせを受けたときの様子について、「私を含め3人に賞を出すという連絡があり、『受けますか』というので『慎んで受けます』と言いました」と実際に交わしたやり取りを明かしました。
      また、みずからが評価された理由について、大村さんは「今回の受賞はマラリアの研究者も含まれているので、熱帯病に焦点を当てて選考し、基礎的に貢献した3人が選ばれたと思います」と述べました。
      そのうえで「化学や微生物の研究をするなかで、微生物の力は人が追いつかないくらいの力を持っていることに早く気付き、うまく利用して役立てることができるのではないかと思ってやってきました」と振り返りました。
      そして、ノーベル賞を受賞する意義について、大村さんは「この分野は、あまり目立たない分野ですが、微生物は人類にとって重要なパートナーです。そういうものに目が向けられて、人類の健康や福祉の増進のために研究が役立つことを期待しています」と語っていました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151005/k10010259561000.html

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    10. 去年受賞の天野さん「多くの人救った救世主」
      10月5日 20時01分

      去年、青色LEDの開発でノーベル物理学賞を受賞した名古屋大学の天野浩特別教授は大学を通じてコメントを発表し、「大村先生の受賞の報告に触れ、自分のことのように大変喜んでおります。心よりお祝い申し上げます。大変大きな業績をあげられ、特にアフリカの多くの人々を救った成果はまさに救世主ですね。これから準備などでお忙しくなるとは思いますが、お体にはお気を付けて、ノーベルウイークを楽しんで頂ければと思います」としています。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151005/k10010259591000.html

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    11. 東大元副学長「いつか受賞と信じていた」
      10月5日 20時02分

      東京大学の元副学長で、「山梨科学アカデミー」で大村さんと共に活動をしてきた小林正彦さんは「大村さんの研究は多くの命を救ったすばらしいもので、いつかノーベル賞を受賞できると信じていました。自分の研究を社会に還元したいという思いが強い方で、今回の受賞は本当にうれしい」と話していました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151005/k10010259601000.html

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    12. ノーベル賞受賞で都内では新聞の号外
      10月5日 20時17分

      ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞者に北里大学特別栄誉教授の大村智さんが選ばれたことを受けて、東京・渋谷では午後8時前から新聞の号外が配られました。

      号外には、「ノーベル賞 大村氏」という大きな見出しとともに、大村さんの写真が掲載され、帰宅途中の人などが次々と受け取っていました。
      号外を受け取った40代の会社員の男性は「日本は物理学は強いと思いますが、医学・生理学賞で取ったのはすばらしいことだと思います」と話していました。20代の教員の男性は「日本人として誇りに思います。ノーベル賞の発表はこの後も続くので、受賞が続いてほしいと思います」と話していました。20代の女子大生は「これを機会に日本の医学がすばらしいことを世界の人に知ってもらいたいです」と話していました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151005/k10010259611000.html

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    13. 親交ある田中氏「大村先生は人類に多大な貢献」
      10月5日 20時23分

      ノーベル医学・生理学賞の受賞者に北里大学特別栄誉教授の大村智さんが選ばれたことについて、大村さんと似た研究分野で20年余り親交のある東京都医学総合研究所所長の田中啓二さんは「大村先生は多くの薬を作り出し、たくさんの人の命を救うなど人類に多大な貢献をしていて、ノーベル賞の受賞は当然だと思う」と喜びを語りました。

      田中所長は、抗がん剤の開発にも応用されている、生物の体内で不要になったたんぱく質を分解する酵素を発見したことで知られ、その研究には、大村さんが発見した抗生物質が使われているということです。
      田中所長は「大村先生には多くの試薬を無料で提供したもらったうえに、数々の研究論文も共同で書かせてもらった」と話したうえで、「大村さんの発見した抗生物質がなければ、研究は進まなかった」と述べました。
      また、大村さんには学会のあとなどに何度も飲食に誘ってもらったということで、大村さんの人柄について、「先生は休日にゴルフに行っても、あちこちの土をポケットに詰めて持ち帰り、細菌を培養してさまざまな細胞への作用を調べるなど、非常に研究熱心で尊敬すべき先生です」と話していました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151005/k10010259621000.html

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    14. 大村さん「まさかノーベル賞とは」
      10月5日 20時25分

      ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞者に選ばれた大村智さんは、記者会見を前に北里大学でNHKの単独インタビューに応じ、「まだ気持ちの整理ができていません。きょうもかぜを引いていて帰ろうと思ったときに、スウェーデンから電話があって驚きました。何か賞を取ろうと思って仕事をしているわけではなく、世の中の役に立とうと思って必死でやってきましたが、まさかノーベル賞という結果になるとは思わなかった。土の中の微生物を信じてよい物を作るのが私の仕事で、それを認めてくれる人がいてうれしかったです。賞の半分は微生物にやらないといけないですね」と喜びを語っていました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151005/k10010259651000.html

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    15. 文科相「地道にこつこつ 日本人の模範」
      10月5日 20時26分

      ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞者に北里大学特別栄誉教授の大村智さんが選ばれたことについて、下村文部科学大臣は文部科学省で記者団に対し、「本当にうれしいし、心からお祝い申し上げたい。アフリカの地域を中心に10億人以上の人を感染症対策で救ったと聞いており、すでに桁違いの貢献をされていることをノーベル財団が評価をしてくれたのは、ありがたいことだと思う」と述べました。
      そのうえで、下村大臣は「地道にこつこつと研究を積み重ねてきた日本人の模範やモデルとなる先生だと思う。これからも後進を温かく厳しく育て、科学技術分野で世界に貢献する人材を育成するため、ご指導頂きたい」と述べました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151005/k10010259671000.html

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    16. 受賞理由「貧しい地域で数百万人に恩恵」
      10月5日 20時32分

      ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞理由となったのは、熱帯の寄生虫が原因で起こる深刻な病気の治療法の開発でした。

      発表によりますと、寄生虫による病気は、特にアフリカの多くの地域や南アジア、それにアメリカ大陸など広い地域で流行し、世界の人口の3分の1に当たる人々が苦しんでいるということです。
      受賞理由では、特に、角膜の炎症によって失明を引き起こすオンコセルカ症や、リンパの腫れを引き起こし多くの患者を苦しめているリンパ性フィラリア、それに蚊が媒介するマラリアの3つの病気が挙げられました。
      このうち大村智さんは、ゴルフ場の土の中から新たな細菌50株を見つけだし、これらの細菌が出す化合物がのちに「エバーメクチン」と名付けられ、熱帯の寄生虫が原因で起きる病気の治療薬「イベルメクチン」となりました。
      「イベルメクチン」は、オンコセルカ症とリンパ性フィラリアの2つの病気に対し、副作用が少なく効果の高い薬として世界各国で使われ、特に貧しい地域での数百万人に恩恵をもたらしたと紹介しました。
      そして、この薬によって、これらの病気が根絶寸前まで来ているとして、人類の医学の歴史の中で大きな偉業だと紹介しました。
      そのうえで、大村さんら3人の功績を寄生虫による病気の治療を大きく変えたとして、その人類への貢献は計り知れないとたたえました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151005/k10010259631000.html

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    17. 大村さんが館長の美術館「体の震え止まらず」
      10月5日 20時33分

      山梨県韮崎市にある「韮崎大村美術館」は、ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞者に選ばれた大村智さんが集めた絵画や陶磁器など、およそ2000点が展示されている施設で、大村さんみずからが館長を務めています。
      韮崎大村美術館の堀内洋子副館長は「聞いたときは体の震えが止まりませんでした。大村先生は私たちと目線を合わせ、さまざまな話をしてくださるので、話がしやすい方です。本当におめでとうございます」と話していました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151005/k10010259661000.html

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    18. 科学技術相「今後の大きな励み 若い世代に夢」
      10月5日 20時36分

      山口科学技術担当大臣は5日夜、記者会見し、「大村特別栄誉教授には心から敬意と祝意を表したい。ノーベル賞を日本の科学者が去年に引き続いて受賞したことは、科学技術イノベーションを成長戦略の柱に位置づけるわが国にとっても、今後の大きな励みになる。今回の受賞が、科学技術に対する社会の期待や関心を一層高め、次代を担う若い世代に夢を与えるとともに、今後も世界トップレベルの研究成果が生み出されることを期待している」と述べました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151005/k10010259691000.html

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    19. 大村さんが大学院修了した東京理科大「喜ばしい」
      10月5日 20時44分

      ノーベル医学・生理学賞の受賞者に北里大学特別栄誉教授の大村智さんが選ばれたことについて、大村さんが昭和38年に大学院の修士課程を修了した東京理科大学は「大村先生は本学の理学研究科修士課程を修了され、理学博士を取得されました。本学の卒業生の中でノーベル賞を受賞するのは初めてのことなので、大変喜ばしく思っています。名誉ある賞の受賞、心よりお祝い申し上げます」とコメントしています。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151005/k10010259711000.html

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    20. 感染症の研究者「泥からダイヤモンド」
      10月5日 20時52分

      ノーベル医学・生理学賞の受賞者に北里大学特別栄誉教授の大村智さんが選ばれたことについて、寄生虫による感染症の研究が専門の長崎大学熱帯医学研究所の濱野真二郎教授は「受賞の知らせを聞いて、やったという気持ちです。ほとんどかえりみられない病気の治療に光が当たってうれしいです。寄生虫は、ヒトと同じように細胞の中に核がある『真核生物』なので、寄生虫に効く薬は人にも副作用が大きく、使える薬は限られていました。大村先生の発見をもとにした薬で、失明に至る『オンコセルカ症』や象の足のように腫れ上がってしまう『リンパ性フィラリア』の治療が可能になり、今、薬は、世界の至るところに配られています。大村先生は泥の中から有効な物質を見つけたと話されていましたが、泥の中からダイヤモンドを発見したようなものだと思います」と話していました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151005/k10010259721000.html

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    21. 同分野の京大研究者「待ち望んでいた受賞」
      10月5日 20時53分

      ノーベル賞の受賞が決まった北里大学特別栄誉教授の大村智さんと、およそ30年にわたって親交があり、同じ分野の研究に取り組んでいる京都大学大学院薬学研究科の掛谷秀昭教授(50)は「大村さんは、寄生虫によって起きる感染症の治療薬をゼロの状態から開発し、病気に苦しむ中南米やアフリカの何億人もの患者を救っています。さまざまな賞を受賞し、残るはノーベル賞だけだと思っていたので、まさに待ち望んでいた受賞です。リーダーシップのある雲の上の存在で、また、若手がどんどん挑戦できる雰囲気を作ってくれる人です。お祝いのメールを送りました」と話していました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151005/k10010259731000.html

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    22. 大村さん ノーベル財団に電話で喜び語る
      10月5日 21時09分

      ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった大村智さんとノーベル財団の担当者との電話でのやり取りがホームページ上で公開され、大村さんは「ありがとうございます。謹んで賞を受け取りたいと思います。とても驚いています」と述べ、喜びを表わしていました。
      やり取りはすべて英語で、大村さんは「世界には重要な研究をしている研究者が大勢いて、私の研究はノーベル賞に値するようなものではありません」としたうえで、「私はとても幸運です」と述べました。
      財団の担当者から「自然からの贈り物を見つけることに人生をささげてきましたね」と質問されると、「私が信じてきたことは正しかった。自然のなかで微生物はとても重要な存在で、微生物から学ぶことはたくさんあります」と答えていました。
      最後に担当者が「12月の授賞式に来てもらうことを楽しみにしています」と話すと、「私も楽しみにしています」と答えていました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151005/k10010259761000.html

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    23. 大村さん受賞 北里大学の学生「私たちの誇り」
      10月5日 21時15分

      ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞者に北里大学の大村智特別栄誉教授が選ばれたことについて、北里大学の学生たちから喜びの声が上がっています。

      このうち、薬学部6年生の女子学生は「私たちの通っている学校からノーベル賞の受賞者が出るなんて思っていませんでした。私たちの誇りです。先生は薬の研究をしてきたので、この受賞をきっかけに研究が活発になって、もっと多くの人を救ってほしいです」と話していました。
      また、薬学の参考書を手に持っていた別の薬学部6年生の女子学生は「先生には本当におめでとうございますと伝えたいです。私は国家試験を控えているので、この受賞のニュースに恥じないよう、勉強を頑張りたいと思います」と話していました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151005/k10010259771000.html

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    24. 化学賞の根岸英一氏「長年の研究成果が評価」
      10月5日 21時17分

      平成22年にノーベル化学賞に選ばれたアメリカ・パデュー大学特別教授の根岸英一さんは「大村先生の受賞を心よりお祝い申し上げます。長年のユニークな研究成果が評価されたのだと思います。今回の受賞で、引き続きアフリカの感染症対策につながることを期待します」というコメントを発表しました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151005/k10010259781000.html

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    25. 指導受けた研究者「夢実現させてきた大先生」
      10月5日 21時25分

      ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった北里大学特別栄誉教授の大村智さんが北里研究所に所属していた当時、およそ6年にわたって指導を受けたという立命館大学薬学部の今村信孝学部長は「大村先生は人類の幸福や平和のためにと考えながら、微生物から薬の種を見つけるという研究を続け、それを成果につなげてきた。研究を経営として考え、アメリカや日本で研究資金を確保しながら成果を出してきた実績が実を結んだと思う」と話しています。そのうえで「怖いと思うほど仕事には大変厳しい一方で、笑顔が優しく、大好きな笑顔に助けられながら門下生として研究を進めることができた。圧倒的に大きな夢を持ち、それを実現させてきた大先生で、教育者として少しでも見習い、学生に対し夢を語れる人物に近づきたいと思う」と話しています。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151005/k10010259791000.html

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    26. 首相 大村さんに電話「本当にうれしい」
      10月5日 21時29分

      安倍総理大臣は5日夜、ノーベル医学・生理学賞の受賞者に選ばれた北里大学特別栄誉教授の大村智さんに電話をかけ、「感染症は人類にとって脅威であり、研究の成果によって日本として貢献できることは本当にうれしく思います」と述べ、祝福しました。

      安倍総理大臣は5日午後9時前、総理大臣公邸から大村さんに電話をかけ、「まことにおめでとうございます。先生の研究から生まれた感染症の薬によって世界で何億人もの人の命が救われていることは、日本人として誇りに思う」と述べました。そのうえで、安倍総理大臣は「先生のように情熱と意欲をもって地道に長年研究を続けてきた成果によって、ノーベル賞を取られたことは、後進の日本人の研究者にも大きな勇気を与えたと思う」と述べました。
      また、安倍総理大臣は「微生物にはまだまだ可能性があるというふうにおっしゃていたが、感染症は人類にとって大変な脅威であり、国連の場においても世界が協力していこうということになっている。先生の研究の成果によって、世界にとっての大きな課題に対し日本として貢献できることは本当にうれしく思います」と述べ、祝福しました。

      安倍総理大臣は総理大臣公邸で記者団に対し、「大村さんがノーベル賞を受賞されたことは本当にうれしく、地道な情熱と努力の成果だ。感染症によって亡くなったかもしれない何億人もの命が救われてきたことが、ノーベル賞という形で評価された」と述べました。そのうえで安倍総理大臣は、「今、世界において力を合わせて感染症と戦っていこうと協力しあっているなかで、先生のような貢献は日本人として本当に誇りに思うし、これからも元気で頑張っていただきたい」と述べました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151005/k10010259801000.html

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    27. 業績記した著者「最もふさわしい人が受賞」
      10月5日 21時30分

      ノーベル医学・生理学賞に大村智さんが選ばれたことについて、大村さんの業績を著書に記した科学ジャーナリストの馬場錬成さんは「最もふさわしい人が受賞した」と喜びました。

      馬場さんの著書では、大村さんの業績について、熱帯の風土病に苦しむ世界中の人を救ったと紹介しています。
      馬場さんは、大村さんについて「とても温厚で人当たりがいい方。学生や研究者に対しては非常に厳しいが温かみがあり、意欲を見せる人には支援を惜しまず、才能の咲かせるのがうまい。人材を育成する神様のように言われている」とその人柄を話しました。
      そのうえで、「日本では一般的にそれほど知られていないが、世界的には非常によく知られた化学者で、赤道直下の国で広がる風土病に役立つ特効薬を開発した功績が認められたものだと思う。この薬によって年間3億人が発症を抑えることができていると言われており、いちばんふさわしい人が受賞したと思う」と話していました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151005/k10010259821000.html

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    28. 化学賞の野依良治氏「医学に絶大な貢献」
      10月5日 21時53分

      平成13年にノーベル化学賞を受賞した名古屋大学特別教授で科学技術振興機構の野依良治研究開発戦略センター長がコメントを発表し、「日本がお家芸としてきた天然物有機化学が医学に絶大な貢献をもたらしたことをうれしく思います。最も顕著なものは天然物エバーメクチンで、化学手法で世紀の動物寄生虫薬イベルメクチンを発明した。特に人間のオンコセルカ症への有効性が認められ、アフリカ、中南米を中心に2億人を救い、さらにアジアの風土病の克服に最も貢献した」と大村さんの業績をたたえています。そのうえで、「大村博士の信念、人生観の表れで、人格への授賞でもあり、ノーベル平和賞であっても不思議ではありません」としています。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151005/k10010259861000.html

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    29. 大村さんの長女「真面目でまめ 楽しい人」
      10月5日 22時22分

      ノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった大村智さんの長女、育代さんが東京・世田谷区の自宅前でNHKのインタビューに応じました。
      育代さんは大村さん本人から電話で受賞が決まったことを伝えられたということで、「とてもうれしい気持ちと、びっくりした気持ちがごちゃ混ぜになりました。アフリカの方や小さなお子さんの病気の治療や予防への貢献が評価されたというのが本当にうれしいです」と知らせを受けたときの心境を語りました。
      人となりについては「父は家でも真面目で、まめな性格ですが、冗談を言うこともあり、とても楽しい人です。昔から絵を集めるのが好きで、相談せずに絵を買って母にしかられたこともありました。すごい人だったんだなと思いました」と話しました。そして、「亡くなった母にノーベル賞が決まったことを知らせたいです。母が聞いたら『やったー』と喜んだと思います」と話していました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151005/k10010259901000.html

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    30. 名誉理事長務める女子美術大「本当に感動」
      10月5日 22時40分

      ノーベル医学・生理学賞の受賞者に選ばれた大村智さんは、東京・杉並区にある女子美術大学の名誉理事長も務めています。
      以前から親交のある福下雄二理事長は「大村さんは幼少のころから絵画に親しむなど、芸術に造詣が深かったほか、卒業生の作品を自分が作った美術館に展示するなど、学生への思い入れも強かったです。人と人との出会いを大切にして、何事にも誠意をもって全力を尽くすという印象があります」と話しています。そのうえで、「今回の受賞は驚きとうれしさでいっぱいです。おめでとうということばでは言い表せません。本当に感動しました」と話していました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151005/k10010259921000.html

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    31. ノーベル医学・生理学賞 大村智さんが会見
      10月5日 23時39分

      ノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった北里大学の大村智特別栄誉教授は5日、大学で会見を開きました。

      大村さんはノーベル医学・生理学賞の発表から2時間後となる午後8時半から東京・港区の北里大学で会見を開きました。
      学生や大学の職員たちから大きな拍手と笑顔で迎えられた大村さんは、受賞を知った経緯について、「きょうは午後4時半ごろに帰ろうとしていました。予感がしたのか知りませんが、秘書から待つように言われて待っていたら、スウェーデンから電話がありました」と話しました。
      みずからの業績については「私の仕事は、微生物の力を借りているだけで、私自身が難しい事をしたわけでも偉いわけでもありません。私は、微生物がやってくれた事を整理しただけです」と話しました。
      受賞が決まったことを誰に最初に伝えたのかという質問に対しては、大村さんは「いちばん最初は心の中で16年前に亡くなった家内に伝えました」と答え、「家内は私が研究者としていちばん大変なときに支えてくれた。受賞を何より喜んでくれると思います」と話しました。
      また、研究に取り組む姿勢について聞かれた大村さんは「私の母は小学校の先生で忙しくて、面倒をみてくれていた祖母からいつも繰り返し、人のためになることを考えなさいと言われていました。研究者になっていろいろとやりたいこともあるが、何をやるかを決める際にはどちらが人のためになるかという考えを基本にしていた」と話しました。
      苦労した経験については「大学院に通っていたときは、昼は大学で勉強、夜は夜間高校の先生として生徒を教え、夜中に次の日の授業の準備をするという毎日でした。結婚した際に、家内からは『病人のようだ』と言われるくらいやせてしまっていた。ただ、自分は負けず嫌いで、昔、スキーの長距離種目で山を登っていたとき、心臓が破裂してぶっ倒れそうなくらい大変だったが、それに比べれば楽だと考えて続けていました」と当時を振り返りました。
      そして、若い学生たちに伝えたいことを聞かれると、「いろいろやりたいことはあると思うが、失敗してもいいからやっていこうという気持ち。成功した人はあまり失敗のことをいわないけれど、3倍も失敗している。人よりも何倍もへましていると思うが、そういう中から成功が出てくる。とにかく失敗を繰り返してやりたいことをやりなさいと言いたい」と話しました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151005/k10010259981000.html

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    32. 「定時制高校の教師時代に向上心を得た」
      10月5日 23時43分

      ノーベル医学・生理学賞を受賞することが決まった大村智さんは、大学を卒業後、一時、定時制の工業高校で教師をしていました。生徒たちが仕事のあとに勉強している姿を見てショックを受け、自分ももっと勉強しなければならないと思ったということで、記者会見では高校の教師時代の経験の大きさを語りました。

      大村さんは、山梨大学を卒業したあと、4年ほど、東京・江東区の都立墨田工業高校の定時制で教師をしていました。
      大村さんは、仕事のあとに手が油で汚れたまま期末試験を受けていた生徒の姿を見てショックを受けたということで、受賞後の記者会見では、「こういうふうに勉強している人がいるのに、私はなんだと思いました。もっと勉強しなければいけないと思いました。何でも知っている先生になろうと思いました」と述べました。
      東京理科大の大学院に進んだあとも昼は大学院で勉強し、夜は高校で生徒を教える日々が続いたということです。
      墨田工業高校の小林晶代校長は「今学校に通っている生徒や教員にとっても大きな励みになります」と話していました。
      また、定時制の3年生の男子生徒は「この学校の生徒であることを誇りに思います。友達や家族に自慢したいです。自分ももっと勉強しようと思います」と話していました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151005/k10010259971000.html

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    33. ノーベル賞 日本人研究者の受賞に祝福の声
      10月6日 4時07分

      ことしのノーベル医学・生理学賞に北里大学特別栄誉教授の大村智さんが選ばれ、日本人研究者の受賞に各方面から祝福の声が寄せられました。

      ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞者には、熱帯の寄生虫の病気に効果がある化学物質の研究で知られる北里大学特別栄誉教授の大村智さんが選ばれました。
      また、アイルランド出身でアメリカ・ドリュー大学の名誉リサーチフェローを務めるウィリアム・キャンベル氏と、マラリアに効果のある「アルテミシニン」という化合物を発見した中国の研究機関に所属する屠※ユウユウ氏も合わせて選ばれました。
      去年の物理学賞に続いて2年連続となる日本人のノーベル賞受賞に、各方面から祝福の声が相次ぎました。
      このうち、3年前に同じ医学・生理学賞を受賞した京都大学教授の山中伸弥さんは「人類の歴史で、感染症との戦いは非常に大事で、大村先生が成し遂げられた業績は本当にすごいと感じています」と話していました。また、去年、青色LEDの開発でノーベル物理学賞を受賞した名古屋大学の天野浩特別教授は、大学を通じて、「大変大きな業績を挙げられ、特にアフリカの多くの人々を救った成果はまさに救世主ですね。ノーベルウイークを楽しんでいただければと思います」とコメントを発表しました。
      大村さんの知人たちからも喜びの声が上がりました。大村さんが東京理科大学大学院に在籍していた当時、一緒に研究をしていた植木キク子さん(77)は「大村先生が定時制高校の先生をしながら熱心に研究に打ち込んでいたことがとても印象に残っています。同じ大学院の出身者として、こんなにうれしいことはありません」と話していました。また、大村さんが教師を務めていた定時制の高校で昭和35年に授業を受けていた根本康雄さん(75)は「先生から学べたことを誇りに思います」と話しました。当時、大村さんはお兄さんのような存在で生徒から人気があったということで、根本さんは「これまでの研究で培ったノウハウや視点を若い研究者に広く伝え、発展させていってほしいと思います」と話しました。

      ※「ユウ」は「口」に「幼」 2回繰り返す
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151006/k10010260091000.html

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    34. 中国人初受賞 中国首相「国力向上示している」
      10月6日 8時53分

      ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞者に中国人の屠※ユウユウ氏が選ばれたことについて、中国の李克強首相は「屠氏の受賞は、中国の科学技術の繁栄と進歩を体現している。中国の総合的な国力と国際的な影響力の向上を示している」と高く評価しました。

      中国人がノーベル医学・生理学賞に選ばれたのはこれが初めてで、国内のメディアが大きく取り上げるなど、お祝いムードが広がっています。
      広東省広州の男性は「中国人が自然科学の分野で世界的な賞を取ることは少なかったのでうれしいです。医学・生理学賞は人類の発展に貢献するもので、今回の受賞は中国人にとって誇りです」と話していました。また、会社員の男性は「今回だけで終わるのではなく、中国全体の研究の水準が上がりもっと多くの中国人がノーベル賞を受賞できるようになればいいと思います」と話していました。

      ※「ユウ」は口へんに「幼」。2つとも同じ字。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151006/k10010260351000.html

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    35. ノーベル賞受賞から一夜 学生から祝福の声
      10月6日 11時56分

      5日、ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞者が発表され、北里大学特別栄誉教授の大村智さんが選ばれました。一夜明けた北里大学では学生たちから祝福の声が聞かれました。

      薬学部で6年生の女子学生は「北里生ならみんな大村先生の授業を受けていて、エバーメクチンのことも詳しく知っているので、世界に認められたことを本当にうれしく思います。私も来年から新薬の開発に携わるので、一人でも多くの人々を助けたいという気持ちがより一層強まりました」と受賞の決定を喜んでいました。
      別の6年生の女子学生は「大学の研究室では日々まめな実験が多いですが、そういうことこそがいつか世界に認められるための基礎になるんだと思えるようになりました。あと半年で卒業ですが、社会に出ても北里大学にいたことを誇りに頑張りたいと思います」と話していました。
      また、3年生の男子学生は「とにかく感動しました。大村先生は本当に研究者としての理想の姿だと思うので、目標であり励みになります。同じように世界の人を救えるような研究ができるよう頑張りたいと思います」と話していました。

      母校の韮崎高校では

      大村智さんが卒業した山梨県韮崎市にある県立韮崎高校では、生徒や教諭が受賞を祝いました。韮崎高校では、玄関に大村さんの受賞を祝う紙が貼り出されました。高校では、6日朝、ホームルームで教諭が生徒に受賞を報告し、このうち、3年生のクラスでは教諭が「受賞はすばらしいことです。偉大な先輩がいるということを支えにして、頑張ってほしい」と話しました。
      韮崎高校では、去年9月、大村さんを招いて講演会を開いたということで、この中で、大村さんは「科学と国際貢献」をテーマに、これまでの研究内容を紹介したということです。
      3年生の男子生徒は「今回の受賞で、大村先生の業績を広く知ってもらうことができてうれしいです」と話していました。また、3年生の女子生徒は「高校の大先輩として格好いいと思います。すごい人だと驚きました」と話していました。

      母校の山梨大学では

      甲府市にある大村さんの母校の山梨大学では、校舎に垂れ幕を掲げて受賞を祝いました。
      大学に通う男子学生は「ニュースで知ってすごいなと思いました。大学の先輩という、身近なところからノーベル賞が出るとは思いませんでした。私は建築の研究をしていますが、何か人のためになるように頑張りたいです」と話していました。また、別の女子学生は「受賞を聞いて驚きましたが、後輩として誇らしく思います」などと話していました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151006/k10010260491000.html

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    36. 大村智さん「予想以上の反響 すごい賞と実感」
      10月6日 12時12分

      5日、ノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった大村智さんは、一夜明けた6日、都内の自宅前で記者団の取材に応じ、「予想以上の反響でノーベル賞というのは、すごい賞なんだなと実感しました。娘もおめでとうと言ってくれました。ただのおやじかと思ってたけれど少しはまともなことやったのかなと思ったんじゃないですか」などと改めて受賞の喜びを語りました。

      5日、3年前の山中伸弥教授に続き、日本人として3人目となるノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった北里大学特別栄誉教授の大村智さんは、6日朝、都内の自宅前で記者団の取材に応じました。そして一夜明けての感想を聞かれると「予想以上の反響でノーベル賞というのは、すごい賞なんだなと実感しました。娘もおめでとうと言ってくれました。ただのおやじかと思ってたけれど少しはまともなことやったのかなと思ったんじゃないですか」などと改めて受賞の喜びを語りました。そして「地道な研究にノーベル財団が光を当ててくれたと思います。ハイテクな機械を使って難しいことを考えてやったわけではありません。毎日、同じ仕事の繰り返しです。でも、そうしたなかに人に役に立つようなものがあるんです」と語っていました。
      さらにみずからが発見した抗生物質が多くの人に役立っていることについて聞かれると、アフリカのガーナに行った時の状況を話し、「木の下に目が見えず何もしない大人たちが座っていたことにまず驚きました。小学校に行ったら子どもたちがこちらの顔見て、わーっと寄ってきたんです。この子たちがああいう状態にならないんだと思うと、いいことができたなって思いました」と話していました。
      さらに今後何をやりたいですかと聞かれると「今、私は80歳ですが、まず81歳まで生きることです。その間に少しでも、特に山梨の郷里のためになることをやりたい」と話していました。そして「国は地方再生などといっていますが、いちばん、やらなければいけないのは教育です。それは科学ができるとか、数学ができるとかじゃなくて、人に尊敬される、徳をもった生活をしたり、仕事をしたりできるような人、そういう本当の人間を育てたい」とみずからの今後について語っていました。

      大村さんの姉「おめでとう よくやったね」

      韮崎市に住む大村智さんの姉、山田淳子さん(81)は、弟のノーベル医学・生理学賞の受賞を受けて喜びを語りました。
      このなかで姉の淳子さんは「昨夜は、自宅で夕飯の支度をしていたが、テレビを見ていた夫が『智さんがノーベル賞を受賞したよ』といったので『えー』と台所から飛んできて見入りました。智にはおめでとう、よくやったねといいたい」と弟の受賞について、喜びを語りました。
      そのうえで、淳子さんは「弟は、小学生の頃は、やんちゃなところがあり、近所の友達とけんかしていたこともあった。ただいつも思うのは、弟が独りでここまできたのではなく周りの人に恵まれたことが最高に幸せだったのではないか。これからも皆さんに感謝しながら頑張ってほしい」と述べました。

      大村さんの弟「学資出してもらった」

      さいたま市に住む大村智さんの弟の泰三さん(75)は「長年、ノーベル賞を取るだろうと言われ続けてきたので、きのうは受賞のニュースを見て小躍りしました」と喜びを語りました。
      また、泰三さんは農業を営んでいた山梨県の実家で暮らしていた頃の話しとして、「日が出ているときは家にいるなと言われて、朝から晩まで兄弟で家の手伝いをしていました」と述べたうえで、「兄は当時のつらさを思うと実験室での作業などつらくはないと話していました」と智さんの勤勉ぶりを示すエピソードを明らかにしました。
      さらに智さんの人柄については、「山梨から同じ頃に上京し、兄は夜間学校の教師として駆け出しだったが、給料から私の学費を出して進学を助けてくれるなどいつも人のことを考えてくれる人だった」と話していました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151006/k10010260521000.html

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    37. 大村さんが教師務めた工業高校でも喜びの声
      10月6日 14時36分

      大村智さんが5年間、教師を務めていた東京・江東区にある工業高校でも受賞から一夜明けて喜びの声が上がっています。

      大村さんは山梨大学を卒業後、江東区の都立墨田工業高校で5年間、定時制課程の教師を務めていて電機科の担任も担当していたということです。
      高校の電気科に通う17歳の男子生徒は大村さんの受賞について、「自分の通う高校で教師をされていたと聞いてとても驚きました。自分も人の命を預かる仕事に就くことになっているのでとても刺激になるし、大村さんのように人の役に立てるような立派な仕事をしたい」と話していました。
      また18歳の男子生徒は「大村さんのニュースは非常に刺激になりました。自分も人の命を救えるような仕事をしてノーベル賞を取りたい」と話していました。
      都立墨田工業高校の小林晶代校長は、「同じ高校の教師をしていた方がノーベル賞を受賞されたのはとても誇らしいです。地道な研究活動を重ねて賞を取ったということなので、生徒たちにも地道に頑張る大切さを伝えたい」と話していました。

      「いつも優しくてみんなに人気のある先生」

      大村智さんが高校で教師をつとめていた当時、教え子だった東京・江戸川区の川野一夫さん(71)は、恩師のノーベル賞の受賞を受けて喜びを語りました。大村さんは山梨大学を卒業後、江東区の都立墨田工業高校で昭和38年までの5年間、定時制課程の教師を務めていて、このうちの4年間は電機科の担任も担当していたということです。東京・江戸川区の川野一夫さん(71)は、当時、電機科の生徒で大村さんの教え子でした。川野さんは、「これまでも国際的な賞をいくつかもらっていたので、あとはノーベル賞だと期待していました。やっと実現できたという気持ちで本当にうれしいです」と喜びを語りました。教師を務めていた当時の大村さんについて、「いつも優しくてみんなに人気のある先生だった。年もあまり離れていなかったのでお兄さんのような存在だった」と振り返りました。川野さんは当時、昼間は家業の灯油配達などを手伝いながら夜、学校に通っていたということで、「自分も含め、『働きながらでも学校に通いたい』という思いを持った生徒が多かった。大村先生もその姿に刺激をもらったと聞いて、ありがたく思う」と話していました。
      来月には、大村さんが担任をしていたクラスの同窓会が予定されているということで、川野さんは「大村さんが来られれば、盛大にお祝いしたい」と話していました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151006/k10010260681000.html

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    38. 大村さん造った温泉施設に多くの人
      10月6日 14時55分

      ノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった大村智さんが造った山梨県韮崎市の温泉施設には、朝から多くの人が訪れました。

      韮崎市の「武田乃郷白山温泉」は、大村智さんがふるさとに貢献したいと10年前に造り、オーナーを務める温泉施設です。6日は、午前中から多くの人が訪れ、湯につかって大村さんの話をしたり、露天風呂で景色を楽しんだりしていました。施設によりますと、6日は午前中、ふだんの2倍ほどの客が訪れたということです。
      千葉県成田市から来た男性は、「ドライブをしていた時に受賞のニュースを聞いて、大村さんに関係する施設ということで来ました。湯の温度がちょうどいいです」と話していました。
      また、甲府市から来た70代の男性は「受賞の効果でこれから人が殺到すると思うので、急いで来ました。大村さんの受賞は本当にすばらしいことだと思います」と話していました。温泉施設で働いている深澤義文さんは「大村さんは『母親から人の役に立つようにいつも言われていた』と話していたので、そうした思いから施設を造ったのだと思います。大村さんは月に1回ほど施設を訪れていました。ついにノーベル賞を取ったかという気持ちでいっぱいで受賞はすばらしいです」と話していました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151006/k10010260721000.html

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    39. 同分野の研究者「業績考えると受賞は少し遅い」
      10月6日 17時21分

      ノーベル医学・生理学賞に北里大学特別栄誉教授の大村智さんが選ばれたことについて、同じ分野の研究者で北海道大学大学院理学研究院の及川英秋教授は、「大村さんの国際的に評価されている業績を考えると、今、ノーベル賞を受賞するのは少し遅い気がしているが、同じ領域を研究する一研究者としてうれしく感じている」と祝福していました。

      北海道大学大学院の及川教授は、微生物などから新しい物質を作るという国のプロジェクトの代表を務めていて、大村さんから研究成果について評価を受けているということです。
      及川教授は、「大村さんの国際的に評価されている業績を考えると、今、ノーベル賞を受賞するのは少し遅い気がしているが、同じ領域を研究する一研究者としてうれしく感じている。薬を開発するのに微生物の遺伝子を読み取ることから行う製薬会社が減っていることもあり、大村さんの受賞により注目が集まることに期待したい」と語っていました。
      また、微生物の遺伝子の中から病気に効果がありそうなものを見つけるという大村さんの研究については、「宝くじを毎回当てるようなセンスの持ち主で、そのセンスは大変すばらしいものだと尊敬している」と話していました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151006/k10010261001000.html

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    40. 「イベルメクチン」家畜の寄生虫の駆除に使用
      10月6日 18時35分

      ノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった大村智さんが発見した抗生物質を基に作られた薬、「イベルメクチン」は、牛など家畜の寄生虫の駆除にも広く使われています。

      およそ100頭の肉牛や乳牛を飼育している千葉県八街市の「千葉県畜産総合研究センター」では、外から購入してきた牛に対しては必ず液体の「イベルメクチン」を背中にかけ寄生虫を駆除するようにしています。
      牛は、体内の寄生虫によって、栄養失調や最悪の場合、突然死を引き起こすおそれがあります。
      施設では、薬が販売されてまもなく使い始め、長い間、寄生虫で悩むことはないということで、最近では、ことし6月に市場で購入した8頭の肉牛に薬をかけましたが、感染症にならずすくすく育っているということです。
      千葉県畜産総合研究センターの福井陽士研究員は、「この薬の効果で寄生虫に悩むことがなく助かっています。ノーベル賞を取った人がこの薬を開発したと初めて知り、日本人として誇りに思っています。これからも薬を使いながらいい牛を作っていきたいです」と話しています。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151006/k10010261091000.html

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    41. 大村さん発見の抗生物質 ペットの病気予防薬でも
      10月6日 18時50分

      ノーベル医学・生理学賞の受賞者に選ばれた大村智さんが発見した抗生物質は、寄生虫が引き起こすペットの病気を予防する薬としても広く使われています。

      東京・世田谷区にある動物病院です。ここでも大村さんが発見した抗生物質、「エバーメクチン」を元に作った抗寄生虫薬「イベルメクチン」が使われています。対象となるのは、ペットの犬。寄生虫が引き起こす「フィラリア症」にかかるのを予防してくれます。
      「フィラリア症」は、心臓に寄生虫が入り込み、血液の流れを悪くして犬を死に至らしめる病気です。以前は、多くの犬が、フィラリア症にかかっていましたが、いまでは、月に1回、薬を犬に飲ませるだけで病気を防ぐことができるようになりました。
      この動物病院の天野芳二院長は、「この薬が普及したころからイヌのフィラリア症は大きく減ったという実感があり、今では東京だとフィラリア症にかかっているイヌを見つけるのが難しいくらいです。動物病院なら必ず置いてある薬で、イヌを飼っている人は皆さん恩恵を受けていると思います」と話していました。
      農林水産省によりますと、おととしのイベルメクチンの販売額はウシなどの家畜に使うものも含めて国内でおよそ30億円にのぼり、動物用医薬品の中で最も多くなっているということです。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151006/k10010261121000.html

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    42. 大村さんの研究室 北里大で公開
      10月6日 20時34分

      ノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった大村智特別栄誉教授が所属する北里大学では6日、大村さんが統括する3つの研究室が公開されました。

      これら3つの研究室では、ヒトや動物の感染症の治療薬の開発が進められていて、日本中で集めた土の中から細菌を1つ1つ分離し、その細菌が出す物質が薬として役立つかどうかなど研究を進めています。1グラムの土には、1億個にも上る細菌やカビが含まれていて、研究室では、毎年2000種類ほどを分離して保管しているということです。
      大村さんの弟子の1人の廣瀬友靖北里大学准教授は、「大村先生は、オリジナリティのあるテーマを与えてくれ、自由に研究をさせてくれました。研究者は興味に流されてしまうことがありますが、先生は常に研究がどう世の中に役立つのかを聞いてきました。厳しいけれど温かい先生です。先生の受賞が決まったことはとても誇りに思います。『おめでとうございます』と伝えたら、感慨深げにされていました」と話していました。
      また研究室の大学院生は、「大村先生は、今でも研究報告会に出席したり、実験室にも来たりして、アドバイスをくれます。先生からは、多くの人と議論して視野を広く持ち、人のためになるよう、みんなで協力して研究しようという姿勢を学びました。受賞はとてもうれしいです」と話していました。また別の大学院生は、「先生の功績はすごすぎて、なんといっていいか分かりませんが、僕たちは感染症に特化した研究を行っているので、感染症に苦しむ、恵まれない地域の方たちを救うために頑張りたいです」と話していました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151006/k10010261311000.html

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    43. 熱帯病研究者 大村さんの薬で西アフリカ救われた
      10月7日 8時27分

      ことしのノーベル医学・生理学賞に選ばれた大村智さんについて、西アフリカのガーナで熱帯病の研究を続けてきた研究者は、大村さんの薬で西アフリカ地域が救われたと説明し、その功績を改めてたたえました。

      ことしのノーベル医学・生理学賞に選ばれた大村智さんは、オンコセルカ症やリンパ性フィラリアなどの熱帯の寄生虫が引き起こす病気の治療薬の開発につながる抗生物質を発見しました。
      これについて、ガーナをはじめとする西アフリカの各国で、およそ40年にわたって、これらの病気の研究を続けてきた、野口記念医学研究所のマイケル・ウィルソン教授が、6日、NHKのインタビューに応じました。
      この中でウィルソン教授は、オンコセルカ症について、「地域の人口の40%が失明する事態に陥ることもあり、地域経済が崩壊し、村を捨てざるをえないこともあった」と述べ、薬が導入されていなかった1970年代には、この病気が地域の崩壊を招くほど深刻な事態を引き起こしていたと指摘しました。
      そのうえで、「薬のおかげで、今ではこうした事態は起きていない」と述べ、大村さんの発見が元になった薬で、多くの人の命や生活が守られ、西アフリカ地域が救われたと説明しました。
      さらに、「薬のもたらした影響の大きさを知っていたので、受賞が決まったことはうれしかった」と話し、大村さんの功績を改めてたたえました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151007/k10010261791000.html

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    44. >「薬のおかげで、今ではこうした事態は起きていない」

      はたして、ほんとうに「薬」のおかげなのだろうか…

      ただ単純に、公衆衛生の知識が普及しただけということが主要になっていたりとか…

      なにげにあやしい…

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    45. そもそも、寄生虫原虫に対する微生物(バクテリア)由来の「薬」っていう発想がすでに十分怪しげなもの…

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    46. ノーベル賞 大村さん「梶田さん さらに活躍を」
      10月7日 17時01分

      5日、ノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった北里大学特別栄誉教授の大村智さんがNHKのインタビューに応じ、6日、物理学賞の受賞が決まった東京大学宇宙線研究所所長の梶田隆章さんに「心からお祝いを申し上げたい。今後も第一線の物理学者としてさらにご活躍をしていただき、若い人たちをぐいぐいと引っ張っていただきたいです」と祝福のことばを述べました。そして、7日発表のノーベル化学賞についても「トリプルにならないかなと期待しています」と史上初のトリプル受賞に期待を示しました。

      5日、日本人として3人目となるノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった北里大学特別栄誉教授の大村智さんは、7日、大学の研究室でNHKのインタビューに応じました。
      そして、6日、大村さんに続いて物理学賞の受賞が決まった東京大学宇宙線研究所所長の梶田隆章さんについて「私よりもはるかに有力だと思っていました。心から受賞にお祝いを申し上げたいと思います」と祝福のことばを贈りました。
      さらに「まだお若いので第一線の物理学者として、さらにご活躍をしていただきたいし若い人たちをぐいぐいと引っ張っていただきたいです。私も引っ張っていきますけど私より力は強いんじゃないかと思います」とエールを送りました。
      また12月に予定されている授賞式について、「梶田さんにお目にかかるのはうれしいです。お話したいことはいっぱいあります」と述べたうえで「同時受賞のキャンベルさんとも一緒というのがうれしいです。彼を非常に尊敬していますし、お互いによかったなっていうと思います」と話していました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151007/k10010262211000.html

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    47. ノーベル賞の大村さん 受賞決定後初の講演
      10月14日 12時40分

      ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞者に選ばれた北里大学特別栄誉教授の大村智さんが14日、横浜市内で受賞決定後初となる講演を行い、大きな成果を出せた背景には、企業との共同研究があったと述べました。

      北里大学特別栄誉教授の大村智さんは、アフリカなどを中心に広がる寄生虫が原因の感染症「オンコセルカ症」などの特効薬となる化学物質を発見し、多くの人を失明から救ったなどとして、ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞者に選ばれました。大村さんは14日、横浜市で開かれているバイオ産業の発展をテーマにした会議に招かれ、受賞決定後初となる講演を行いました。
      このなかで大村さんは、「自身が発見した化学物質について、薬になるかどうかの評価は大変な作業で、当時の北里研究所ではできなかった。アメリカの製薬企業と共同研究ができたのがよかった」と述べ、産学の共同研究の重要性を指摘しました。また大村さんは、アフリカを訪れた時、オンコセルカ症で失明した大人が『自分たちの子どもが同じような病気にかからなくなったことはうれしい』と語っていたことを話し、みずからの研究成果が多くの人の役に立ったことの喜びを語っていました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151014/k10010269321000.html

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    48. 梶田さんと大村さんに埼玉県民栄誉賞
      10月23日 7時41分

      埼玉県は、ことしのノーベル賞の受賞者に選ばれた梶田隆章さんと大村智さんの2人に、県民栄誉賞を贈ることを決めました。

      埼玉県は、ノーベル物理学賞の受賞者に選ばれた東京大学宇宙線研究所所長の梶田隆章さんと、ノーベル医学・生理学賞の受賞者に選ばれた北里大学特別栄誉教授の大村智さんの2人に、県民栄誉賞を贈ることを決めました。
      このうち、梶田さんは東松山市出身で、埼玉大学を卒業するまで県内で過ごしました。また、大村さんは北本市にある北里大学メディカルセンターの設立に中心的に関わりました。埼玉県の上田知事は県民栄誉賞を贈る理由について、「梶田さんは県内で生まれ育ち埼玉県とゆかりが深い。また、大村さんは高度な地域医療の発展に貢献していただいた」と説明しています。
      贈呈式はことし12月にスウェーデンで行われるノーベル賞の授賞式のあとに行われる予定で、埼玉県によりますと2人はいずれも出席する意向を示しているということです。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151023/k10010279571000.html

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  38. 大村氏「微生物から勉強、力を借りただけ」
    2015年10月5日21時30分

     ノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智氏は5日夜に北里大(東京都港区)で開いた記者会見で、「微生物から勉強させてもらって、こんな賞をいただいていいのかと思った。(研究成果は)微生物から力を借りただけ」と喜んだ。

     大村氏は「(日本に)微生物を世の中のために使う伝統があり、そういう環境に生まれて良かった。先輩たちが築いてくれた学問分野だ」と振り返り、「若い人たちがこの仕事を続け、世の中に役に立てばと期待する」と語った。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20151005-118-OYT1T50121

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    1. 日本人として誇りに思う…首相、大村氏を祝福
      2015年10月5日22時17分

       安倍首相は5日夜、首相公邸でノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった大村智・北里大特別栄誉教授に電話し、「先生の研究から生まれた感染症の薬で、世界で何億人もの命が救われていることを本当に日本人として誇りに思う」と祝福の言葉を伝えた。

       さらに、首相は「これからも健康に気をつけて活躍をしていただきたい」とエールを送った。大村さんは「首相から言葉をいただいたことが励みになる。ありがとうございます」と応じた。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20151005-118-OYT1T50126

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    2. 中国、自然科学分野で初のノーベル賞に沸く
      2015年10月6日1時10分

       【北京=竹内誠一郎】中国の屠●●トゥーユーユー博士のノーベル生理学・医学賞受賞について、中国は自然科学分野での初のノーベル賞受賞という「快挙」に沸き立った。(●は口へんに幼)

       中国中央テレビは5日午後7時(日本時間同8時)のニュースで「中国大陸の科学者として初の受賞となった」と速報した。インターネット上では「中華が復興し、台頭する時代がやってきた」との声も出た。

       中国では、10年に民主活動家の劉暁波リウシャオボー氏がノーベル平和賞、12年に作家の莫言モーイエン氏がノーベル文学賞をそれぞれ受賞した。だが、自然科学分野では中国大陸の研究者の受賞はなく、中国メディアでは「人口最多の国で受賞者を出せないことを反省しなければならない」として教育システムの改善を求める論調もあった。

       中国メディアによると、屠氏は中国医学と西洋医学の融合などをテーマとし、新型抗マラリア剤の開発などで実績を上げた。海外留学経験が一切ないという経歴や、1960~70年代の科学研究が停滞していた文化大革命期に、薬学分野で地道に成果を上げたことにも関心が集まっている。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20151005-118-OYT1T50155

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    3. ノーベル生理学・医学賞に大村智氏…抗寄生虫薬
      2015年10月6日1時18分

       スウェーデンのカロリンスカ研究所は5日、2015年のノーベル生理学・医学賞を、大村智さとし・北里大特別栄誉教授(80)ら3人に贈ると発表した。

       大村氏は、抗寄生虫薬「イベルメクチン」のもとになる物質を発見。途上国の寄生虫病患者に年1、2回使用することで、失明を防ぐ薬の開発につなげた業績が、高く評価された。イベルメクチンは年間2億人以上が使っている。

       日本のノーベル賞受賞者は、青色発光ダイオード(LED)の発明で昨年、物理学賞を受賞した赤崎勇、天野浩、中村修二の3氏に続いて23人目。生理学・医学賞は1987年の利根川進・米マサチューセッツ工科大教授、2012年の山中伸弥・京都大教授に続き3人目となる。

       大村氏と、同時受賞する米ドリュー大のウィリアム・キャンベル博士の授賞理由は「寄生虫病の新たな治療に関する発見」。中国中医科学院の屠●●トゥーユーユー博士の授賞理由は「マラリアの治療法に関する発見」。賞金は800万スウェーデン・クローナ(約1億1500万円)で、屠氏に2分の1、大村氏とキャンベル氏に4分の1ずつが贈られる。(●は口へんに幼)

       大村氏は、土壌中の微生物などから450種類を超える新たな化合物を発見し、その構造を解明した。そのうち25種類以上が、医薬品や農薬、研究試薬として実用化された。

       米製薬大手メルク社が製品化したイベルメクチンは、大村氏が1970年代に発見した土壌細菌が作る抗生物質がもとになった。この抗生物質を改良した薬が微量で寄生虫を駆除することがわかり、81年に動物の治療薬として実用化された。実用化に貢献したのがキャンベル氏だった。後に人間の寄生虫病にも効くことがわかり、世界保健機関(WHO)も協力して、アフリカなどで広く普及した。

       特に体に入った寄生虫が原因となる熱帯病「オンコセルカ症(河川盲目症)」の特効薬となった。同社によると、途上国では同薬の無償投与で、年間4万例の失明を防いでいるという。日本でも「ストロメクトール」の商品名で、皮膚病の疥癬かいせんの治療薬などとして使われている。

       屠氏は、漢方で使うヨモギの一種の薬草から化学物質を抽出し、マラリアの特効薬となる物質を見つけた。カロリンスカ研究所は発表文で、「3人の発見が世界に与えた影響と、人類に対する恩恵は計り知れない」と評価した。

       授賞式は12月10日、ストックホルムで行われる。

                ◇

        大村智(おおむら・さとし)  1935年7月12日、山梨県韮崎市生まれ。58年に山梨大学芸学部卒業。東京都立高教諭として働きながら、63年東京理科大大学院理学研究科修士課程修了。米ウエスレヤン大客員教授、北里大薬学部教授、北里大北里生命科学研究所長などを経て、2013年から北里大特別栄誉教授。11年に瑞宝重光章を受章、14年にガードナー国際保健賞を受賞。薬学博士、理学博士。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20151005-118-OYT1T50101

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    4. ノーベル賞 大村氏 生理学・医学賞 抗寄生虫薬に貢献 年2億人使用、失明防ぐ
      2015年10月6日3時0分

       スウェーデンのカロリンスカ研究所は5日、2015年のノーベル生理学・医学賞を、大村智さとし・北里大特別栄誉教授(80)ら3人に贈ると発表した。大村氏は、抗寄生虫薬「イベルメクチン」のもとになる物質を発見。途上国の寄生虫病患者に年1、2回使用することで、失明を防ぐ薬の開発につなげた業績が、高く評価された。イベルメクチンは年間2億人以上が使っている。

       日本のノーベル賞受賞者は、青色発光ダイオード(LED)の発明で昨年、物理学賞を受賞した赤崎勇、天野浩、中村修二の3氏に続いて23人目。生理学・医学賞は1987年の利根川進・米マサチューセッツ工科大教授、2012年の山中伸弥・京都大教授に続き3人目となる。

       大村氏と、同時受賞する米ドリュー大のウィリアム・キャンベル博士の授賞理由は「寄生虫病の新たな治療に関する発見」。中国中医科学院のトゥーユーユー博士の授賞理由は「マラリアの治療法に関する発見」。賞金は800万スウェーデン・クローナ(約1億1500万円)で、屠氏に2分の1、大村氏とキャンベル氏に4分の1ずつが贈られる。

       大村氏は、土壌中の微生物などから450種類を超える新たな化合物を発見し、その構造を解明した。そのうち25種類以上が、医薬品や農薬、研究試薬として実用化された。

       米製薬大手メルク社が製品化したイベルメクチンは、大村氏が1970年代に発見した土壌細菌が作る抗生物質がもとになった。この抗生物質を改良した薬が微量で寄生虫を駆除することがわかり、81年に動物の治療薬として実用化された。実用化に貢献したのがキャンベル氏だった。後に人間の寄生虫病にも効くことがわかり、世界保健機関(WHO)も協力して、アフリカなどで広く普及した。

       特に体に入った寄生虫が原因となる熱帯病「オンコセルカ症(河川盲目症)」の特効薬となった。同社によると、途上国では同薬の無償投与で、年間4万例の失明を防いでいるという。日本でも「ストロメクトール」の商品名で、皮膚病の疥癬かいせんの治療薬などとして使われている。

       屠氏は、漢方で使うヨモギの一種の薬草から化学物質を抽出し、マラリアの特効薬となる物質を見つけた。カロリンスカ研究所は発表文で、「3人の発見が世界に与えた影響と、人類に対する恩恵は計り知れない」と評価した。

       授賞式は12月10日、ストックホルムで行われる。

      「微生物のおかげ」

       大村氏は5日夜に北里大(東京都港区)で開いた記者会見で、「微生物から勉強させてもらって、こんな賞をいただいていいのかと思った。(研究成果は)微生物から力を借りただけ」と喜んだ。大村氏は「(日本に)微生物を世の中のために使う伝統があり、そういう環境に生まれて良かった。先輩たちが築いてくれた学問分野だ」と振り返り、「若い人たちがこの仕事を続け、世の中に役に立てばと期待する」と語った。

        大村智(おおむら・さとし)  1935年7月12日、山梨県韮崎市生まれ。58年に山梨大学芸学部卒業。東京都立高教諭として働きながら、63年東京理科大大学院理学研究科修士課程修了。米ウエスレヤン大客員教授、北里大薬学部教授、北里大北里生命科学研究所長などを経て、2013年から北里大特別栄誉教授。11年に瑞宝重光章を受章、14年にガードナー国際保健賞を受賞。薬学博士、理学博士。

      微生物活用 日本のお家芸

      自然界にいる微生物から、有用な物質を取り出す天然物化学は、日本の「お家芸」とも言える得意分野だ。微生物の培養技術は、みそや納豆などの生産を通じ研究者の間で職人芸のように培われた。大村氏はノーベル生理学・医学賞の授賞理由のなかで、その開発手法を「非凡な技術だ」と、たたえられた。

       土の中などにいる多様な微生物を見つけ、有用物質を探るのは根気がいる作業だ。日本人ならではの真面目さが、開発につながったといえる。実際、日本発の薬には、微生物から発見された物質がもとになっている例が目立つ。高脂血症治療薬スタチンや免疫抑制剤タクロリムスなどが有名だ。

       ただし、近年、多くの製薬会社の間に「自然界からこれ以上、新規物質を見つけるのは難しい」との見方が広がっており、製薬手法の主流は天然物化学から化学合成に移っている。

       これに対し、大村氏は5日の受賞が決まった直後、読売新聞の電話取材に「微生物が作る物質には、未知のものが多い」と強調した。今回の受賞で「お家芸」の復活に弾みがつくかもしれない。(科学部 木村達矢)
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20151006-118-OYTPT50152

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    5. 薬でアフリカ救う 大村さんノーベル賞 「科学者は人のため」夜間高教師から転身
      2015年10月6日3時0分

       微生物の研究を熱帯病の特効薬の開発につなげ、アフリカや中南米で多くの人々を失明の危機から救い出した功績が、最高の栄誉に輝いた。5日、ノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった北里大特別栄誉教授の大村智さとしさん(80)。夜間高校の教師から研究者を志し、地道に努力を積み重ねてきた半世紀余りを、「人のためにならなくては、といつも考えていた」と笑顔で振り返った。

      亡き妻に感謝

       受賞発表から約2時間後の午後8時半頃、大村さんは、北里大白金キャンパス(東京都港区)の記者会見場に、濃い緑のネクタイにグレーのジャケット姿で登場。待ち受けた学生らからの拍手を受けながら着席した。

       同大の研究所で受賞を知ったという大村さん。「午後4時半頃に帰ろうとしたが、秘書がなかなか帰してくれない。待っていたら、スウェーデンから電話があった」と明かした。そして、研究者として一番大変な時を支え、15年ほど前に亡くなった妻に対し、心の中で一番に感謝を伝えたという。

       「科学者は人のためにならなきゃダメだ、自分でなく、人のためにやることが大事だ、と絶えず考えてきた」と語る大村さん。後に続く学生らに、「成功した人は失敗を言わないが、(私は)人より3倍は失敗している。失敗を繰り返してやりたいことをやりなさい」とエールを送った。

       「私の仕事は微生物の力を借りているだけ」。謙虚な物言いは最後まで変わらなかったが、「ちゃんとした服装で、もっとよいネクタイをしてくればよかった」と砕けた口調で話すことも。会場を埋めた報道陣に「まだ何か話さなければダメですか」と問い返して、笑いを誘う場面もあった。

       会見場に駆けつけた、元教え子で同大大学院に通う上之原由佳さん(28)は「研究の楽しさを教えてくれた先生。日本各地の土をすぐに持ち帰れるよう、いつも袋を持ち歩いていたと聞き、その熱心さを見習おうと思った」と喜んだ。

       大村さんは会見前、読売新聞の電話取材に応じ、「自分一人で取った賞ではない。大勢の人たちで積み上げてきた結果」と周囲への感謝を口にした。「微生物と付き合っていくと、まだまだ色んなことがわかる。微生物は人類に様々な良いことを提供してくれると思う」とも語り、旺盛な研究意欲を見せた。

      土やカビ、どこでも採取

       チャンスは備えあるところに訪れる――。大村さんはフランスの細菌学者パスツールの言葉を大切にしている。

       「絶えず新しい物質を探そうとする心構えが大切」と、いつでも土やカビのサンプルが採れるよう、財布の中に小さな袋を忍ばせてきた。自宅庭にあった朽ちたカボチャから新たな化合物を発見したこともあった。熱帯病の特効薬で、寄生虫感染症に有効な「イベルメクチン」(商品名メクチザン)も、そんな努力の過程で見つかった。

       メクチザンの開発から25周年を記念して、2004年に訪れたアフリカ・ガーナの小学校。教壇で「日本の北里研究所から来ました」とあいさつしても反応はなかったが、「メクチザンは知っていますか」と問いかけると、子供たちは目を輝かせ、「メクチザン、メクチザン!」と大合唱になった。「薬が子供たちに投与されていることや、身近に救われている人がいることを実感できた」と振り返る。

       過去に共同研究を行った早稲田大教授の服部正平さん(65)には、忘れられない大村さんの姿がある。服部さんが億単位の費用の研究に尻込みしたとき、「僕が出す。研究は自分で稼いだ金でするものだ」と言い、研究費の一部を自己負担した。アフリカの人たちにも、無償で薬を配ったという。

       数々の学術賞や表彰を受けてきた大村さんだが、研究者としては決してエリートコースを歩んできたわけではなかった。

       1958年に山梨大の学芸学部自然科学科を卒業後、東京都の夜間高校の教諭になった。仕事と勉強に取り組む生徒たちの姿に、「俺も勉強しなくては」と一念発起。東京理科大大学院の修士課程に入学し、63年に修了した後は、山梨大の助手としてワイン醸造の研究に携わった。

       「化学や微生物で勝負しても、先駆者にはかなわない。両方を合わせた独自の研究をすれば負けない」と考え、65年に多くの研究分野を持つ北里研究所に入所。75年に教授となり、現在の道を切り開いた。

       芸術愛好家としての顔も持つ。女子美術大(東京都杉並区)の名誉理事長で、「芸術も科学も独創性が大切。人のマネでは評価されない」と共通点を語る。

       2007年には私財を投じ、故郷の山梨県韮崎市に「韮崎大村美術館」を建設。翌年、同市に寄付したが、その後も作品の寄贈を続けており、同館の所蔵作品数は約2000点に上る。

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    6. 情熱と信念50年…汗流した苦労人/緻密ですごい集中力

       「多くの人を救った人類に対する貢献。ノーベル賞にふさわしい」。大村さんを知る北里大学の後輩や、過去のノーベル賞受賞者らからは祝福の声が相次いだ。

      家族、知人ら喜び

       大村さんと35年間、師弟関係にある北里大教授の砂塚敏明さん(56)は「研究者としての業績は言うまでもない。弟子として受賞を心から祈っていた」と声を弾ませた。大村さんの指導は厳しかったが、叱った後には必ず電話をかけてきて励ましてくれたという。砂塚さんは「一言で言うと教育者。若い学生に対しても決して偉ぶらなかった」と振り返った。

       中学以来の友人で、大村さんが中心となって設立した科学の人材を育成する「山梨科学アカデミー」で常任理事を務める功刀くぬぎ能文よしふみさん(79)は、大村さんの山梨大助手時代のことを今も覚えている。月給全てをつぎこんで、試験管など実験に必要な道具を買い込んだこともあったといい、「ただのエリートではなく、汗を流し歩んできた苦労人の学者」と話す。

       今年7月には大村さんの80歳の誕生日を祝うパーティーが都内で開かれ、教え子ら約400人が集まった。功刀さんは「人間的に優れた大村さんだからこそ、多くの人が集まった。今回の受賞も多くの人が喜んでいるのでは」と話した。

       「大村智 2億人を病魔から守った化学者」(中央公論新社)を著した科学ジャーナリスト馬場錬成さんは、「緻密でものすごい集中力の人だった。穏やかな口調の端々から研究や人材育成への情熱を感じた。経営感覚にも優れ、『研究を経営する』との言葉が印象深かった」と話す。

       東京都世田谷区の大村さんの自宅前では、長女の育代さん(42)が取材に応じた。大村さんからは「ノーベル賞決まったよ。ニュースを録画しておいてね」と電話があり、育代さんは「おめでとう。よかったね」と祝福したという。研究が忙しくて、あまり家にはいなかったが、スキーに連れて行ってくれたことも。大村さんの妻文子さんはすでに亡くなっており、育代さんは「母が一番喜んでいると思います」と話した。

       大村さんの弟の泰三さん(75)は、「ついに来たかと思った」と喜び、「子供の頃は学校に登校する前も帰ってきてからも、家の畑仕事を手伝っていた。『その時の苦労があるから、勉強の苦労なんて大したことない』とよく言っていた」と明かした。

      過去の受賞者も祝福

       過去のノーベル賞受賞者も大村さんをたたえた。

       2000年に化学賞を受賞した筑波大名誉教授の白川英樹さん(79)は「大村先生のアフリカでの貢献はすごく大きい。何百万人以上もの人を救っているんだと思う。かねがね十分に受賞に値すると思っていた」と喜んだ。

       01年に化学賞を受賞した科学技術振興機構の研究開発戦略センター長・野依良治さん(77)は「大村博士の信念、人生観の表れで、人格への授賞でもあり、ノーベル平和賞であっても不思議ではありません」とのコメントを発表した。

       iPS細胞(人工多能性幹細胞)を開発し、12年に生理学・医学賞を受賞した京都大教授の山中伸弥さん(53)も「様々な抗生物質を開発され、世界中の患者さんに貢献された大村先生の業績に心から敬意を表します」とのコメントを出した。

      首相「誇りに思う」

       安倍首相は5日夜、首相公邸でノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった大村智・北里大特別栄誉教授に電話し、「先生の研究から生まれた感染症の薬で、世界で何億人もの命が救われていることを本当に日本人として誇りに思う」と祝福の言葉を伝えた。

        【北里大学】  医学部や薬学部、獣医学部などを持つ生命科学系の私立大学。本部は東京都港区。細菌学者の北里柴三郎氏が創立した北里研究所(東京都港区)の50周年の記念事業として、1962年に設立された。今年5月現在の学生数(学部・大学院)は約8500人。

      本紙が号外配布

       読売新聞は5日夜、大村智・北里大特別栄誉教授のノーベル生理学・医学賞の受賞決定を報じる号外約3万2500部を東京や大阪などで配布した。

        ■同時受賞の2人

        ウィリアム・キャンベル博士  1930年、アイルランド生まれ。メルク研究所などを経て、現在は米ドリュー大名誉研究フェロー。

        屠●●(トゥー・ユーユー、●は口へんに「幼」)博士  1930年、中国生まれ。中国中医科学院の助教授、教授を経て、2000年から主任教授に就任。

      中国「快挙」沸く 自然科学分野で初

       【北京=竹内誠一郎】中国の屠●●博士のノーベル生理学・医学賞受賞について、中国は自然科学分野での初のノーベル賞受賞という「快挙」に沸き立った。中国中央テレビは5日午後7時(日本時間同8時)のニュースで「中国大陸の科学者として初の受賞となった」と速報した。インターネット上では「中華が復興し、台頭する時代がやってきた」との声も出た。

       中国では、10年に民主活動家の劉暁波リウシャオボー氏がノーベル平和賞、12年に作家の莫言モーイエン氏がノーベル文学賞をそれぞれ受賞した。だが、自然科学分野では中国大陸の研究者の受賞はなく、中国メディアでは教育システムの改善を求める論調もあった。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20151006-118-OYTPT50103

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    7. 10月6日 編集手帳
      2015年10月6日3時0分

       小紙の先輩記者に、俳人の前川紅楼こうろうさんがいる。昨年いただいた句集『火喰鳥』(文學の森刊)に好きな一句がある。〈夜学教師いつも力みて白墨折る〉。白墨を握る指先からほとばしる熱血が目に見えるようである◆のちの学究ぶりから想像するに、その人も一句の先生と同じく、白墨を折るほどの情熱家であったにちがいない。北里大学特別栄誉教授の大村智さん(80)は、夜間高校の教壇に立ちながら大学院に通った苦労人である◆寄生虫病の新しい治療法を発見した業績により、今年のノーベル生理学・医学賞に選ばれた◆大学院を出たあとも、受賞へ直線コースを歩んだわけではない。助手の職を得た山梨大学ではワイン醸造の研究に取り組み、そこで微生物の魅力に引き込まれたという。人徳だろう。夜学の窓に映るともしびといい、甲州の葡萄ぶどう畑といい、人生の回り道に沿う風景はどれも美しい◆ワインですか? 承知しました。病み上がりでグラスに緩めの封印をした小欄だが、ノーメル…もとい、ノーベル賞の快挙となれば日本人として知らん顔はできない。今宵こよいは飲まざらめやも。酔わざらめやも。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20151006-118-OYTPT50149

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    8. 「泥臭い研究驚いた」 ノーベル賞受賞電話対談 生理学・医学賞
      2015年10月6日3時0分

      大村さん 「失敗重ね、成功現れる」 利根川さん 「発見のすばらしさ」に焦点

      大村智おおむらさとし氏(2015年生理学・医学賞)北里大学特別栄誉教授

      利根川とねがわ進すすむ氏(1987年生理学・医学賞)米マサチューセッツ工科大学教授

       今年のノーベル生理学・医学賞に決まった大村智・北里大学特別栄誉教授ら3人は、熱帯の風土病に対する特効薬を開発し、多くの人々を救った。大村さんと、米国にいる1987年の生理学・医学賞受賞者の利根川進さんをつないで5日、電話対談を行い、受賞の意義などを語り合った。(司会は柴田文隆・編集委員)

       ――利根川先生からお祝いの言葉をお願いします。

       利根川 大村先生、おめでとうございます。

       大村 利根川先生のひらかれた道を歩かせていただきました。

       利根川 本当によかったですね。

       ――利根川先生、今回、地味とも見られる領域に光が当てられたことの意義をどうお考えですか。

       利根川 健康にとって非常に重要な物質を発見されて、世界で多くの人が助けられていて、発見自体がすばらしいと思います。

       ――アフリカの途上国の子どもを、薬で失明から守ることになりましたが。

       大村 我々の研究が世の中に貢献できたのはうれしかった。

       利根川 すばらしい発見です。

       ――大村先生はアフリカの子どもにとって「恩人」ですが、最近は、交流があるでしょうか。

       大村 2004年に子どもたちに囲まれて、楽しいときを過ごすことができました。私自身感慨深かったです。

       ――アフリカにニュースが伝わったら、大喜びでは。

       大村 2004年に行ったときは、薬の名前を言ったら大騒ぎでした。

       ――先生は必ずしもエリートというわけではありませんが。

       大村 できるようになるまで、何回も繰り返す。生まれながら(そういう性質が)あったのかな。何をやらされても、その場で一生懸命勉強しました。

       利根川 エリートではないところを選ぶノーベル賞がすばらしい。発見のすばらしさに焦点を絞って選んでいるところにノーベル賞のすばらしさがあります。

       大村 私自身も驚いています。泥臭い研究分野であり、(選考委員会が)そういう目で見てくれていてうれしい。

       ――微生物の研究者はいつでも土壌を持ち帰る習慣があると聞きます。静岡のゴルフ場の近くから土を採ったのはたまたまだったのですか。

       大村 日本中、離島からも土をとってきたり、根っこをとったり、あらゆるところから菌を分離することに北里大学は優れている。つい最近も新しい菌を見つけています。

       ――大村先生は「世のため人のために」という話をされていました。今回の受賞は、次の若い世代の研究者が「世の中のために頑張ろう」と思うきっかけになったと思います。若い研究者や子どもたちに激励をお願いします。

       大村 小さなことでも良いので、人のためになることはすばらしいことだと学んでほしいと思います。何でも良いので、人のためになることが自分の幸せだと思ってもらいたいですね。

       ――利根川先生、山中先生に続いて、生理学・医学賞はこれで3人目。受賞者は増えていくでしょうか。

       利根川 そう思います。まだ、日本には受賞候補の先生が何人もいますので、将来は明るいと思います。若い人たちには、トレーニングを積んで、結果的に世の中の人のためになるような研究を目指してほしいと思います。

       ――大村先生、今後、若い研究者にどういうことを考えて研究を続けてほしいですか。

       大村 やっぱり、チャレンジ精神ですね。「これをやってみたいな」と思ったら、失敗を恐れないこと。私なんか、はるかに失敗したことの方が多い。失敗は論文には書けない。成功しか書けないです。でも、失敗が重なって成功が現れるのです。恐れてはだめです。

       ――具体的には、どのような失敗をされましたか。

       大村 いっぱいありすぎる。

       利根川 研究はうまくいかないことのほうが、うまくいくことよりはるかに多い。めげずに、初志貫徹というか、目的に向かってあきらめずにやっていく中から、時々すばらしいことが見つかることがあります。

       ――自然界から有用な物質を探し出す「天然物化学」は、日本の伝統というところもありますが。

       大村 この分野は、日本は伝統的に優れている。伝統を大事にすることも大事ですね。

       利根川 まったくその通りだと思う。非常にモダンな研究も重要だが、こういう分野も引き続き、やっていってほしい。

       ――大村先生、これまでを振り返り、一番大変な思い出は。

       大村 もう大変の連続でした。一番大変だったのは、高校の先生をやりながら、大学で実験をしていた頃です。スキーで鍛えた体力があったからできたのでしょうか。

       夜間の高校教師をしているので、給料は頂けるが、一番最初に必要だったのは食料の確保でした。次は電車の定期券を買うこと。残ったお金で本を買い実験した。結婚したときは、家内が「病人のようだ」と言っていました。

       そういう生活を何年も送りましたが、夢があったから頑張れたと思います。初めは、高校の先生でも良い先生になってやろうという思いがあった。後半は、ぜひ、良い研究者になりたいと夢があった。良い研究者になりたい、世の中のためになりたい、と一生懸命やってきた。

       利根川 好きこそものの上手なれ。気持ちが強ければ何でもできる。簡単に言えば、そういうことでしょうか。

       ――この後、授賞式がありますが、その準備もありますね。

       利根川 楽しんできてください。

       大村 まだ全く想像もできませんから。これから休んで考えましょう。

      「医学分野日本の貢献示した」江崎さん喜び語る

       1973年にノーベル物理学賞を受賞した江崎玲於奈・横浜薬科大学長は、茨城県つくば市の自宅で大村智博士の受賞決定を知り、次のように喜びを語った。

           ◇

       これまで自然科学の分野で、日本人は19人受賞しているが、生理学・医学賞は2人しかおらず、物理学や化学に比べて少なかった。今回、大村さんが受賞されるのは、医学の分野でも日本が世界に貢献していることを示したものだ。

       テレビニュースで、大村さんは「私より微生物に賞を」とおっしゃっていたが、大村さんの開発した薬は、人間の熱帯病の治療に貢献しただけでなく、早くから家畜の治療にも使われ、食料の増産につながっているという。素晴らしい研究だ。

       大村さんが教べんをとられた北里大学は、日本最初の細菌学者である北里柴三郎が作った大学。北里博士も破傷風菌の培養と抗毒素の発見などの偉業を成し遂げたが、ノーベル賞は受賞していない。

       大村さんは北里博士と同じく、薬の開発を通じて感染症の克服に取り組んだ。賞の選考は近年、実用性のあるインパクトの強い研究を意識していると思われる。そうした意味でも、今回は北里大の学風がもたらした受賞と言えるのではないか。

       人類は太古の昔から病気と闘ってきた。微生物の力に着目して多くの有用な物質を発見した大村さんが受賞することは、本当に良かったと思う。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20151005-118-OYTPT50526

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    9. [スキャナー]土から奇跡の菌 大村氏ノーベル賞 年間6000種分析の成果
      2015年10月6日3時0分

       アフリカなどで寄生虫に苦しむ大勢の人を救う薬の開発に貢献した大村智さとし・北里大特別栄誉教授(80)らが5日、2015年のノーベル生理学・医学賞の栄冠に輝いた。その薬「イベルメクチン」は1年に1、2回服用するだけで、寄生虫による熱帯病「オンコセルカ症(河川盲目症)」に大きな効果を発揮する。途上国の公衆衛生を劇的に改善したと評価される「奇跡の薬」への糸口は、土壌にすむ細菌から見つかった。(科学部 森井雄一、船越翔)

      服用年1回 大村氏は5日、読売新聞の取材に「びっくりするような研究はしていない。ただ、みんなの力を合わせて有用なものを見つけてきた」と振り返り、「今も次の薬のために、みんなで頑張っている」と強い意欲をのぞかせた。

       大村氏がイベルメクチンを動物の寄生虫病薬として発表したのは、1979年の米国での学会。効果の高さが多くの研究者の注目を集めた。「なぜ1回で効くのか」と尋ねられた大村氏は「効くから1回なのだ」と切り返したという。

       弟子の砂塚敏明・北里大教授(有機合成化学)によると、イベルメクチンは、多くの寄生虫に共通する神経の働きを妨害する。同じ仕組みを持たない人間には、ほとんど副作用がない。

       特に高い効果を発揮したのがオンコセルカ症だ。ブユの吸血で、ミクロフィラリアと呼ばれる線虫が体内に侵入。白内障や角膜炎などを起こし、視力低下や失明につながる。イベルメクチンは下半身が腫れ上がるリンパ系フィラリア症にも効き、これらの感染症対策として、年間計2億人以上が飲み薬として使う。

       砂塚教授は「多くの虫に広範囲に効く。しかも、微量で大きな効果がある。自然からこれだけ薬効の強い成分が見つかったのは奇跡的だ」と説明する。

      ゴルフ場近くで 大村氏がイベルメクチンの原料となる成分を見つけたのは73年。静岡県伊東市のゴルフ場近くの土壌で採取した細菌の一種「放線菌」からだった。当時、北里大の助教授だった大村氏の研究室では、微生物などが作る天然成分の中から薬の候補を探し、年間6000種類の物質を分析した。

       大村氏は、この成分に寄生虫を殺す働きがあることにすぐに気づき、74年、豊富な研究資金を持つ米製薬大手のメルク社と実用化に向けた研究を始めた。米国で研究生活を送った経験のある大村氏は、日米の研究開発力の差を痛感していた。同時受賞が決まったウィリアム・キャンベル博士は、当時、メルク側の開発担当者で、この成分に改良を加え、イベルメクチンの実用化に貢献した。

       大村氏と交流があり、ゴルフ友達でもある免疫学者の本庶佑ほんじょたすく・京都大名誉教授(73)は「大村氏はもっと評価されるべき研究者だとずっと感じていたので、今回の授賞決定はむしろ遅かったくらいだ」と称賛する。

       一方、中国のトゥーユーユー氏は、漢方薬に関する中国の古い文献を調べ直し、年間3億~5億人の患者が出るマラリアの治療薬「アーテミシニン」の原料となる成分を、ヨモギの仲間の薬草「クソニンジン」から特定した。

       カロリンスカ研究所は5日の発表で「ゴルフコースの横で発見された試料から、医療の歴史を変える細菌の系統が見つかった。3人の発見は生命を救い、福祉や経済成長を促した。劇的な貢献だ」とたたえた。

      感染症対策 世界が関心 熱帯病流行149か国で

       大村氏のイベルメクチンが授賞対象になった背景には、感染症対策への世界的な関心の高まりがある。

       イベルメクチンが効果を発揮するオンコセルカ症とリンパ系フィラリア症は、世界保健機関(WHO)が「制圧しなければならない熱帯病」と位置づける17種類の「顧みられない熱帯病(NTD◎)」に含まれる。WHOによると、NTDの流行国は149か国、感染者は14億人以上に上る。

       東京慈恵会医大の嘉糠洋陸かぬかひろたか教授(熱帯医学)によると、NTDのうち、オンコセルカ症とリンパ系フィラリア症を含む11種は寄生虫が原因。エイズ、結核と並ぶ3大感染症のマラリアも、マラリア原虫と呼ばれる寄生虫が原因だ。

       長崎大熱帯医学研究所の安波道郎・戦略職員は「寄生虫を殺そうとすると人体にも影響が大きいため、薬の開発が難しい」と語る。

       寄生虫病は先進国ではなじみが薄くなったが、地球温暖化に伴ってデング熱などのウイルス感染が広がっており、感染症対策への関心が高まっている。

       2008年の北海道洞爺湖サミットでNTDの感染者への支援が首脳宣言に盛り込まれ、12年には、WHOやビル・ゲイツ氏が共同議長の財団、大手製薬企業などが、20年までに、オンコセルカ症とリンパ系フィラリア症を含む10種のNTDの撲滅を目指す宣言を発表した。来年5月の三重県の伊勢志摩サミットでも、議題になる可能性がある。

       日本では安倍首相が5月に、アフリカのNTDに焦点を当てた国際共同研究の推進を表明。政府の健康・医療戦略の中核を担う日本医療研究開発機構(AMED)が今年度から5年計画で事業を進める。

       (科学部 江村泰山)

       ◎NTD=Neglected Tropical Diseases
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20151006-118-OYTPT50141

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    10. ノーベル賞、山梨の誇り 大村さんに称賛の声=山梨
      2015年10月6日5時0分

       韮崎市出身の大村智・北里大特別栄誉教授が5日、今年のノーベル生理学・医学賞を受賞したことが伝わると、母校の県立韮崎高校(韮崎市若宮)では受賞を祝う紙が貼り出され、県内に住む友人や母校の後輩から称賛や喜びの声が相次いだ。

      ◆山梨科学アカデミー「悲願」

       大村さんと実家が近所で、中学高校時代は一緒に通学する仲だったという甲府市の山梨科学アカデミー常任理事の功刀能文くぬぎよしふみさん(79)は5日夜、受賞の一報をうけ、「受賞は私たちの悲願でもあり、やっと受賞してくれて本当にうれしい」と笑顔をみせた。

       大村さんは負けず嫌いで、勉強だけではなく、高校時代は国体にスキー選手として出場するほどのスポーツマンで、「勉強ばかりの秀才タイプではなかった」と振り返る。

       大村さんは山梨大卒業後、都内の夜間高校で教べんを取っていたが、その際、「手に油をつけて、学ぶ生徒たちの姿を見て、『もう一度、研究の道に進もう』と決意したと聞いた」という。

       自身の研究の傍ら、地元山梨の後進の育成にも励み、同アカデミーを大村さんが中心となって設立し、子供たちの理科離れを食い止めようと、小中学校でセミナーを開催してきた。功刀さんは「ふるさとに対する強い思いがあった。ノーベル賞にふさわしい人物が受賞してくれた」と話した。

       またこの日、同アカデミーの前田秀一郎会長(67)が記者会見を開き、「山梨県、山梨大出身の大村先生がノーベル賞を受賞したのは本当にうれしい。『いつかこういう日が来てほしい』と願っていたが、本当に実現した」と笑顔を浮かべた。

       前田さんによると大村さんは、「山梨はすぐれた自然があり、科学に興味を持つにはすばらしい環境」と常日頃から話していたと言い、山梨の子供たちや後進の研究者に対し、「自信を持って、勉強、研究に励んで大村先生に続いてほしい」と話した。

      ◆姉「あきらめない心で受賞」

       大村さんの姉、山田淳子あつこさん(81)は、韮崎市の自宅で夕食を準備していた時に、受賞の一報が飛び込んできた。山田さんは「去年受賞を逃した時、智が『もう無理かも』と諦めた様子で話していただけにとても驚いている」と話し、「『おめでとう、やっとだね』と声をかけてあげたい」と顔をほころばせた。

       大村さんは、教育熱心な農家の両親のもとで育ち、子ども時代は5人きょうだい全員で田植えや養蚕の桑摘みの手伝いに精を出した。山田さんは「馬の手綱を握って田んぼを耕していた智の姿からは想像もつかない」と目を細め、「『子どもには絶対に教育を受けさせる』という両親の志や、農作業で培ったあきらめない心がノーベル賞に届かせてくれたのかも」と振り返った。

       大村さんは今でも多忙で、山田さんが都内の大村さん宅を訪ねても原稿の執筆などに没頭する日々を過ごしているという。以前から、山田さんに「姉ちゃん、ノーベル賞取れたら、(授賞式の行われる)ストックホルムに連れて行ってあげるよ」と話していたと言い、山田さんは「夢が実現しそう」と話した。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20151005-119-OYTNT50456

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    11. ノーベル賞本紙号外 金沢駅周辺で配布=石川
      2015年10月6日5時0分

       読売新聞北陸支社は5日、大村智・北里大特別栄誉教授(80)のノーベル生理学・医学賞受賞を報じる号外を、石川・富山の両県で計3000部発行した。県内では金沢駅東口周辺で800部を配布した。

       号外を手にした白山市の会社員越田淳也さん(25)は「地道な研究の成果が認められたことは喜ばしい。研究が多くの人の命を救っていると知り、日本人として誇りに思う」と感動していた。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20151005-119-OYTNT50389

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    12. 夜間高教師から転身、多くの「失明の危機」救う
      2015年10月6日9時10分

       微生物の研究を熱帯病の特効薬の開発につなげ、アフリカや中南米で多くの人々を失明の危機から救い出した功績が、最高の栄誉に輝いた。

       5日、ノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった北里大特別栄誉教授の大村智さとしさん(80)。夜間高校の教師から研究者を志し、地道に努力を積み重ねてきた半世紀余りを、「人のためにならなくては、といつも考えていた」と笑顔で振り返った。

       ◆亡き妻に感謝

       受賞発表から約2時間後の午後8時半頃、大村さんは、北里大白金キャンパス(東京都港区)の記者会見場に、濃い緑のネクタイにグレーのジャケット姿で登場。待ち受けた学生らからの拍手を受けながら着席した。

       同大の研究所で受賞を知ったという大村さん。「午後4時半頃に帰ろうとしたが、秘書がなかなか帰してくれない。待っていたら、スウェーデンから電話があった」と明かした。そして、研究者として一番大変な時を支え、15年ほど前に亡くなった妻に対し、心の中で一番に感謝を伝えたという。

       「科学者は人のためにならなきゃダメだ、自分でなく、人のためにやることが大事だ、と絶えず考えてきた」と語る大村さん。後に続く学生らに、「成功した人は失敗を言わないが、(私は)人より3倍は失敗している。失敗を繰り返してやりたいことをやりなさい」とエールを送った。

       「私の仕事は微生物の力を借りているだけ」。謙虚な物言いは最後まで変わらなかったが、「ちゃんとした服装で、もっとよいネクタイをしてくればよかった」と砕けた口調で話すことも。会場を埋めた報道陣に「まだ何か話さなければダメですか」と問い返して、笑いを誘う場面もあった。

       会見場に駆けつけた、元教え子で同大大学院に通う女性(28)は「研究の楽しさを教えてくれた先生。日本各地の土をすぐに持ち帰れるよう、いつも袋を持ち歩いていたと聞き、その熱心さを見習おうと思った」と喜んだ。

       大村さんは会見前、読売新聞の電話取材に応じ、「自分一人で取った賞ではない。大勢の人たちで積み上げてきた結果」と周囲への感謝を口にした。「微生物と付き合っていくと、まだまだ色んなことがわかる。微生物は人類に様々な良いことを提供してくれると思う」とも語り、旺盛な研究意欲を見せた。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20151006-118-OYT1T50019

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    13. 財布の中に小さな袋、土やカビをどこでも採取
      2015年10月6日9時19分

       チャンスは備えあるところに訪れる――。

       大村さんはフランスの細菌学者パスツールの言葉を大切にしている。

       「絶えず新しい物質を探そうとする心構えが大切」と、いつでも土やカビのサンプルが採れるよう、財布の中に小さな袋を忍ばせてきた。自宅庭にあった朽ちたカボチャから新たな化合物を発見したこともあった。熱帯病の特効薬で、寄生虫感染症に有効な「イベルメクチン」(商品名メクチザン)も、そんな努力の過程で見つかった。

       メクチザンの開発から25周年を記念して、2004年に訪れたアフリカ・ガーナの小学校。教壇で「日本の北里研究所から来ました」とあいさつしても反応はなかったが、「メクチザンは知っていますか」と問いかけると、子供たちは目を輝かせ、「メクチザン、メクチザン!」と大合唱になった。「薬が子供たちに投与されていることや、身近に救われている人がいることを実感できた」と振り返る。

       過去に共同研究を行った早稲田大教授の服部正平さん(65)には、忘れられない大村さんの姿がある。服部さんが億単位の費用の研究に尻込みしたとき、「僕が出す。研究は自分で稼いだ金でするものだ」と言い、研究費の一部を自己負担した。アフリカの人たちにも、無償で薬を配ったという。

       数々の学術賞や表彰を受けてきた大村さんだが、研究者としては決してエリートコースを歩んできたわけではなかった。

       1958年に山梨大の学芸学部自然科学科を卒業後、東京都の夜間高校の教諭になった。仕事と勉強に取り組む生徒たちの姿に、「俺も勉強しなくては」と一念発起。東京理科大大学院の修士課程に入学し、63年に修了した後は、山梨大の助手としてワイン醸造の研究に携わった。

       「化学や微生物で勝負しても、先駆者にはかなわない。両方を合わせた独自の研究をすれば負けない」と考え、65年に多くの研究分野を持つ北里研究所に入所。75年に教授となり、現在の道を切り開いた。

       芸術愛好家としての顔も持つ。女子美術大(東京都杉並区)の名誉理事長で、「芸術も科学も独創性が大切。人のマネでは評価されない」と共通点を語る。

       2007年には私財を投じ、故郷の山梨県韮崎市に「韮崎大村美術館」を建設。翌年、同市に寄付したが、その後も作品の寄贈を続けており、同館の所蔵作品数は約2000点に上る。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20151006-118-OYT1T50022

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    14. 「なぜ自分が…と考え眠れず」一夜明け大村さん
      2015年10月6日11時45分

       ノーベル生理学・医学賞の受賞の知らせから一夜明けた6日朝、大村智・北里大特別栄誉教授(80)は東京都世田谷区の自宅前で、「本当にもらえたんだなあと実感が湧いてきた。ひたすら人のためになりたいとやってきたことが認められてうれしい」と報道陣に笑顔で語った。

       熱帯病の特効薬「メクチザン」の開発から25周年を記念して訪れたアフリカで贈られた置物などが並ぶ自宅の居間でも取材に応じ、「なぜ自分が受賞できたのだろうとずっと考えていたら、ゆうべは眠れなかった」と明かした。

       6日午前2時過ぎに床に就いたが、1973年に客員教授を務めた米ウエスレヤン大から帰国した頃の苦労を思い出し、寝付けなかったという。まだ30歳代で、研究の資金繰りのため、製薬会社との共同研究を持ちかけて何社も訪ねて回った。恩師の紹介で米製薬大手メルク社との共同研究が決定した後も、書類づくりに明け暮れた。「あの頃の頑張りがあったから受賞できたのかな」と振り返った。

       この日は、毎日食べているという古里・山梨県産のブドウのほか、ヨーグルトや卵かけご飯などの朝食をとった。朝刊の1面に載った自分の写真を眺め、「ずいぶんうれしそう」と照れくさそうに話した大村さん。「報道を見た若い人たちが『自分も何かやってやろう』と思ってくれたらうれしい」と後進たちにエールを送った。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20151006-118-OYT1T50037

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  39. >大村氏と、同時受賞する米ドリュー大のウィリアム・キャンベル博士の授賞理由は「寄生虫病の新たな治療に関する発見」。中国中医科学院の屠●●トゥーユーユー博士の授賞理由は「マラリアの治療法に関する発見」。賞金は800万スウェーデン・クローナ(約1億1500万円)で、屠氏に2分の1、大村氏とキャンベル氏に4分の1ずつが贈られる。(●は口へんに幼)
    http://www.yomiuri.co.jp/science/20151005-OYT1T50101.html

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    1. 「マラリアの治療法に関する発見」
      https://www.google.co.jp/search?q=%E5%B1%A0+2%E5%88%86%E3%81%AE1+%E3%83%9E%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%82%A2

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  40. 「安保徹 マラリア 胸腺外分化T細胞」
    https://www.google.co.jp/search?q=%E5%AE%89%E4%BF%9D%E5%BE%B9+%E3%83%9E%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%82%A2+%E8%83%B8%E8%85%BA%E5%A4%96%E5%88%86%E5%8C%96T%E7%B4%B0%E8%83%9E

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    1. Essential role of extrathymic T cells in protection against malaria.
      (J. Immunol. 169: 301-306, 2002)
      https://www.google.co.jp/search?q=essential+role+of+extrathymic+t+cells+in+protection+against+malaria+2002+abo

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  41. 「ノーベル賞」がらみの「株式市場」投資マター株価操作、ずぶずぶのインサイダー案件なのではないかと…

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  42. ノーベル化学賞 スウェーデン人ら3人
    10月7日 19時07分

    ことしのノーベル化学賞に、人体の設計図といわれる「DNA」が傷ついたときヒトの体が、DNAをどのように修復して、重要な遺伝情報を守っているのか、そのメカニズムを解明したスウェーデン人ら合わせて3人の研究者が選ばれました。

    スウェーデンのストックホルムにある選考委員会は、日本時間の7日午後7時前、記者会見を開き、ことしのノーベル化学賞に、スウェーデン人のトマス・リンダール氏、アメリカ人のポール・モードリッチ氏、トルコとアメリカの国籍を持つアシス・サンニャール氏の合わせて3人を選んだと発表しました。
    ヒトの体の1つ1つの細胞の中には、DNAがありますが、紫外線などにさらされるとDNAが傷つくなどしてその一部の配列や構造が壊れてしまうことが分かっています。
    それでも、ヒトが健康を保つことができているのは、細胞が、壊れた配列や構造を常に修復するなどして重要な遺伝情報を守っているためで、3人は、細胞がDNAをどのように修復しているのか、そのメカニズムを、分子のレベルで明らかにしました。
    3人の研究によって、DNAを修復する働きに異常が起きたり、十分に修復できなかったりすると、がんなどの病気につながることが分かり、さらに、この修復のメカニズムは、老化にも関わっていることが明らかになりました。
    ノーベル賞の選考委員会は、3人の研究成果について、「ヒトの体の仕組みに対する理解を深めただけでなく医療の進歩にも貢献しうるものだ」と評価しています。
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151007/k10010262461000.html

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  43. 抗寄生虫薬「まだまだ研究」…ノーベル賞大村さん、横浜で講演
    2015年10月15日3時0分

     ノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった大村智・北里大特別栄誉教授(80)は14日、横浜市西区のパシフィコ横浜で開かれた展示会「バイオジャパン2015」で、受賞決定後初めて講演した=写真、高橋美帆撮影=。

     大村さんは、自らが開発にかかわった抗寄生虫薬「イベルメクチン」について、マラリアや結核の治療に役立つ可能性があると指摘。ダニが原因の疥癬かいせんという皮膚病や、シラミ駆除にも効果があるとされていることから「(イベルメクチンは)まだまだ研究の余地がある薬だ」と話した。

     イベルメクチンは、アフリカや中南米に無償提供され、失明に至る「オンコセルカ症」の撲滅に向け大きな役割を果たしている。2004年にアフリカを訪れた際、現地の失明患者に「『もう自分の目は見えないが、子供たちにうつらなくなったのは非常にうれしい』と言われたことが印象に残っている」と語った。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20151015-118-OYTPT50065

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    1. 大村智さん、抗寄生虫薬に「研究の余地がある」
      2015年10月15日10時5分

       ノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった大村智・北里大特別栄誉教授(80)は14日、横浜市西区のパシフィコ横浜で開かれた展示会「バイオジャパン2015」で、受賞決定後初めて講演した。

       大村さんは、自らが開発にかかわった抗寄生虫薬「イベルメクチン」について、マラリアや結核の治療に役立つ可能性があると指摘。ダニが原因の疥癬かいせんという皮膚病や、シラミ駆除にも効果があるとされていることから「(イベルメクチンは)まだまだ研究の余地がある薬だ」と話した。

       イベルメクチンは、アフリカや中南米に無償提供され、失明に至る「オンコセルカ症」の撲滅に向け大きな役割を果たしている。2004年にアフリカを訪れた際、現地の失明患者に「『もう自分の目は見えないが、子供たちにうつらなくなったのは非常にうれしい』と言われたことが印象に残っている」と語った。

       講演の前には林文子・横浜市長らから受賞を祝う花束が贈られた。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20151014-118-OYT1T50119

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  44. >1999年にノーベル平和賞を受賞した「国境なき医師団」(MSF)
    http://koibito2.blogspot.jp/2013/09/blog-post_3249.html?showComment=1445487820509#c6398966889499761683

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  45. 首相 基礎研究支援に取り組む考え
    10月29日 17時52分

    ことしのノーベル賞の受賞者に選ばれた大村智さんと梶田隆章さんが総理大臣官邸を訪れ、安倍総理大臣は引き続き基礎研究への支援に取り組んでいく考えを示しました。

    ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞者に選ばれた北里大学特別栄誉教授の大村智さんとノーベル物理学賞の受賞者となった東京大学宇宙線研究所所長の梶田隆章さんは、29日午後、総理大臣官邸を訪れ、安倍総理大臣と面会しました。
    この中で、梶田さんは「私の研究は、国が支えているような研究です。この場をお借りして長い間、研究を支えていただいたお礼を申し上げたい」と述べました。また、大村さんは、受賞の理由となった、熱帯の寄生虫が原因の感染症に効果がある抗生物質のもととなる微生物の銅版画を安倍総理大臣に手渡しました。
    これに対して、安倍総理大臣は「2人の受賞で、改めて基礎研究の重要性を認識させていただいた。これからも、しっかりと支援していきたい」と述べ、引き続き基礎研究への支援に取り組んでいく考えを示しました。
    面会のあと、大村さんは記者団に対し、「安倍総理大臣は『ノーベル賞の受賞によって国が科学を支援することについて、国民への説得力が出てきた』と話されていました。安倍総理大臣が基礎研究が大事だということを言われて非常によかったと思います」と話していました。
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151029/k10010287181000.html

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  46. ノーベル賞の大村さん 梶田さんにも文化勲章
    10月30日 13時56分

    今年度の文化勲章の受章者に、ノーベル医学・生理学賞を受けることになった大村智さん、ノーベル物理学賞を受けることになった梶田隆章さんも選ばれました。

    文化勲章を受章する大村智さんは、山梨県韮崎市出身の80歳。山梨大学を卒業後、北里大学薬学部の教授や北里研究所の所長などを務め、現在は北里大学特別栄誉教授を務めています。
    大村さんは、微生物由来の有機化合物を多数発見し、薬学研究の分野で優れた業績をあげました。特に、大村さんが発見した物質「エバーメクチン」をもとに作られた「イベルメクチン」は、アフリカなどを中心に広がる寄生虫が原因の感染症「オンコセルカ症」などの特効薬となり、多くの人を失明から救ったなどとして、ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞者に選ばれています。
    大村さんは文化勲章の受章について記者会見で、「文化勲章の受章者を何人か存じ上げていますが、皆さんすばらしい方々で、その仲間入りができるのは光栄なことです。受章をきっかけに、日本がアフリカの医療に大きく貢献したことを皆さんに分かっていただければと思います。私と同じ有機化学の分野では、過去に私の恩師の先生も受章しているので、私もこの分野の代表として発展に力を尽くしていきたい」と話していました。

    文化勲章を受章する東京大学宇宙線研究所所長の梶田隆章さんは、埼玉県出身で56歳。埼玉大学理学部を卒業したあと、東京大学大学院でのちにノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊さんの教えを受け、素粒子のひとつ、「ニュートリノ」の研究を始めました。そして、岐阜県飛騨市の研究施設「スーパーカミオカンデ」で行った観測結果をもとに、平成10年、ニュートリノに質量があることを世界で初めて証明し、それまでの素粒子物理学の定説を覆しました。梶田さんはこの研究成果で、ことしのノーベル物理学賞を受賞することが決まっています。
    文化勲章を受章することについて梶田さんは「人類共通の知の地平線を切り開く基礎科学の大切さが日本でも評価されたことを非常にうれしく思います」と話しています。
    そして、恩師である、小柴さんと平成20年に亡くなった戸塚洋二さんに続いて文化勲章を受章することについて、「これこそ身に余る光栄だと考えます」と話しています。
    そのうえで、梶田さんは今後の抱負について、「若い人こそ研究の現場で活躍してもらわなければならないのに、安定した雇用環境が整っていないことに問題意識を感じています。若い人たちがじっくりと基礎研究に打ち込める環境作りに取り組んで行きたい」と話しています。
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151030/k10010288101000.html

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  47. ノーベル賞下村さん 体験語り平和を訴え
    11月3日 19時17分

    長崎市で開かれている、世界各国の科学者が集まって核兵器廃絶について話し合う「パグウォッシュ会議」は、3日目の3日、長崎に原爆を投下した爆撃機を目撃したノーベル化学賞受賞者の下村脩さんが自身の体験を語り「戦争と核兵器のない世界を望むのみです」と平和への強い思いを訴えました。

    長崎市で開かれている「パグウォッシュ会議」では、平成20年にノーベル化学賞を受賞した下村脩さんが講演し、長崎県諫早市にあった旧海軍の工場で働いているときに原爆を投下した爆撃機を目撃したことや、終戦後、原爆で亡くなった人たちの遺体が運ばれる様子を見た経験などを語りました。この中で下村さんは「悲惨で残酷な光景のショックは強烈で、私の人生観を変えました。原爆のことは思い出さないように努めていましたが、いつも私の心にうずくまっていて、消え去ることはありませんでした」と述べました。
    下村さんは、おととし、原爆を開発したアメリカ・ニューメキシコ州のロスアラモス国立研究所に招かれて講演したときの経験も語り、若い研究者から原爆について聞かれなかったことを挙げて「若い人にとって、広島、長崎の原爆は歴史の一かけらにすぎないという印象を受けた」と話しました。そして「もし日本が2週間早く降伏していれば、多数の人命が失われずに済んだはずで、すべては戦争に起因します。戦争と核兵器のない世界を望むのみです」と述べ、平和への強い思いを訴えました。
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151103/k10010293101000.html

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  48. マラリア感染で腸内細菌などに著しい変化
    11月7日 8時01分

    熱帯を中心にまん延し、年間およそ60万人が死亡する感染症のマラリアで、感染すると小腸が出血したり腸内の細菌がバランスを崩したりするなど腸に大きな影響が出ることを群馬大学などの研究グループが解明しました。マラリアの予防や治療につながる研究として期待されています。

    解明したのは群馬大学大学院医学系研究科の久枝一教授らの研究グループです。マラリアは熱帯を中心にまん延し年間およそ60万人が死亡する感染症で、感染すると腹痛や下痢、嘔吐といった消化器の症状が多くみられます。しかし、こうした症状が起きるメカニズムについては、ほとんど研究されていませんでした。
    久枝教授のグループではマウスをマラリアに感染させ、消化器を観察しました。その結果、マウスの小腸の中で腸管の細胞のはがれや出血がみられたほか、乳酸菌などの善玉菌が減少したうえで、病原性を持つ悪玉菌が増えるなど腸内の細菌のバランスに著しい変化がみられたということです。久枝教授は「腸内の変調を補うことでマラリアの悪化を防げる可能性がある。今後さらに研究を進めて予防法や治療法の開発につなげたい」と話していました。この研究成果は国際科学誌のオンライン版に掲載されています。
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151107/k10010297481000.html

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  49. 大村さんの研究「保健衛生向上に多大な影響」
    12月7日 9時47分

    ことしのノーベル医学・生理学賞に選ばれた北里大学特別栄誉教授の大村智さんの研究について、選考に関わった教授は、「大村さんの研究から生まれた薬は、貧しい人たちの保健衛生の向上に多大な影響を与えた」と述べて功績をたたえました。

    ノーベル医学・生理学賞の受賞者を決めるスウェーデンのカロリンスカ研究所で、大村さんと同じ感染症の研究を行い、今回の選考にも関わったマッツ・ワーグレン教授は、授賞式を前にNHKのインタビューに応じました。
    この中でワーグレン教授は、「大村さんの研究から生まれた薬は、人々の保健衛生の向上に多大な影響を与えた。特に最も貧しい人たちが、この薬の恩恵を受けている」と述べて、大村さんの功績をたたえました。またワーグレン教授は、「大村さんは
    長年にわたる研究で複雑なバクテリアの世界を解明し、特別な種類のバクテリアを見つけることができた」と述べ粘り強い研究姿勢を評価しました。
    そしてことしの医学・生理学賞は、主に貧しい人たちが苦しむ寄生虫などが原因となる感染症の研究に贈られたと指摘したうえで、「今回の受賞はノーベル賞自体の価値を高めることになる」と述べ、同じ分野の研究を続けて来た自分としても、誇らしいと説明しました。

    関連ニュース
    ノーベル賞大村さん 共同受賞者と会見 (12月7日 5時56分)
    大村さん ノーベル賞授賞式へ出発 (12月5日 6時19分)
    ノーベル賞 スウェーデン大使館で祝賀会 (12月1日 14時42分)
    ノーベル賞 大村さんがストックホルム到着 (12月5日 20時43分)

    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151207/k10010332241000.html

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    1. どこまでファクトなんだか…

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    2. どのみちメインで受賞したのは、例の中国人のマラリア漢方薬研究の眉唾もん…

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  50. 「国際生物学賞」授賞式 両陛下が出席
    12月7日 13時20分

    生物学の分野で優れた業績をあげた研究者に贈られる国際生物学賞の授賞式が、7日、天皇皇后両陛下も出席されて東京で行われました。

    国際生物学賞は、生物学の研究に熱心だった昭和天皇の在位60年を記念して設けられたもので、ことしで31回目を迎えました。
    授賞式は、両陛下も出席されて東京・上野の日本学士院会館で行われ、受賞した東京工業大学の大隅良典栄誉教授に賞状や記念品が贈られました。
    大隅栄誉教授は、細胞が不要になったたんぱく質などを分解する、生物にとって重要な「オートファジー」と呼ばれる仕組みを解明しました。この仕組みがアルツハイマー病などでは正常に機能していないことが分かっていて、予防法や治療法の開発につながるのではないかと期待されています。
    大隅栄誉教授は、スピーチで受賞の喜びや同僚の研究者たちへの感謝のことばを述べ、両陛下は拍手を送られていました。
    このあと記念のパーティーが開かれ、両陛下は、大隅栄誉教授や国内外の生物学の研究者らと、にこやかにことばを交わされていました。
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151207/k10010332401000.html

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    1. >東京工業大学の大隅良典栄誉教授

      >細胞が不要になったたんぱく質などを分解する、生物にとって重要な「オートファジー」と呼ばれる仕組みを解明

      >この仕組みがアルツハイマー病などでは正常に機能していないことが分かっていて、予防法や治療法の開発につながる…

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  51. ノーベル賞行事に提供の酒造会社 受賞を祝う 神戸
    12月10日 14時53分

    日本人2人が選ばれたノーベル賞の授賞式を含む公式行事でふるまわれる日本酒を造った神戸市の酒造会社が、鏡開きをして2人の受賞を祝いました。

    ことしのノーベル賞では、医学・生理学賞に北里大学特別栄誉教授の大村智さん、物理学賞に東京大学宇宙線研究所所長の梶田隆章さんが選ばれ、日本時間の11日未明にスウェーデンのストックホルムで授賞式が行われます。
    授賞式を含む公式行事では、神戸市東灘区の酒造会社が造った日本酒が提供されることになっていて、10日、酒造会社が鏡開きをして2人の受賞を祝いました。そして、行事で提供される日本酒やその酒かすを使ったかす汁が、集まった人たちおよそ100人にふるまわれました。
    この酒造会社は、阪神・淡路大震災で蔵が倒壊するなどして大きな被害を受けましたが、その後、復興しノーベル賞の公式行事にここのお酒が提供されるのは5回目です。
    訪れた80代の女性は「公式行事と同じお酒が飲めるなんて幸せです」と話していました。酒造会社の安福武之助社長は「海外でワインなどと肩を並べて日本酒が楽しまれるというのは、造り手にとって大変誇りに思います。神戸から『おめでとうございます』と祝福を伝えたいです」と話していました。
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151210/k10010336211000.html

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  52. ノーベル賞山中教授 学生らに「ビジョンを持って」
    3月7日 20時27分

    4年前にノーベル医学・生理学賞を共同で受賞した京都大学の山中伸弥教授とイギリスのジョン・ガードン博士が広島大学でそろって講演し、山中教授は「何のために研究をするのかビジョンを持ってほしい」と学生たちに呼びかけました。

    この講演会は、若い人たちに科学のおもしろさを知ってもらおうと広島大学が開き、学生や研究者のほか中国・四国地方から招待された高校生など、およそ1200人が参加しました。
    この中で山中教授は、医師として病院に勤めていたときに父親が肝硬変で亡くなったことをきっかけに、新しい治療方法を開発するために研究の道に入ったことを紹介しました。
    そして、「何のために研究をするのか、生涯にわたるビジョンを明確に持つことが大切です」と呼びかけました。
    また、山中教授と一緒にノーベル医学・生理学賞を受賞したガードン博士は自身の研究を紹介し、「研究成果を病気の治療につなげるには法律や倫理など課題はあるが、治療を受けるかどうか、患者本人が決めることができる社会になるべきだ」と訴えました。
    講演を聞いた学生は、「『ビジョンを持つ』という山中さんの話が印象に残りました。研究者を目指して頑張りたいです」と話していました。
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160307/k10010434811000.html

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  53. 科学分野で業績を上げた研究者に「日本国際賞」
    4月20日 20時21分

    科学技術の分野ですぐれた業績をあげた研究者に贈られる「日本国際賞」の授賞式が、天皇皇后両陛下も出席されて東京都内で行われました。

    両陛下は20日午後、授賞式の会場の東京国際フォーラムに到着されました。「日本国際賞」は、国際科学技術財団が毎年、科学技術の分野で人類の平和と繁栄に貢献するすぐれた業績をあげた研究者に贈っているものです。
    ことしの受賞者は、パソコンやスマートホンの液晶画面を進化させる半導体を開発するなど、材料開発の分野で広く社会に貢献した東京工業大学教授の細野秀雄博士と、遺伝子の解析技術を活用して農作物の品種改良を進める新たな手法を開発したアメリカ・コーネル大学名誉教授のスティーブン・タンクスリー博士の2人です。
    式典では、国内や海外の研究者などおよそ1000人が見守るなか、2人に賞状や記念の盾が贈られ、両陛下は笑顔で拍手を送られていました。
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160420/k10010490591000.html

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  54. ことしのノーベル賞 受賞予測に3人の日本人研究者
    9月21日 16時45分

    ことしのノーベル賞の発表が来月3日から始まるのを前に、受賞が有力視される研究者の予測をアメリカの学術情報サービス会社が発表し、日本人では医学・生理学と化学で新たに3人の名前が挙げられています。

    アメリカのトムソン・ロイターは、およそ6300万に上る世界の研究者の論文をデータベース化し研究機関などに提供していて、例年この時期に論文の引用回数などに基づいてノーベル賞の受賞が有力視される研究者の予測を発表しています。

    ことしは世界の24人の研究者が選ばれ、この中では日本人研究者も新たに3人の名前が挙げられています。このうち、医学・生理学では、免疫の働きを抑える「PD-1」という物質を発見し、新しいがんの治療薬の開発に道を開いた京都大学の本庶佑名誉教授が選ばれました。

    化学では、がんの組織にピンポイントで薬を送り込む「ドラッグデリバリー」と呼ばれる治療法につながる発見をした崇城大学の前田浩特任教授と国立がん研究センターの松村保広新薬開発分野長の2人が選ばれています。

    トムソン・ロイターは2002年から毎年ノーベル賞の予測を発表していて、去年までに世界各国から278人が選ばれ、このうち39人がノーベル賞を受賞しています。また、日本人の研究者は、アメリカ国籍を取得した人も含めると今回の3人も含めて合わせて24人が選ばれていて、このうち京都大学の山中伸弥教授とカリフォルニア大学の中村修二教授がそれぞれノーベル賞を受賞しています。

    がんの新たな治療法につながる研究

    今回の日本人研究者3人のうち、ノーベル化学賞の受賞が有力視されると予測された崇城大学の前田浩特任教授と国立がん研究センターの松村保広新薬開発分野長が取り組んでいるのは、がんの新たな治療法につながる研究です。

    2人は今から30年前、がんのような腫瘍の組織では、血管の壁に数多くの隙間ができて血液に含まれる物質が組織の中に入りやすくなるうえ、入り込んだ物質がとどまる性質があることを発見しました。これを利用して、腫瘍の血管の隙間は通り抜けられるものの、正常な血管の壁は通り抜けられない比較的大きなたんぱく質でできた薬を開発すれば、ピンポイントでがんに作用する新たな治療が可能になります。

    こうした治療法は「ドラッグデリバリー」と呼ばれ、正常な細胞にも作用してしまう従来の抗がん剤治療より副作用を減らせるとして、現在、世界中で研究が進められています。

    前田特任教授は、「30年たって広く世界で評価されるに至り、ありがたいことだと思う。副作用のないがんの薬が1日でも早く開発されるよう願っています」と話しています。
    また、松村分野長は、「選ばれるとは予想していませんでしたが、評価されることは有り難いし研究者冥利(みょうり)に尽きます。患者さんが生活を楽しみながら治療できることを第一に考え、副作用がない薬の開発につなげていきたい」と話しています。
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160921/k10010701861000.html

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  55. そろそろ、「鳥豚人獣共通感染超(スーパー)ウイルス」感染症パンデミック研究のヒトビトにもくれてやってもよいのではないのかな?(笑)。

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  56. 新しい科学者像 ノーベル賞受賞者を囲むフォーラム
    2016年9月27日5時0分
     
    未来 楽しんで追究

     「ノーベル賞受賞者を囲むフォーラム 次世代へのメッセージ」が9月7日、東京都文京区の東京大学安田講堂で開かれた。「新しい科学者像」をテーマに、江崎玲於奈・横浜薬科大学学長(1973年物理学賞)と山中伸弥・京都大学iPS細胞研究所長(2012年生理学・医学賞)が基調講演し、パネルディスカッションを行った。高校生ら約1000人の参加者は、現代に生きる科学者のあるべき姿について、受賞者が語る言葉に熱心に耳を傾けた。

    基調講演

    人生ドラマ 主演は自分…江崎玲於奈 横浜薬科大学学長

    1947年東京帝国大学(現・東京大学)理学部卒。東京通信工業(現ソニー)、米IBMワトソン研究所、筑波大学、芝浦工業大学の学長を経て2006年から現職。1973年、「半導体におけるトンネル効果の実験による発見」でノーベル物理学賞を受賞。98年から茨城県科学技術振興財団理事長。

     人生は、自分が主役を演ずるドラマだと思う。では、だれがそのシナリオを書くのか。成長するまでは親にゆだねられるのが普通だが、大人になったら、自分自身で書き下ろしてほしい。自分の人生は自分で決めるのが原則であり、シナリオは人生の戦略なのだから。

     自分にはどんな才能があるのか、何を得意にしているのか、人生で何をなすべきなのか、天職はあるのか。これらの質問に対して、できるだけ的確な答えを得ること、そして、自分の才能を最大限に発揮できるようなシナリオを書く力を身に付けること、それが教育を受ける最大の目的だと知ってほしい。あとは、シナリオ通りの役を演じられるように努力することが大切だ。努力を続けていれば、きっと幸運の女神がほほ笑んでくれるだろう。

     1945年3月10日の東京大空襲で下町は焼け野原になった。東京帝国大学の学生だった私も下宿を焼け出されたが、翌朝、本郷のキャンパスで物理学の講義を受け、必死にノートをとった。前夜の惨事を忘れて物理の世界に没頭した。

     大学教育の中で、最も刺激を受け、最も価値があると感じたのはドイツのマックス・プランクが基礎を築いた量子力学だった。私は量子力学を何かに応用できないかと考えて、エレクトロニクス企業に就職した。やがて量子力学の知識を生かして、半導体素子「エサキダイオード」を発明した。これが後にノーベル物理学賞受賞につながった。

     米国を講演旅行で回っているとき、有名なベル研究所の入り口に、電話を発明したグラハム・ベルの胸像があった。そこには「時には踏みならされた道をはずれて、森の中へ入ってみなさい。きっと見たことのない新しいものを見いだすに違いない」という言葉が刻まれていた。私は森へ踏み出す決心をした。自分のドラマの舞台を日本から米国へ移したのだ。

     人生を「いかに生きるべきか」という指針をどこに求めたらよいのか。もし明日が今日の延長線上にあるのなら、故ふるきを温めて新しきを知る「温故知新」が成り立つ。しかし、いまの時代は、明日を訪ねて英知を得なければ、サイエンスのブレイクスルー(難関突破)もイノベーション(技術革新)も起こらない。誰よりも早く「明日への扉」を探れば、来たるべき世界に近づくことができる。

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    1. iPS 原点に父の死…山中伸弥 京都大学iPS細胞研究所長

      1987年神戸大学医学部卒。国立大阪病院研修医、米グラッドストーン研究所博士研究員、大阪市立大学助手、奈良先端科学技術大学院大学教授などを経て、2004年に京都大学再生医科学研究所教授、10年から現職。12年、iPS細胞を作製した業績でノーベル生理学・医学賞を受賞。

       私にとって今年は、iPS細胞(人工多能性幹細胞)の技術を初めて報告してから10年を迎える節目の年だ。

       私は、医師になって1年たった頃、当時は治療法がなかったC型肝炎を患った父を亡くし、悔しい思いをした。これを機に、今は治せないが、将来、患者を救いたいと医学研究の道に進んだ。大学院に入り直し、研究者の基礎を学んだ。その後、31歳で米国サンフランシスコにあるグラッドストーン研究所に留学した。

       この時に二つの大切なものに出会った。

       一つは、研究者として成功する秘訣ひけつだと、研究所長から教えてもらった「VW」という言葉だ。Vision(ビジョン)&Hard Work(ハードワーク)の頭文字をとっている。自分の目標を明確に持ち、一生懸命努力しなさいという教えだ。

       二つ目は、ネズミの受精卵から作られたES細胞(胚性幹細胞)だ。ES細胞は、ほぼ無限に増え、脳や心臓など色々な細胞に変わることができる。帰国後の1998年には、米国の研究者が人間のES細胞を作ったという論文を発表した。論文を初めて読んだ時、私はジャンプして喜んだのを覚えている。治療法がない多くの患者をES細胞で救えると思ったからだ。

       とはいえ、受精卵を壊して作るES細胞には反対意見があった。そこで、受精卵を使わずES細胞のような細胞を作り出すことを目標にした。99年、奈良先端科学技術大学院大学で、初めて自分の研究室を持つことができ、目標実現に向けて大きなチャンスを得た。

       研究室の学生たちがハードワークしてくれて、できたのがiPS細胞だった。細胞を受精卵に近い状態までリセットする遺伝子を見つけ、2006年にネズミ、07年に人間の皮膚からiPS細胞を作り出すことに成功した。この研究成果により、12年にはノーベル生理学・医学賞を受賞した。

       iPS細胞の応用は、大きく分けて二つの方向で期待されている。一つは、iPS細胞から元気な細胞を作り、病気やけがの人に移植する再生医療。もう一つはiPS細胞で病気を再現して原因を解明し、進行を抑える創薬の研究だ。

       皆さんも色々な経験をして、自分のビジョンをはっきり持ち、一生懸命頑張ってほしい。私たちも力を合わせてiPS細胞の医療応用を実現させたい。

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    2. パネルディスカッション

      教科書を疑う 科学者の資質

       ――高校生のころ、科学者にどんなイメージを抱いていたか。

       山中 当時は地球科学の大陸移動説に興味があり、関連する本を読んで感動した。真理を追究する科学者の姿にひかれた。

       江崎 学生時代は戦争中だったが、科学技術の力の差で日本は戦争に負けたとさかんに言われた。科学の発展に貢献するのが科学者であり、その道に進みたいと思った。

       ――科学者にはどういう資質が必要か。

       山中 大学院で初めて行った実験で、予想と正反対の結果が出た。ものすごく興奮するとともに、自分の反応に驚いた。自然観察の結果、予想と違ってもがっかりせず、楽しいと感じられる人が向いている。教科書に書いてあることも疑ってかかるような人だ。先生からすれば扱いにくいかもしれないが、それが非常に大切だ。

       江崎 幼い頃、親が蓄音機を購入して初めてレコードがかかった時は印象的だった。発明したトーマス・エジソンのようになりたいと思った。自然の成り立ちや技術の仕組みに感動し、興味を持つことが必要な素質だ。物理・化学と生物学は違うが、数学ができるのは基本条件の一つだと思う。

       ――最近話題にのぼるビッグデータを研究にどう活用しているか。

       山中 患者に移植するiPS細胞の安全性を評価するために、遺伝子の配列をすべて読み取って危険な変異はないかをしらみつぶしに調べるとともに、人工知能の力を借りて、インターネットの情報も調べ上げ、評価に取り入れている。まさにビッグデータを集めている最中だが、情報量が多すぎて、まだ十分に使いこなせていない。

       江崎 21世紀はいろいろなデータを統合する時代。物理学でも使うが、無限の情報を持っている生物体を扱う生命科学で、特にビッグデータが重要になってくる。生命現象を分析するための強力な武器の一つになってくるだろう。

      成果の発信 社会への義務

       ――異分野の融合が研究では重要なのだろうか。

       山中 研究者の仕事は、他の人が考えないユニークな事をいかに思い付くかにかかっている。それが出てくるチャンスの一つが全く違う分野の融合だ。ただ、異分野の人を呼んで「さあ融合しろ」と言っても、うまくいかない。普通におしゃべりしたり、時には一緒にお酒を飲んだりする。自然に集える環境をきちんと作っていくのが大切になる。

       江崎 科学の進歩を考えると、様々な分野がお互いを刺激し合う「クロスファーティリゼーション」が、創造性の触媒のような役目を演ずることが多いと思う。私もつくば市に科学アカデミーを作り、分野の垣根をなくす努力を続けている。

       ――科学者の説明責任をどう考える。

       山中 iPS細胞研究所は毎年40億円以上の税金で支援していただいて研究しており、何を目指しているか、どれだけ成果が出たかなど、常に社会に発信していく義務がある。若い人には創造性の高い研究を自由にやってもらい、社会への発信役は私なり科学コミュニケーターが務める。組織として説明責任を果たすことが大事だと思う。

       江崎 科学の重要性を皆さんに知ってもらい、若い人に知的刺激を与えて次の科学者を育てるのが、科学者の社会貢献だと思う。全員がなすべきだが、ノーベル賞受賞者は特にそれを行うべき立場にあるだろう。

       ――次世代へメッセージを送ってほしい。

       山中 私は、今後の人生をどうやって過ごすかというビジョンが30歳くらいでようやく見えた。10代だと、なかなかはっきりしたビジョンは持てないと思うが、将来、ビジョン探しができたら、人生が楽になる。

       江崎 将来というものは、誰も何もわからないじゃないかと考えがちだが、未来を知りうる唯一の道がサイエンスだ。皆さんが科学研究に励まれることを願っている。

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    3. 質疑応答

      説明能力 どうすれば身に付く?…理解してもらおうと意識する

       ――iPS細胞が実用化されると臓器移植は必要なくなるのか。

       山中 iPS細胞から臓器そのものはまだ作れないので、臓器ではなく細胞を移植して臓器移植の代わりにしたい。次は臓器そのものを何とか作り出し、さらにその先は、患者の体の中で臓器を修復する研究に進んでいくと思う。

       ――もし若返ることができたらどういう研究をしたいか。

       江崎 新分野を開拓するのが科学者の目的だ。私の時代と比べると、生物学の分野が進歩している。例えば、生命科学の一分野であるゲノム科学がある。極端な話では、がんも全快する見込みがだいぶたった。生物学の分野を研究する可能性はあるように思う。

       ――分かりやすい説明能力はどのようにすれば身に付くのか。

       山中 米国に留学した時に上司から言われたのは、研究者にとって実験をするのが半分と、残りの半分はいかにプレゼンテーション(発表)するかということだった。実験も大事だが、理解してもらわなくては意味がない。そういう意識を持つことが大きい。

       江崎 研究成果をどのように発表するかは大変重要だ。私は「エサキダイオード」を、物理学で最も重視される「フィジカル・レビュー」誌に投稿した。(研究業績をわかってもらうには、どこに発表するかも大切で)それがノーベル賞受賞につながった。


      会場の声

        人生のシナリオ考えたい

       お茶の水女子大付属高2年、丹羽佑果さん(17)(横浜市)「知りたいことをどこまでも追究できる物理学が好き。将来、太陽系外惑星を研究したいと思っているので、江崎さんのアドバイスに従って、研究者になるための人生のシナリオをこれから考えていきたい」

        医学研究にも興味

       東京学芸大学付属国際中等教育学校4年、鈴木康平さん(16)(埼玉県所沢市)「医学部進学を考えているが、2人の先生の話を聞き、臨床医療ではなく、研究分野に進みたくなった。これまでにない新しいアイデアによるがん治療を生み出すような研究に携わりたい」

        科学者 身近に感じた

       埼玉県立浦和第一女子高校2年、入江央さん(17)(さいたま市)「山中さんの講演で科学者を目指したきっかけに父親との思い出話があり、科学者を身近に感じた。サイエンスイラストレーターを目指しており、努力して美術と科学をつなぐ懸け橋になりたい」

       主催 読売新聞社

       後援 外務省、文部科学省、NHK

       コーディネーター=佐藤良明・読売新聞東京本社調査研究本部主任研究員

      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20160926-118-OYTPT50367

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  57. 日本人3年連続受賞なるか 3日からノーベル賞発表
    10月2日 19時21分

    ことしのノーベル賞の発表が日本時間の3日から始まります。おととし、去年に続いて、日本人の3年連続の受賞となるか注目されます。

    ノーベル賞は、ダイナマイトを発明したスウェーデンの科学者、アルフレッド・ノーベルの「人類のために最大の貢献をした人に与える」という遺言に基づいて、1901年に始まりました。ことしの受賞者の発表は3日が医学・生理学賞、4日が物理学賞、5日が化学賞、7日が平和賞と続き、10日に経済学賞が発表されます。文学賞の日程は明らかにされていませんが、13日になると見られています。
    去年は、大村智さんが医学・生理学賞を、梶田隆章さんが物理学賞をそれぞれ受賞したほか、おととしも、赤崎勇さん、天野浩さん、中村修二さんの3人が物理学賞を受賞しています。これまでにノーベル賞を受賞した日本人は、アメリカ国籍を取得した人を含めると24人に上っています。
    初日となる医学・生理学賞の発表は日本時間の3日午後6時半ごろの予定で、3年連続の日本人の受賞となるか、注目されます。

    ことしの受賞可能性と今後の懸念

    文部科学省の集計によりますと、ノーベル賞のうち「医学・生理学賞」、「物理学賞」、「化学賞」の自然科学系の3つの賞では、21世紀に入ってからの日本人の受賞者数が15人と、アメリカに次いで2番目となっています。
    この背景について、国内の研究環境に詳しい文部科学省科学技術・学術政策研究所の赤池伸一科学技術予測センター長は、「ノーベル賞は、学術的な成果が出たあと、受賞までは通常、20年ほどはかかる。最近の受賞者は、1980年代から90年代の研究業績で受賞しているが、この時代は大学も企業も基礎研究を重視し、90年代初めには学術論文の数が世界で2位になった。日本の研究が世界に追いつき、独創的な研究を目指していた時期で、その頃の成果がいま実を結んでいる」と分析しています。
    そのうえで、「その頃の研究成果を見ると、材料の研究や医学、薬の原料の研究などで大きな成果を挙げた分野が多く、ことしも受賞する可能性は十分あると思う。ただ、最近は博士課程を目指す学生が減っているので、この先どうなるかが心配だ」と話しています。

    日本科学未来館の予想は

    日本科学未来館がことしのノーベル賞の受賞が予想される研究者に選んだのは、医学・生理学賞と物理学賞、化学賞の3つの賞で合わせて18人、このうち日本人は6人です。

    医学・生理学賞では6人。
    アレルギーを起こす原因や過剰な免疫反応を抑える細胞を発見した、アメリカのラホイヤアレルギー免疫研究所の石坂公成さんと大阪大学の坂口志文さん。生命活動の維持に必要なたんぱく質のうち誤って出来た不良品を見つけて分解する、「小胞体」と呼ばれる器官の仕組みを解明した、京都大学の森和俊さんとアメリカ・カリフォルニア大学のピーター・ウォルターさん。
    さまざまな難病に対する遺伝子治療の方法を開発した、カリフォルニア大学のセオドア・フリードマンさんとフランスの高等教育機関、コレージュ・ド・フランスのアラン・フィッシャーさんです。

    物理学賞は9人です。
    原子核の周りにある電子の動きなどを観測する方法を確立した、カナダ・オタワ大学のポール・コーカムさんとドイツのルードヴィッヒ・マクシミリアン大学ミュンヘンのフェレンツ・クラウスさん。
    次世代コンピュータの開発につながると期待される「量子テレポーテーション」という現象の理論を確立し、実証した、アメリカ・IBMリサーチのチャールズ・ベネットさん、カナダ・モントリオール大学のジル・ブラッサールさん、アメリカ・ウィリアムズ大学のウィリアム・ウーターズさん、東京大学の古澤明さん。
    宇宙空間のゆがみが波となって伝わる現象「重力波」の観測に成功した、カリフォルニア工科大学のキップ・ソーンさんとロナルド・ドレーバーさん、マサチューセッツ工科大学のレイナー・ワイスさんです。

    化学賞は3人です。
    バラバラな分子どうしが自然と結びつく「自己組織化」と呼ばれる性質を利用して、新たな物質を次々と作り出すことに成功した、東京大学の藤田誠さん。
    有害物質の分解などに広く利用されている「光触媒」の実用化の道を開いた、東京理科大学の藤嶋昭さん。
    「再生医療」の実用化への道を切りひらいた、マサチューセッツ工科大学のロバート・ランガーさんです。

    日本科学未来館の予想コーナーが人気

    日本科学未来館では、4年前から医学・生理学、物理、化学の3つの賞についてその年のノーベル賞受賞者を予想していて、3年前には物理学賞でイギリス・エディンバラ大学のピーター・ヒッグス名誉教授ら2人を的中させています。予想をするのは、ふだんは子どもたちなどに最新の科学を紹介している20人余りの「科学コミュニケーター」で、研究分野の注目度や国際的な賞の受賞歴などを参考に、ことしの候補18人を選びました。

    このうち、新人の山内俊幸さんは物理担当。注目したのは、世界で初めて観測に成功した「重力波」、宇宙空間の「ゆがみ」が波となって伝わる現象です。山内さんは、初観測に成功したアメリカの「LIGO重力波観測所」を共同で設立した3人の研究者を候補に選びました。山内さんの役目はそれだけではありません。難しい彼らの業績を、どう分かりやすく伝えるか、トークショーの内容を事前に先輩たちにチェックしてもらいました。先輩たちからは、「余計な説明が多い」、「聞いた人がイメージしやすい説明を心がけるべき」など、厳しいアドバイスも寄せられました。

    そして発表前日となった2日、候補に挙げた研究者を紹介するコーナーには多くの家族連れなどが訪れ、これぞと思う研究者の欄に投票のシールを貼っていました。
    先輩から厳しいアドバイスを受けた山内さんもトークショーの本番を迎え、家族連れを前に、「重力波」とは何かについて図などを使いながら説明しました。話し終えたあと山内さんには次々と質問が寄せられていて、20代の女性は「アインシュタインの宿題を解くってすごいなと思いました。ふだん触れることのない話題なので、勉強になります」と話していました。
    山内さんは「難しい話題なのでとっつきにくいかもしれませんが、うなずきながら聞いてもらえてほっとしました。ノーベル賞をきっかけに、科学に少しでも興味を持ってもらえたらうれしいです」と話していました。
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161002/k10010714831000.html

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  58. 「ノーベル医学賞・反応」
    http://www3.nhk.or.jp/news/word/0000202.html

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    1. ノーベル医学・生理学賞 東工大 大隅良典栄誉教授
      10月3日 18時35分

      ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞者に、細胞が不要になったたんぱく質などを分解する、「オートファジー」と呼ばれる仕組みを解明した東京工業大学栄誉教授の大隅良典さん(71歳)が選ばれました。日本人のノーベル賞受賞は3年連続、アメリカ国籍を取得した人を含めて25人目で、医学・生理学賞の受賞は去年の大村智さんに続き4人目です。

      大隅さんは、福岡市の出身で71歳。昭和42年に東京大学教養学部を卒業したあとアメリカのロックフェラー大学に留学し、愛知県岡崎市にある基礎生物学研究所の教授などを経て、現在は、東京工業大学の栄誉教授を務めています。大隅さんが取り組んだ研究は、細胞が不要なたんぱく質などを分解する「オートファジー」と呼ばれる仕組みの解明です。
      この仕組みは、細胞に核のあるすべての生物が持つもので、細胞の中で正しく機能しなくなったたんぱく質などを、異常を起こす前に取り除く役割や、栄養が足りないときにたんぱく質を分解して新しいたんぱく質やエネルギーを作り出す役割を果たしています。
      大隅さんは、酵母の細胞を使って、「オートファジー」の仕組みの解明に取り組み、平成5年にこの仕組みを制御している遺伝子を世界で初めて発見しました。
      その後も同様の遺伝子を次々と発見してそれぞれが果たしている機能を分析するなど、「オートファジー」の仕組みの全体像を解き明かしてきました。
      パーキンソン病などの神経の病気の一部ではオートファジーの遺伝子が、正常に機能していないことが分かっていて、予防法や治療法の開発につながるのではないかと期待されています。
      大隅さんは、こうした業績が認められて平成18年には日本学士院賞をまた平成24年には京都賞を受賞したほか去年、カナダの世界的な医学賞、「ガードナー国際賞」を受賞しました。
      日本人のノーベル賞受賞は3年連続、アメリカ国籍を取得した人を含めて25人目で、医学・生理学賞の受賞は去年の大村智さんに続き4人目です。

      大隅さんの研究「オートファジー」

      大隅良典さんは、細胞の内部で不要なたんぱく質などを分解する「オートファジー」という仕組みを解明した研究が評価され、ノーベル医学・生理学賞を受賞することになりました。
      「オートファジー」は、「自分を食べる」という意味で細胞に核のあるすべての生物に備わる生命の基本的な仕組みです。
      細胞は栄養が足りない状態になると、生き残るためにみずからの中にあるたんぱく質などをアミノ酸に分解し、新しいたんぱく質の材料やエネルギー源として利用します。古くなったり、傷ついたりして要らなくなったたんぱく質も同じように分解し、再利用していて、こうしたオートファジーの仕組みは、細胞の働きを正常に保つ上で欠かせないものとなっています。
      大隅さんは、昭和47年に東京大学の大学院を出たあとアメリカのロックフェラー大学に留学し、酵母を使って細胞内部の働きを詳細に調べる研究を始めました。そして、昭和63年、東京大学の自分の研究室で顕微鏡をのぞいていたとき、細胞の「液胞」と呼ばれる器官の中で小さなたんぱく質の粒が激しく動く様子を見つけました。
      栄養の足りなくなった酵母が、細胞の成分のたんぱく質などを分解するために液胞に取り込む、オートファジーの様子を捉えた瞬間でした。
      大隅さんは、その後、栄養不足の状態にしてもオートファジーが起きない酵母を人工的に作り、正常な酵母と比較して、オートファジーに必要な遺伝子を次々と特定しました。こうした遺伝子は動物や植物にも共通していることが徐々に明らかになり、オートファジーはヒトを含む、細胞に核のあるすべての生物が持つ生命の基本的な仕組みであることが分かってきました。
      パーキンソン病などの神経の病気の一部ではオートファジーの遺伝子が、正常に機能していないことが分かっていて、予防法や治療法の開発につながるのではないかと期待されています。
      こうしたことからオートファジーの研究を巡っては世界的に激しい競争が続いていて大手調査会社の「トムソン・ロイター」の集計によりますと関係する論文の数は去年1年間だけでおよそ5000本にのぼるということです。
      こうした研究の発端となっているのが大隅さんの発見で、生命科学の分野に大きな影響を与えたことを示しています。

      大隅さん「光栄としか言いようがない」

      ノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった、東京工業大学・栄誉教授の大隅良典さんは、横浜市緑区の東京工業大学の研究室で、報道陣の取材に答え、「私のような基礎的な生物学を続けてきた人間が、このような形で評価していただけることを光栄に思います」と述べました。
      報道陣から「いまのお気持ちは」と問いかけられると、「本当に光栄としか言いようがない」と喜びをあらわしていました。
      また、「若い人には、サイエンスはすべてが成功するわけではないが、チャレンジすることが大切だと伝えたい」と話していました。大隅さんは、外部からの英語の電話に「本当にありがとう。うれしいです」と答えていました。

      母校 喜びに沸く

      ノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった東京工業大学栄誉教授の大隅良典さんの母校、県立福岡高校も喜びにわきました。
      大隅さんが昭和38年に卒業した福岡市博多区の県立福岡高校では、高校時代の同級生や井上拓夫校長ら10数人が集まり発表を待ちました。
      そして受賞が決まったことが伝えられると、皆で拍手をして喜びを分かち合いました。
      このうち大隅さんが部長を務めたこの学校の化学部に所属していた同級生の早川誠而さんは、「本当に感激しています。高校時代からわれわれと比べものにならないくらい優秀な人でした。福岡の誇り、日本の誇りです」と興奮気味に話していました。
      また、井上校長は、「高校始まって以来の快挙でうれしいです。あす早速、全校生徒に報告します」と話していました。

      日本人の3年連続受賞は14年ぶり

      ことしのノーベル賞で、大隅良典さんの医学・生理学賞の受賞が決まったことで、去年の▽医学・生理学賞の大村智さん、▽物理学賞の梶田隆章さんに続いて日本人の受賞は3年連続となりました。アメリカ国籍を取得した人も含めると、日本人が3年連続でノーベル賞を受賞するのは、▽白川英樹さんと▽野依良治さん、▽小柴昌俊さん、▽田中耕一さんが、平成12年から14年にかけて3年連続で受賞して以来、14年ぶり2回目のことです。

      自然科学3賞で日本人の単独受賞は29年ぶり

      ノーベル賞のうち、「医学・生理学賞」、「物理学賞」、「化学賞」の自然科学系の3つの賞を日本人が単独で受賞するのは、昭和24年に日本人で初めてのノーベル賞となる物理学賞を受賞した湯川秀樹さん、昭和62年に日本人で初めて医学・生理学賞を受賞した利根川進さん以来、大隅さんが3人目で、29年ぶりのことになります。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161003/k10010716211000.html

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    2. 大阪大学吉森教授「何もない状態から立ち上げ世界をリード」
      10月3日 19時24分

      愛知県にある基礎生物学研究所で大隅さんのもとで助教授として6年間、一緒に研究した大阪大学大学院の吉森保教授は、「長年苦労してきたのを見てきたので心から喜んでいます。大隅先生は何もない状態から立ち上げ、世界をリードしてきた。並大抵のことではない。賞を取ったことで、私たち同じ分野の研究者だけでなく、基礎生物学をやっているすべての人の励みになります。ことしは日本から出ないと思っていたが、3年連続のノーベル賞受賞は日本の科学がいかに優れているかの証しで、私たち後続も頑張らないといけないと思います」と話しています。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161003/k10010716291000.html

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    3. 受賞理由は「オートファジーの働きの解明」
      10月3日 19時27分

      ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞理由として、選考に当たったスウェーデンのカロリンスカ研究所は、「オートファジーの働きの解明」を挙げています

      受賞理由は「オートファジーの働きの解明」

      カロリンスカ研究所は会見の中で、「オートファジーは、『自分を食べる』という意味の『自食作用』という意味の言葉で、ヒトの体の中にある作用だ。最初、1960年代に観察され、1990年代になってこの作用に関係する遺伝子が次々と発見された。
      そして、このオートファジーと呼ばれる作用がうまく機能しなくなると、老化による病気や糖尿病、それにがんなどにつながることが分かり、新しい治療法の開発につながった」と指摘しました。また会見の中で、担当者は「決定が出てすぐに大隅さんと接触したところ、『ああ~』と非常に驚いて、とても喜んでいました」と、当時の様子を明らかにしました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161003/k10010716331000.html

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    4. 「ベーシックな研究で大輪の花を咲かせた」
      10月3日 19時32分

      大隅さんと25年来の研究仲間で、東京都医学総合研究所の田中啓二所長は「大隅先生はベーシックな研究で大輪の花を咲かせた。日本の科学の力を見せつけた意味で個人的にもうれしいし、日本の科学にとっても朗報だ。大隅さんの研究は、生命とは何かという科学者の興味にしたがって進めた研究で、本当に独創的な研究は応用にも結びつくという典型的な研究だと思う。今度会ったら『一杯飲みましょうか』と言いたいですね」と話していました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161003/k10010716301000.html

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    5. ノーベル賞 大隅さん「この上なく光栄なこと」
      10月3日 19時47分

      ノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった東京工業大学・栄誉教授の大隅良典さんは、3日夜7時から放送された「NHKニュース7」に電話出演し、「この上なく光栄なこと」と、喜びを語りました。

      人がやらないことをやりたいというのが信念

      この中で、大隅さんは、「研究者としてこの上なく光栄なことだと思いました。私たちの体の中では、たんぱく質が作られている分、たんぱく質が壊れています。このことから、私は、細胞の中で『たんぱく質が自分自身を食べて、分解するという現象』に注目しました。人がやらないことをやりたいというのが私の信念でした。私たちの体の中で起きている『分解』という、実はあまり注目されていなかったことが、よくよく考えたら大事だとわかりました。体の中にあると余分なものや、危険なたんぱく質を積極的に壊して、いつも細胞の中をクリーンにしておくことが大事だとわかってきました。そのことが、医学の分野で注目されたのだと思います」と述べました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161003/k10010716401000.html

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    6. 大隅さん受賞 各地で喜びの声
      10月3日 19時50分

      大隅良典さんの地元、福岡市の繁華街、天神では、喜びの声が多く聞かれました。このうち20代の女性は「同じ福岡県の出身者がノーベル賞に選ばれたと聞いてびっくりしました。とてもうれしく思います」と話していました。

      「連続の受賞はすごい」

      日本人の3年連続のノーベル賞受賞に東京・渋谷からは驚きと喜びの声が聞かれました。
      40代の会社員の男性は「スマートフォンで日本人受賞の速報を見て、驚きました。パーキンソン病の治療などに役立つかもしれないと聞きましたが、受賞をきっかけに治療法の開発が進めばよいと思います」と述べていました。
      20代の会社員の女性は「連続の受賞はすごいと思います。同じ日本人としてうれしいです」と話していました。また、大学生の男性は「日本人の研究のレベルの高さを改めて感じます」と話していました。

      「難病治るような研究が進むこと期待」

      3年連続の日本人の受賞に大阪でも喜びの声が聞かれました。大阪・吹田市の女子大学生は「すごいですね。日本人が受賞してとてもうれしいです」と話していました。
      また堺市の20代の男性は、「世界でも役立つ研究を日本人がしたということを誇りに思います」と話していました。
      さらに大阪・生野区の60代の男性は「日本人の持つ能力はすごいですね。難病が治るような研究が進むことを期待します」と話していました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161003/k10010716341000.html

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    7. 大阪大学岸本特任教授「大隅先生が受賞するのは当然」
      10月3日 19時51分

      大隅さんとともに公益財団法人の委員を務める大阪大学の元学長で特任教授の岸本忠三さんは、「生命の根本的な仕組みを解明したという点で、大隅先生がノーベル賞を受賞するのは当然のことだ。去年に続いて日本人にとってはよい選考をしてもらったと思う」と話していました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161003/k10010716371000.html

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    8. 「無邪気な少年みたい 研究に臨む姿勢は厳しく」
      10月3日 20時33分

      大隅良典さんが愛知県岡崎市にある基礎生物学研究所の教授だったときの教え子で、新潟大学大学院医歯学総合研究科の一村義信准教授は「とにかくうれしいです。実験用の氷をふざけて投げてくるなど、無邪気な少年みたいなところがある一方、研究に臨む姿勢は厳しく私もよく怒られました。しかし、非常に穏やかな先生で、学生を抑えつけることはなく自由にのびのびと研究させる方でした。発想が豊かで私たちが思いもつかなかったり見落としたりしていることも気づいて指導してもらい、本当にすごい先生だと思っていました。日本酒が好きなので、ぜひ新潟にも来ていただきたい」と話していました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161003/k10010716471000.html

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    9. 安倍首相 大隅さんに電話で受賞を祝福
      10月3日 21時00分

      安倍総理大臣は3日夜、ノーベル医学・生理学賞の受賞者に選ばれた東京工業大学栄誉教授の大隅良典さんに電話をかけ、「研究の成果は難病に苦しむ方々に光を与え、日本人として誇りに思う」と述べ、祝福しました。

      安倍総理大臣は3日午後8時半ごろ、総理大臣公邸から大隅さんに電話をかけ、「このたびはノーベル賞、誠におめでとうございます。先生の研究の成果は、がんやパーキンソン病など難病に苦しむ方々に光を与えたと思う。日本人として本当に誇りに思う」と述べました。
      そのうえで、安倍総理大臣は「先生は常々、『誰もやっていないことに挑戦する』とおっしゃっているそうだが、そうしたチャレンジする姿勢が受賞につながったのではないか。あとに続く若手研究者たちに大きな励みになる」と述べ、祝福しました。
      さらに、安倍総理大臣は「先生の受賞によって、日本人研究者が3年連続で受賞することになったが、日本が生物学や医療をはじめ、イノベーションで世界をけん引して世界に貢献できることを大変うれしく思う。これからも健康に気をつけ、ますます活躍されることを期待している」と述べました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161003/k10010716561000.html

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    10. 「基礎的な研究が評価され非常に喜ばしい」
      10月3日 20時33分

      大隅さんと20年近く同じ分野の研究をしてきた東京大学大学院教授の水島昇さんは「いつ取ってもおかしくないと思っていたが、まさかことしとは思わなかった。単独受賞で非常に意味がある。特に酵母の基礎的な研究が評価されての受賞で、基礎生命科学をやっている研究者としては非常に喜ばしいニュースだと思います。もう20年近く一緒にやっているが、この分野がこれだけ注目されたことは驚くべきことだと思います。先生は、研究が役に立つかどうかより、生物学的に大事だと思うことを優先していた。いろいろご苦労があったと思うが、本当によかったですねと伝えたい」と喜びを語りました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161003/k10010716431000.html

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    11. 大隅さんが教授務めた「基礎生物学研究所」でも喜び
      10月3日 21時02分

      大隅良典さんは、愛知県岡崎市にある国の研究機関、「基礎生物学研究所」で、平成8年から平成21年まで13年にわたって分子細胞生物学を研究する部門の教授を務めました。

      研究所ではノーベル医学・生理学賞の発表を前に、およそ30人の研究員や学生が会議室に集まり、パソコンやスマートフォンのインターネット中継を見守りました。
      そして、午後6時半すぎに受賞が発表されると、集まった人たちは歓声を上げたり、拍手をしたりして喜んでいました。大隅さんの研究を13年にわたって手伝ったという研究所の技術職員の壁谷幸子さん(49)は「研究室で実験をしていたときに受賞を知りました。いつかは受賞されると思っていましたが、多くの候補者がいる中での受賞なのでとてもうれしいです」と話していました。

      「基礎研究に集中し 徹底して研究」

      「基礎生物学研究所」の山本正幸所長は「大隅先生とは40年近く個人的にも親しい関係であり、大変うれしい。大隅さんは基礎研究に集中し、不思議だと思ったことを取り上げて徹底して研究することを貫いてこられた方だ。受賞して非常によかったと思います」と話していました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161003/k10010716581000.html

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    12. 松野大臣 日本人の3年連続受賞は大きな誇り
      10月3日 21時07分

      大隅さんが、ノーベル医学・生理学賞を受賞したことを受けて、松野文部科学大臣は、記者団に対し、「3年連続での日本人の受賞であり、わが国の学術研究の水準の高さを世界に示すとともに、国民にとっても大きな誇りになる」と述べました。

      そのうえで、松野大臣は、「毎年、受賞が続けばいちばんいいが、文部科学省としては若手研究者の育成や、多様で独創的な挑戦の支援など学術研究の振興を一層図っていきたい。今週はずっと期待をしてお待ちしております」と述べました。このあと松野大臣は、大隅さんに直接電話し「受賞おめでとうございます。今後とも、わが国の学術研究のいっそうの発展にご尽力をいただきたい。文部科学省としても、精いっぱい、応援させていただきたい」と祝福しました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161003/k10010716601000.html

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    13. 大隅さんノーベル賞 新聞が号外で
      10月3日 21時09分

      ことしのノーベル医学・生理学賞に東京工業大学栄誉教授の大隅良典さんが選ばれたことを受けて、東京・新橋では午後7時半から新聞の号外が配られました。

      号外には「大隅氏、ノーベル賞」という大きな見出しとともに、「新陳代謝の仕組みを解明した」などと受賞理由が掲載され、帰宅途中の会社員などが次々と受け取っていました。
      76歳の男性は「ノーベル賞の受賞が決まるまでに大変な努力をされたと思う。医療分野の研究成果はとりわけ人類の健康や福祉のためになるので、同じ日本人としてという意味だけでなく、グローバルに役立つことが誇らしい」と話していました。
      26歳の女性は「また日本人が受賞したと聞いて、びっくりしました。パーキンソン病を患う知り合いがいるので、大隅先生が研究で明らかにした仕組みが治療に役立てばすばらしいことだと思う。若い私たちも見習いたい」と話していました。
      また、50代の男性は「基礎研究から頑張ってこられたと思うので、そうした方の努力が報われるというのはすばらしいことだと思う。さまざまな研究が進み、少しでも病気が治る成果が出ればよいと思う」と話していました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161003/k10010716611000.html

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    14. 大隅さんの受賞 東工大の学生たち喜びの声
      10月3日 21時17分

      東京・目黒区の東京工業大学のキャンパスでは、多くの学生たちが大隅さんの記者会見の様子を大型スクリーンで見守りました。

      1年の男子学生は「おめでとうございます。工業がメインの学校だが、この分野でノーベル賞を受賞したのはすごいと思う」と話していました。
      同じく1年の男子学生は「自分が目指している生命理工学の分野の教授がノーベル賞を受賞したので、すごく感動しています。つい先月講演を受けたばかりで、今後の研究の励みになります」と喜んでいました。
      タイからの留学生は「技術力の優れた日本の大学でノーベル賞受賞者が出たのは本当に驚いています。ぜひ、授業を受けたい」と話していました。
      去年まで北里大学に通い、ことしから東京工業大学の大学院に通う女性は「去年、大村智さんが受賞したのを間近で見て、ことしもノーベル賞受賞者を目の当たりにするなんて、とても貴重な経験になりました。
      自分が授業を受けている先生がいつかノーベル賞を取るのではないかと思うと、今取り組んでいる研究の励みになります。先生のあとに続けるように頑張りたい」と話していました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161003/k10010716631000.html

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    15. 「酵母使った基礎研究を成長させた原動力が評価」
      10月3日 21時22分

      大隅さんと親交があり、同じ細胞の中で起こる現象を研究している京都大学大学院の森和俊教授は「今回の授賞は酵母を使った基礎研究で、この分野を大きく成長させた原動力が評価された。忘れられていた分野をよみがえらせたすばらしい仕事です。去年4月に京都市内で親しいメンバーでお酒を飲んだとき、ノーベル賞を意識していませんかと尋ねたら、笑っていたのを思い出します」と話していました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161003/k10010716641000.html

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    16. 大阪大学野田教授「基礎研究の評価に意義」
      10月3日 21時27分

      ノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった大隅良典さんが、東京大学で立ち上げた研究室に最初に大学院生として入った1人で、大隅さんと共に研究を行ってきた大阪大学の野田健司教授は「心からうれしく、基礎研究が評価さたことに非常に意義があると思う」と喜びを語りました。
      そのうえで、大隅さんが研究室を立ち上げた当時を振り返り、「大隅先生が最初に1人で研究室を立ち上げられたときは本当に地味な研究室で、誰にも見向きもされないなかで細々とやっていた。そのぶん、和気あいあいとやっていたが、このような日が来るとは100%想像できなかった。当時は本当に小さな部屋で、実験で使うビンを買うお金もないぐらいでウイスキーのビンを使ったこともあった」と話していました。野田教授は大隅さんについて、「先生のポリシーは人と同じことをするなということ。科学というのは、新しいことを発見していくことなんだということを身をもって示した。すぐに成果を出さないといけないような昨今の科学に、一石を投じることになったのではないか」と話していました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161003/k10010716681000.html

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    17. 大学の同級生「先見の明に驚かされる」
      10月3日 21時32分

      ノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった大隅良典さんの大学時代の同級生で日立製作所の名誉フェロー、神原秀記さんは「基礎科学科の同級生からノーベル賞学者が出てとても喜んでいます。基礎科学科は生物から物理数学まで幅広い領域をカバーして、これから重要となる境界領域の開拓を目指した学科ですが、生物分野の新たな基本的な領域を大隅さんが開拓し、受賞につながったことは、同級生として大変嬉しく思います。学生のときには、生物分野がこんなに大きく発展するとは思いませんでした。大隅さんはじめ生物を選択した同級生の先見の明には驚かされます。大隅さんに刺激され、元気で意欲的な若い人がどんどん出てくることを願っています」とコメントしています。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161003/k10010716691000.html

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    18. 大隅さんが受賞会見「ノーベル賞には格別の重さ」
      10月3日 21時48分

      ノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった東京工業大学・栄誉教授の大隅良典さんは、東京工業大学の本部がある東京・目黒区の大岡山キャンパスで、3日午後8時すぎから記者会見し、「研究者としては、この上なく名誉なことです。ノーベル賞には格別の重さを感じています」と喜びの気持ちを表しました。

      会見で大隅さんは、今回の受賞につながった研究を始めたいきさつについて、「人がやらないことをやろうという思いから、研究を始めました。強調したいのは、この研究を始めたときに必ず『がん』の研究につながるとか、『寿命』の研究につながると確信して始めたわけではありません。そういうふうに、基礎研究が転換していくんだということを強調しておきたいです」と述べ、自然科学の分野での基礎研究の重要性を強調しました。

      また、「サイエンスは、どこに向かっているのかがわからないところが楽しいのです。『これをやったらよい成果につながります』と言うのは、サイエンスにとってはとても難しいことです。すべての人が成功するわけではありませんが、チャレンジすることが科学の精神であり、その基礎科学を見守ってくれる社会になってくれることを期待したいです」と述べました。

      大隅さんは、妻とも共同で研究を行った時期があったことを明らかにしたうえで、「私はいろんなことに甘えさせてもらって、いい家庭人だったとは思っていませんが、それにもかかわらず支えてくれた妻には感謝というのか、とてもありがたいという気持ちです」と述べました。若い世代へのメッセージを求められた大隅さんは「今、なかなか子どもたちが自分の興味を表現することが難しい時代になっている」と述べたうえで、「『あれっ』と思うことがたくさん世の中にあるので、子どもたちには、そうしたことへの気付きを大切にしてほしいです。分かっている気分になっているが、何も分かっていないことが、生命現象にはたくさんあります。子どもたちには『なんとかなるさ』というくらいの気持ちで、チャレンジしてくれる人が増えることを強く望んでいます。それと同時に、そうした子どもたちを支える社会であってほしいです」と述べました。

      最後に大隅さんは、ノーベル賞の賞金の使い方について、「この年になって豪邸に住みたいわけでもありません。若い人たちの研究をサポートができるようなシステムができればいいと思います。私が生きている間に、一歩が踏み出せればいいなと思っています」と述べました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161003/k10010716721000.html

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    19. iPSの山中教授「先駆的研究に敬意」
      10月3日 22時00分

      大隅良典さんの受賞について、iPS細胞の開発で4年前にノーベル医学・生理学賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授は、「オートファジーに関する先駆的な研究に対して、非常に深い尊敬の念を抱いております。今回の受賞を心よりお喜び申し上げます」というコメントを発表しました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161003/k10010716731000.html

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    20. 大隅さんの妻 萬里子さん「興味持ったらほかのことかまわず」
      10月3日 22時20分

      大隅さんの妻、萬里子さんは、3日夜9時から放送されたNHKの番組、『ニュースウオッチ9』に、神奈川県大磯町の自宅から生中継で出演しました。この中で、萬里子さんは、大隅さんの受賞について、「非常に光栄に思います」と話し、「主人は好奇心がおう盛で、自分が興味を持ったらほかのことは全然かまわず、研究を続けてきました」とこれまでの大隅さんの研究人生を振り返りました。

      大隅さんの家庭での様子については、「外ではかなり緊張して仕事をしているので、家ではリラックスしています。庭仕事が好きで草をむしったり土をいじったりしています」と明かしました。そして、大隅さんへのメッセージを求められると、「おめでとうと声をかけたいです。最後までオートファジーの研究を続けたいと話しているので、健康に気を付けて続けてほしい思います」と話していました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161003/k10010716791000.html

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    21. ノーベル賞の大隅さん 一夜明け「実感あまりない」
      10月4日 8時10分

      ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞者に選ばれた東京工業大学栄誉教授の大隅良典さんは、受賞の知らせから一夜が明けた4日朝、東京・目黒区にある東京工業大学で取材に応じ、改めて心境を語りました。

      受賞決定から一夜明けた今の気持ちについて、大隅さんは「まだきのうの延長という感じで受賞の実感はあまりありません。携帯電話を開いてみたら延々とメールが入っていて、いつゆっくり見られるだろうと思っています。研究室のメンバーはきのうビールで乾杯していたそうで、いいな、私も入りたいなと思いました」と話していました。

      また、受賞をきっかけに、研究テーマの「オートファジー」という言葉が世間に広く知られることになったことについては、「研究を始めたころは、オートファジーというと、『それは何だ』と必ず説明をしなければならず、ある雑誌の取材で、ファジーという言葉が当時流行していた洗濯機の名前と似ていて紛らわしいと言われたことを今でも覚えている。私たちの体にオートファジーと呼ばれる分解作用が備わっていることを知ってもらえたらうれしい」と話していました。

      大隅さんは、4日午前11時から横浜市にある東京工業大学のすずかけ台キャンパスで、妻の萬里子さんと一緒に記者会見を行う予定です。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161004/k10010717011000.html

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    22. ノーベル賞受賞を祝福 大隅さんの母校では報告会 福岡
      10月4日 11時55分

      ノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった東京工業大学栄誉教授の大隅良典さんの母校、県立福岡高校では4日、全校生徒を集めて報告会が行われ、大隅さんの受賞決定を祝福しました。

      大隅さんが昭和38年に卒業した福岡市博多区の県立福岡高校では、4日朝、全校生徒およそ1200人が体育館に集まり、井上拓夫校長が、大隅さんのノーベル医学・生理学賞の受賞決定を報告しました。この中で、井上校長は「私たちの大先輩がノーベル賞を受賞することになったのは大変名誉なことで誇りに思う。生徒諸君も大先輩の生きてきた過程を今後の生きる指針にして夢に向かってまい進してほしい」と述べました。
      続いて生徒を代表して、3年生の山野智寛さんが「偉大な先輩に続いて、自分たちも社会に貢献し、世の中にある『なぜ』を解決できるような人間になりたいです」と述べました。
      最後に、応援団のリードに合わせて全校生徒でエールを送って大隅さんの受賞決定を祝福しました。

      大隅さんが高校在学時、在籍していた化学部の現在の部長の2年生の高橋和宙さんは「先輩の受賞は私たちにとっても励みになります。先輩の研究に対する姿勢を見習って頑張っていきたいです」と話していました。
      県立福岡高校は来年、創立100年を迎えるのに合わせて大隅さんの記念講演を行う予定です。

      母校の中学校でも喜び

      大隅さんが卒業した福岡市の中学校でも喜びの声が聞かれました。大隅さんが昭和35年に卒業した当時の香椎中学校、現在の福岡市東区の市立香椎第1中学校には、当時の卒業アルバムが保管されていました。
      アルバムには、詰め襟の学生服に丸刈りで同級生とともに撮った集合写真や寄せ書きなどが載っています。ことし学校創立70年を迎えるのに合わせて校内の資料を整理していて、たまたま見つかったものだということです。
      長安智子校長は「本当にうれしいです。本校から、そういうすばらしい方が出られたというのは誇りに思うし、子どもたちに夢や希望を与えていただいて本当に感謝しています」と話していました。

      ふるさとでも祝福の声

      大隅さんが受賞者に選ばれてから一夜が明け、出身地の福岡市では、通勤や通学途中の人たちからも、改めて受賞決定をたたえる声が聞かれました。
      福岡市内の会社に出勤するという66歳の男性会社員は、「定年後も働いている私にも勇気を与えてくれました。若い世代や研究者たちの励みにもなるのではないでしょうか」と話していました。
      九州大学に通う4年生の女子学生は、「研究は、先が見えない作業なのに、地道に続けていき、見つかるか分からないものを探求していった姿に感銘を受けました。私のように大学で学んだり、研究したりする人たちにも希望を与えると思います」と話していました。
      福岡市内の高校に通う3年生の女子生徒は、「同じ福岡市出身なので誇らしく思うと同時に、私は今、受験生なので勉強を頑張ろうという意欲がわきました」と話していました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161004/k10010717141000.html

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    23. 「オートファジー」成果活用 米国でがん治療薬の臨床試験
      10月4日 12時06分

      ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞者に選ばれた大隅良典さんが仕組みを解明した「オートファジー」の研究成果を生かして、アメリカの大学では、がんの治療をめざして、患者に実際に薬を投与する臨床試験が行われています。

      アメリカ・フィラデルフィアにあるペンシルベニア大学では、大隅さんが解明した、細胞が不要なたんぱく質などを分解する「オートファジー」の研究成果を生かして、がんの治療をめざした研究が10年以上前から進められています。

      一部の種類のがんでは、オートファジーの働きでがん細胞が細胞内のたんぱく質を分解することで、生き延びていますが、マラリアの治療薬として使われてきた薬を投与すると、オートファジーの働きが妨げられることがわかってきていて、研究グループでは、この薬をがんの治療薬とともに患者に投与する臨床試験をおよそ8年前から行ってきました。
      これまでに500人ほどの患者が投与を受け、とくにメラノーマという皮膚がんの一種の患者では、肺に転移したがんや、脳や肝臓に転移したがんが小さくなったケースも報告されているということです。

      研究グループは、さらに多くの患者で確かめる必要があるとしていますが、将来の治療に向けて効果が期待できるとしています。
      臨床試験を進めているラビ・アマラバディ准教授は、「大隅さんの研究を基にして新しいがん治療の可能性が出てきました。ノーベル賞をきっかけにオートファジーを生かしたさまざまな病気の治療開発が進んでほしい」と話しています。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161004/k10010717171000.html

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    24. 首相「受賞は日本人の誇り」 独創的な研究支援する考え
      10月4日 12時34分

      ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞者に東京工業大学栄誉教授の大隅良典さんが選ばれたことについて、安倍総理大臣は、午前の衆議院予算委員会で、「大隅良典先生の研究成果は、難病に苦しむ世界中の人々に希望を与えるものであり、日本人として本当に誇りに思う」と述べ、独創的で多様な研究を支援していく考えを示しました。

      この中で、安倍総理大臣は、「大隅良典先生の研究成果は、がんやパーキンソン病など、難病に苦しむ世界中の人々に希望を与えるものであり、日本人として本当に誇りに思う。あとに続く若手研究者たちへの大きな励みになるのではないか」と述べました。
      そのうえで、安倍総理大臣は、「日本人研究者が3年連続で受賞することになるが、日本が生物学をはじめイノベーションで世界をけん引し、世界に貢献できることを本当に嬉しく思う。政府として、あらゆる分野でイノベーションを起こし続けることを目指し、独創的で多様な研究をしっかり支援していくとともに、研究を担う人材育成に力を入れていきたい」と述べました。

      文科相「研究現場の声を聞き支援したい」

      松野文部科学大臣は、閣議の後の記者会見で、「21世紀以降、わが国の自然科学系3分野のノーベル賞受賞者は16人と、アメリカに次いで世界第2位だ。わが国の科学技術レベルと層の厚さを世界に示した」と述べ、改めて、大隅さんのノーベル賞受賞を祝福しました。そのうえで、松野大臣は、「科学技術は、今後の日本の繁栄と安全に対して極めて重要な要素であり、国からのさまざまな補助・サポートについては、研究現場の声をなるべくお聞きしながら設計を進めたい」と述べました。

      科学技術担当相「人材育成など関係府省をリードしたい」

      鶴保科学技術担当大臣は、会見で、「今後、優れた人材の育成や確保、基礎研究の推進に向けた大学などの改革、さらには研究成果の社会への展開の促進などについて、関係府省をリードして進めていきたい。どのような研究や環境が最もノーベル賞に結びついているか検証し、問題点を洗い出す。過去の論文の引用本数などを踏まえて検証したい」と述べました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161004/k10010717251000.html

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    25. 大隅さんが夫婦そろって会見 改めて受賞の喜び語る
      10月4日 12時14分

      ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞者に選ばれた、東京工業大学栄誉教授の大隅良典さんが、受賞決定から一夜明けた4日、妻の萬里子さんとともに記者会見し、受賞の喜びを語りました。

      日本人として4人目のノーベル医学・生理学賞の受賞が決定した東京工業大学栄誉教授の大隅良典さんは、受賞決定から一夜明けた4日午前、横浜市にある東京工業大学のすずかけ台キャンパスで妻の萬里子さんとともに記者会見を行いました。

      会見で大隅さんは、いまの気持ちを聞かれると、「まだ実感がわかないのが正直なところです。自宅で酒を飲んだら実感がわくのかなと思う」と話していました。また、妻の萬里子さんは、電話で受賞を知らされた時の様子を語り、「夫はいつも私をからかったりするので、『ノーベル賞を受賞した』と聞いたときも、またうそかと思い、『うそ?』と確認した」と話し、会場の笑いを誘っていました。
      また、大隅さんは、「研究者にとって今回の受賞はこの上ない光栄です。私たちが進めてきた研究はたくさんの仲間が支えてくれた結果で、すばらしい友人や研究者に恵まれたことを感謝したい」と、これまで長年研究をともにしてきた仲間への感謝の思いを語っていました。

      大隅さんは、12月10日にスウェーデンのストックホルムで開かれる授賞式に夫婦そろって出席する予定です。

      妻の萬里子さん「『よい加減』の関係」

      大隅さんは、東京大学大学院の学生の時に同じ研究室の後輩の萬里子さんと知り合い、結婚しました。
      大隅さんは萬里子さんについて、「妻とは運命の出会いだとしかいいようがない。これまで一度も深刻な対立がない。互いにいいかげんなところがあり、なんとなく認め合っているという感じだ。空気のような存在で、妻としても息子たちの母としても支えてくれている」と話していました。
      また、萬里子さんは、「夫は穏やかでニコニコしているので、一緒にいて心が落ち着くところがある。いいかげんで困るところもあるが、私の話に耳をかさないので、『いいかげん』ではなく、『よい加減』だと思うことにしている」と話していました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161004/k10010717201000.html

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    26. 同級生たちが振り返る 大隅さんの高校時代
      10月4日 17時04分

      ことしのノーベル医学・生理学賞に選ばれた東京工業大学栄誉教授の大隅良典さんの母校、県立福岡高校の同級生たちが、4日、学校に集まり、当時の思い出話に花を咲かせました。

      大隅さんは昭和38年までの3年間、福岡市博多区の県立福岡高校に通い、化学部の部長を務めていました。
      4日は、およそ50年前の高校時代の同級生4人が学校に集まりました。そして、卒業アルバムの写真などを見ながら、化学部のクラブ活動の拠点となっている実験室で、当時の思い出話に花を咲かせました。
      このうち同じ化学部に所属していた山口大学名誉教授の早川誠而さんは「大隅さんが部長の時代には、液体の電気伝導度を測る実験を行って福岡県の代表として賞をもらったことがあります。とにかく頭がよく、成績はいつもトップでしたが、人づきあいもよい人でした。部長として一人一人の適材適所を考えて役割を与え、みんなで一緒になってワイワイ言いながら活動していました。化学を学ぶ楽しさを、私もここで身につけた気がします」と話していました。
      また、同じ化学部に所属していた中原房子さんは「成績はいつもトップだったので、遠い存在として見ていました。化学をともに学べたことを誇りに思います」と話していました。
      小学校から高校まで大隅さんと同じ学校に通った藤本顕憲さんは「聡明(そうめい)な感じはありましたが、勉強していることを全く感じさせませんでした。ノーベル賞も、彼なら取るかもしれないと、みんなが思っていました。彼の命の根幹に触れる基礎的な研究は、日本の国立大学の本来の仕事だと思います。それを思い出させてくれたのは非常に大きな功績です」と話していました。

      聡明さとユーモア 少年時代から

      大隅良典さんは、小学校の時から同級生に一目置かれる存在でした。小学校から高校まで同じ学校に通った同級生によりますと、大隅さんは負けず嫌いで、同級生が知らないところで努力するタイプだったということです。
      また、小学6年生の時には、友だちどうしが冗談交じりに「接吻(せっぷん)」という漢字を知っているかどうか話していたところ、その場に居合わせた大隅さんが、黒板に、「接吻」という漢字をすらすらと書いて同級生を驚かせたことがあり、少年のころから、聡明(そうめい)さとユーモアを併せ持った人だったということです。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161004/k10010717571000.html

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    27. 東工大にノーベル賞受賞を祝う看板設置
      10月4日 17時18分

      ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞者に選ばれた大隅良典さんが栄誉教授を務める東京工業大学では4日、キャンパスの正門に受賞を祝う看板が設置されました。

      東京・目黒区にある東京工業大学の大岡山キャンパスの正門には、大学の栄誉教授を務める大隅良典さんのノーベル医学・生理学賞の受賞決定を祝う高さ3メートルほどの看板が設置され、学生や近所に住む人が、カメラや携帯電話で記念撮影する姿が見られました。
      大学によりますと、東京工業大学に在籍中の教授が、ノーベル賞を受賞するのは、創立135年の歴史の中で初めてだということです。
      看板を設置した大学の男性職員は、「きょうになって急きょ、看板を設置することになりました。大学としてもノーベル賞の受賞者が出て本当に誇らしい」と話していました。
      また、地元に住む55歳の女性は、「今回の受賞で、学生たちが刺激され、町としても一段と活気づくと思います」と話していました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161004/k10010717611000.html

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    28. 大隅さんの50年来の友人の研究者も祝福
      10月4日 17時37分

      ことしのノーベル医学・生理学賞に選ばれた東京工業大学栄誉教授の大隅良典さんと、大学生のころから50年来の親交があるという北海道大学名誉教授の五十嵐靖之さんは、「大隅さんは、小さな研究室でお金をかけず苦労しながらこつこつと研究してきたので、その成果が日の目を見てよかった」と祝福していました。

      大隅良典さんと50年来の親交があるという北海道大学名誉教授の五十嵐靖之さんは、「友人として、とてもうれしい。大隅さんは、小さな研究室でお金をかけず苦労しながら、こつこつと研究してきたのでその成果が日の目を見てよかった。奥さんとゆっくり喜んでもらいたい」と祝福していました。
      五十嵐さんは、大隅さんと東京大学の学生時代の同期で、いまも家族ぐるみのつきあいがあり、一緒にお酒を飲んだり温泉旅行に行ったりする仲だということです。ことし6月にも東京都内で大隅さんと会ったということで、「彼はノーベル賞にあまり興味がなさそうだったが、『自分が受賞することで基礎研究に光が当たり、若い人たちがもっと科学の分野に飛び込んできてもらいたい』と語っていた」と話していました。
      五十嵐さん自身もアルツハイマー病の治療方法を探る研究を進めているということで、「さまざまな病気にオートファジーが関わっている可能性があり、彼の解明したことが多くの研究者のヒントになっていると思う。いずれ新薬の開発につながるかもしれない」と、今後の研究の広がりに期待を寄せていました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161004/k10010717671000.html

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    29. 大隅さんの功績の影に 女性研究者の支え
      10月4日 17時42分

      ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった大隅良典さんが、授賞理由となった「オートファジー」という細胞の仕組みを発見したのは、昭和63年のことでした。この功績の影には、1人の女性研究者の支えがありました。

      「オートファジー」は、細胞が不要なたんぱく質などを分解し、エネルギー源などとして再利用する仕組みですが、通常の顕微鏡では詳細に捉えることができず、詳しい仕組みはなかなか解明できませんでした。
      そうした中、昭和63年、当時は東京大学にあった大隅さんの研究室に参加したのが、別の大学の研究生で、酵母の細胞をそのままの姿で観察できる電子顕微鏡の高い技術を持っていた馬場美鈴さん(62)でした。

      馬場さんは、大隅さんとともに酵母の細胞内部の動きを電子顕微鏡で調べ、「液胞」と呼ばれる器官の中にみずからの細胞の一部が取り込まれる様子を撮影することに成功しました。これが、「オートファジー」の様子を捉えた瞬間でした。馬場さんは、この成果を伝える大隅さんの論文に共同執筆者として名前を連ね、その後も大隅さんとともに酵母の細胞を観察し続けました。

      現在、東京・八王子市にある工学院大学で学生の指導などにあたっている馬場さんは、大隅さんの研究姿勢について、「当時はたんぱく質の合成についての研究が流行っていたが、周りにつられず、たんぱく質の分解に関する自分の研究を続けていた」と話していました。
      また、大隅さんの当時の指導について、「学生たちの研究を決して否定することはなく、自由な発想を大切にするおおらかな人柄だった」と振り返っていました。
      そして、今回の受賞決定について、「大隅先生と一緒に研究ができたことをありがたく思う。長年の研究の成果が出たことをおめでとうと伝えたい。基礎研究に力を入れるという先生の考えが今回の受賞を機に広がればうれしい」と喜びを語りました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161004/k10010717651000.html

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    30. 「オートファジー」 その驚きの仕組みとは
      10月4日 18時10分

      ノーベル医学・生理学賞の受賞者に選ばれた東京工業大学栄誉教授の大隅良典さん(71)が解明した「オートファジー」。 私たちが生命活動を維持する上で欠かせない細胞のたんぱく質をリサイクルするという、この驚きの仕組みについて、詳しく解説します。

      30兆個以上の細胞からつくられる私たちの体。その細胞ひとつひとつが、生命活動を維持する上で、欠かせないのがたんぱく質です。その数、2万種類以上と言われ、体のさまざまな組織や臓器を形づくっています。
      このたんぱく質のうち、不要になったものを分解し、必要なものに作り替える、いわば、リサイクルの仕組みが「オートファジー」です。不要なものは、膜に包み込み、酵素を注入します。すると、あたかも食べたものが胃の中で消化されるように分解されるのです。
      分解されたたんぱく質はリサイクルされ、新しくたんぱく質を造るための材料になります。私たちが一定期間食事をとらなくても生きていけるのは、このオートファジーがあるからだとされています。

      生まれたばかりの赤ちゃんを支えているのも、このオートファジーです。胎盤を介して母親から栄養を得ていた赤ちゃんが産まれてからミルクを飲めるようになるまでの間、栄養不足にならないのはオートファジーの仕組みで栄養を補っているからだとみられています。
      オートファジーの働きを抑えた新生児のマウスは、通常のマウスに比べて栄養不足が激しく、寿命も短かいことが実験で確認されたということです。

      一方、何らかの原因で、このオートファジーがうまく働かなくなると不要なたんぱく質が細胞の中にどんどんたまっていってしまいます。アルツハイマー病やパーキンソン病などは、神経細胞の中に蓄積した、こうしたたんぱく質によって引き起こされているのではないかと考えられています。
      また、年齢を重ねることで老化によってオートファジーの働きが弱まり、これが、がんや糖尿病などさまざまな病気と関係しているのではないかとも考えられています。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161004/k10010717731000.html

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    31. 「オートファジー」 その驚きの仕組みとは
      10月4日 18時10分

      ノーベル医学・生理学賞の受賞者に選ばれた東京工業大学栄誉教授の大隅良典さん(71)が解明した「オートファジー」。 私たちが生命活動を維持する上で欠かせない細胞のたんぱく質をリサイクルするという、この驚きの仕組みについて、詳しく解説します。

      30兆個以上の細胞からつくられる私たちの体。その細胞ひとつひとつが、生命活動を維持する上で、欠かせないのがたんぱく質です。その数、2万種類以上と言われ、体のさまざまな組織や臓器を形づくっています。
      このたんぱく質のうち、不要になったものを分解し、必要なものに作り替える、いわば、リサイクルの仕組みが「オートファジー」です。不要なものは、膜に包み込み、酵素を注入します。すると、あたかも食べたものが胃の中で消化されるように分解されるのです。
      分解されたたんぱく質はリサイクルされ、新しくたんぱく質を造るための材料になります。私たちが一定期間食事をとらなくても生きていけるのは、このオートファジーがあるからだとされています。

      生まれたばかりの赤ちゃんを支えているのも、このオートファジーです。胎盤を介して母親から栄養を得ていた赤ちゃんが産まれてからミルクを飲めるようになるまでの間、栄養不足にならないのはオートファジーの仕組みで栄養を補っているからだとみられています。
      オートファジーの働きを抑えた新生児のマウスは、通常のマウスに比べて栄養不足が激しく、寿命も短かいことが実験で確認されたということです。

      一方、何らかの原因で、このオートファジーがうまく働かなくなると不要なたんぱく質が細胞の中にどんどんたまっていってしまいます。アルツハイマー病やパーキンソン病などは、神経細胞の中に蓄積した、こうしたたんぱく質によって引き起こされているのではないかと考えられています。
      また、年齢を重ねることで老化によってオートファジーの働きが弱まり、これが、がんや糖尿病などさまざまな病気と関係しているのではないかとも考えられています。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161004/k10010717731000.html

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    32. 「オートファジー」 日本でも病気治療への応用研究進む
      10月4日 18時21分

      ノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった大隅良典さんが研究する「オートファジー」は、ヒトのさまざまな病気に関係していることが明らかになってきています。かつて大隅さんのもとで研究を行い、現在は大阪大学大学院教授の吉森保さんは、「日本はこの分野で世界をリードしているので今後、医療への応用につなげていけるよう、さらに研究を進めたい」と話しています。

      大阪大学大学院の吉森保教授(58)は、平成8年にドイツ留学から帰国した際、大隅さんからの誘いを受けて愛知県の基礎生物学研究所で助教授として6年間、一緒にオートファジーの研究を行い、数々の成果をあげてきました。
      その後、吉森さんは大阪大学に移って研究を続け、去年、学内に新たな研究スペース「オートファジーセンター」を立ち上げました。ここでは臨床の医師と基礎の研究者がお互いのノウハウや知識を共有しながら病気のメカニズムの解明や新たな治療法の開発に取り組んでいます。
      そうした病気の1つが肝臓に脂肪がたまる「脂肪肝」です。吉森さんたちは、通常のマウスと、オートファジーを人工的に強く働かせたマウスに脂肪を大量に含んだエサを与え、肝臓の状態を調べました。その結果、通常のマウスは肝臓が大きく膨らみ細胞の間に脂肪がたまって脂肪肝になりましたが、オートファジーを強く働かせたマウスでは同じエサを与えても、肝臓は正常な大きさで、脂肪もたまりませんでした。吉森さんたちは、脂肪の多い食事をとりすぎると、オートファジーの働きを抑えるたんぱく質が増え、余分な脂肪が分解されなくなることが脂肪肝の原因ではないかと考えています。今後、オートファジーの働きを調節することができるようになれば、脂肪肝をはじめ多くの病気の治療につながると期待しています。
      吉森さんは「大隅先生のノーベル賞受賞で世界中で研究が進んでいくと思います。日本はこの分野で世界をリードしているので、基礎だけにとどまるのではなく、病気のメカニズムの解明や治療など医療への応用につなげていけるよう、さらに身を引き締めて研究を続けていきたいです」と話していました。
      http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161004/k10010717751000.html

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  59. ノーベル医学・生理学賞に大隅良典さんニュース特設
    http://www3.nhk.or.jp/news/special/nobelprize2016/winner_medicine.html

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  60. マクロファージはわかるけど、オートファージはワカンナイ…

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  61. 大隅良典さんにノーベル賞…「細胞自食作用」で
    2016年10月3日20時32分

     スウェーデンのカロリンスカ研究所は3日、2016年のノーベル生理学・医学賞を、細胞が自らたんぱく質などを分解してリサイクル(再利用)する「細胞自食作用(オートファジー)」の仕組みを見つけた東京工業大の大隅良典栄誉教授(71)に授与すると発表した。

     酵母から人間まで共通する細胞内の根源的な生命現象を遺伝子レベルで明らかにし、がんや神経疾患の治療研究に道を開いたことが評価された。

     日本のノーベル賞受賞は25人目。一昨年の赤崎勇・名城大終身教授、天野浩・名古屋大教授、中村修二・米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授の3氏、昨年の大村智・北里大特別栄誉教授と梶田隆章・東京大教授に続く3年連続の受賞となる。生理学・医学賞では、1987年の利根川進・米マサチューセッツ工科大教授、2012年の山中伸弥・京都大教授、昨年の大村氏に次いで4人目だ。

     大隅氏は単独受賞で、自然科学3賞では、1949年に初めてノーベル賞を受賞した湯川秀樹氏、利根川氏に続いて日本人で3人目となる。

     授賞理由は「細胞自食作用(オートファジー)のメカニズムの発見」。オートファジーは、細胞が必要な栄養を得るため自らの体の一部を分解する現象だ。

     動物細胞の場合、細胞内に現れた膜が、分解酵素を含んだ器官「リソソーム」と融合し、不要なたんぱく質を分解して再利用する。このオートファジーがうまく働かないと、受精卵は正常に成長できない。また、細胞内に異常なたんぱく質がたまって、パーキンソン病などの神経疾患につながることも分かり始めている。

     がん細胞ではオートファジーが活発になっている。このため、オートファジーを阻害すれば、がんを抑えられる可能性があり、海外では臨床試験も行われている。大隅氏の業績は、こうした病気の新しい治療法開発の土台になる。

     大隅氏は東大助教授だった1988年、酵母を使った実験で、細胞内にある袋状の小器官の「液胞」に、たんぱく質が取り込まれて分解される現象を顕微鏡で発見し、オートファジーの仕組みを解明した。オートファジーのかぎとなる遺伝子を特定し93年に発表した。

     カロリンスカ研究所は授賞理由で「細胞がその中身をどうリサイクルするかについて、新しいパラダイム(枠組み)を導いた」と評価した。

     賞金800万スウェーデン・クローナ(約9500万円)が贈られる。授賞式は、ノーベル賞の創設者アルフレッド・ノーベルの命日にあたる12月10日、ストックホルムで行われる。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20161003-118-OYT1T50105

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    1. 大隅さんの妻「ずぼらで適当なのにどうして…」
      2016年10月3日22時41分

       大隅さんのノーベル生理学・医学賞の受賞決定を、家族や同級生らゆかりの人も祝福した。

       「想像できないくらい驚いています」。神奈川県大磯町の自宅にいた妻の万里子さん(69)は、この日午後6時半過ぎ、テレビのニュース速報で大隅さんの受賞決定を知り、満面の笑みを見せた。

       万里子さんは東京都立大(現・首都大学東京)を卒業後、東大大学院へと進み、同じ研究室で大隅さんと知り合った。2年後に学生結婚。2人の子に恵まれたが、子育てをほとんど万里子さんに任せ、自身は研究室にこもりっきりだったという。「忙しくて仕方なかった面もあるが、それにしても子育てには関わらなかった」と振り返る。

       「夫はいいかげんで不思議な人。ずぼらで適当なのに、どうして実験がうまくいくのか、不思議で仕方なかった。私の方がよっぽどきちんとしているのに」とおどけてみせた。

       大隅さんが研究の道を進むきっかけの一つとなったのが、幼い頃、長兄で東京女子大名誉教授の和雄さん(83)が贈った本の数々。「電磁気学の父」と呼ばれる英国の科学者マイケル・ファラデーなどの著書に触れ、科学への関心を高めていった。

       和雄さんは「何年も候補に挙がっていたが、私が生きている間に受賞できて良かった」としみじみ語り、「(大隅さんが)兄から贈られた本に影響を受けたと言ってくれているようだ。私にも本の選択眼があったのかもしれませんね」と喜んだ。

       この日、大隅さんが卒業した福岡県立福岡高校(福岡市)の同級生らは母校に集まり、インターネット中継でノーベル賞の発表を見守った。

       当時、化学部でともに活動した山口大名誉教授の早川誠而せいじさん(72)は「同級生がノーベル賞とは夢にも思わなかった。鳥肌が立った」と興奮した様子。

       千葉県習志野市の自宅で受賞決定を知った同級生の一人、得田悟朗さん(72)によると、大隅さんは高校時代、エタノールと蒸留水を混ぜて酒を造ろうとしたり、爆発の危険を伴う実験を繰り返したりするなど、やんちゃな一面も持ち合わせていた。

       卒業後、同窓会で部員が集まった際には、「失敗したら、学校はなくなっていたかもな」と笑い合った。得田さんは「人のしないことをするという信念の結果。友人として誇りに思う」と感慨深げだった。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20161003-118-OYT1T50126

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    2. 大隅さんノーベル賞 大学の誇り =東京23区プラス
      2016年10月4日5時0分

      ◆東工大で学生ら祝福

       日本人として3年連続のノーベル賞に輝いた生理学・医学賞受賞の東京工業大栄誉教授、大隅良典さん(71)。記者会見が行われた目黒区の同大大岡山キャンパスでは、大勢の学生らが祝福に集まり、職員らもマスコミ対応などに追われた。

       3日午後8時過ぎ、大隅さんがキャンパスに到着すると、入り口に待ちかまえた学生らが盛大な拍手で迎えた。

       記者会見が行われた百年記念館では、大学側が1階ホールを開放し、記者会見の様子をスクリーンで生中継した。ホールでは、研究室やサークル活動の部屋から駆けつけてきた学生約50人が中継を見守った。

       研究室でニュースを聞き、白衣姿のまま集まった同大大学院修士1年の清水太朗さん(23)は、大隅さんがキャンパスに姿を現すと、拍手とともに「おめでとうございます」と大きな声を掛けた。「研究を通じて社会に貢献する大隅先生の姿勢を尊敬し、憧れている」と息を弾ませた。

       大隅さんの講義を受けた経験がある同大1年、小沢琢人さん(18)は「オートファジーの研究を分かりやすく解説してくれた。新しいことを探しつづける熱意をひしひしと感じた。自分も大隅先生のような研究者の道に進みたい」と話した。

       職員らは、詰めかけた100人以上の報道陣の対応に追われ、大わらわとなった。同大によると、大隅さんは7日には、同大関連の式典で講演する予定が入っている。広報担当者は「現段階では講演以外の予定は決まっていないが、この受賞を機に、多くの人に大隅栄誉教授の研究を知ってもらいたい」と話している。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20161004-119-OYTNT50048

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    3. ノーベル賞 県民の誇り…大隅さんの地元沸く =神奈川
      2016年10月4日5時0分

       「県民の誇り」「子供たちに大きな夢を与えてくれた」――。大磯町在住で東京工業大栄誉教授の大隅良典さん(71)が3日、ノーベル生理学・医学賞に選ばれた。地元町民や横浜市緑区の同大キャンパスは歓喜に包まれ、関係者から祝福の声が相次いだ。

       ■自宅

       妻の万里子さん(69)はJR大磯駅近くの自宅で吉報を受けた。万里子さんは自宅に寄せられる祝福にお礼を述べながら、「夫は年内いっぱい、スケジュールが詰まっており、ノーベル賞の授賞式の日程調整が大変なことになった。夫の健康が心配です」と気遣った。

       受賞決定の知らせを受け、近所の元東工大教授の丸茂文幸さん(85)、冨佐子さん(82)夫妻は雨の中、お祝いに駆け付けた。「ラジオのニュースを聞いて、慌てて来ました。すてきな研究をしていたので、受賞できて本当に良かったです」とうれしそうだった。

       ■地元

       地元町民は喜びに沸いた。

       大磯町東小磯、会社員栄田アツミさん(26)は「大磯から受賞者が選ばれたと聞いて、びっくりした。誇らしい出来事で、ノーベル賞がいっそう身近に感じられる」と喜んだ。

       同町西小磯、会社員山川洋さん(50)も、「受賞者が近くにいるなんて、すごい。研究について町内の小中学校で講演してもらえば、子供たちにとって良い刺激になる」と笑顔。地元の男子高校生(16)は、「同じ町に住んでいる人の受賞は、すごくうれしい。『自分も頑張ろう』という気持ちにさせられる」と興奮気味だった。

       中崎久雄町長は「全町民の誇りと喜びです。子供たちにも大きな夢を与えていただいて、うれしく思います」とコメント。黒岩知事も「大隅先生の受賞は県民にとって大きな喜びであり、県民の誇り。心よりお祝い申し上げる。誠におめでとうございます」と祝福した。

       ■大学

       大隅さんは福岡市出身。福岡県立福岡高校から東京大学に進学し、1974年に同大で理学博士を取得。その後は米ロックフェラー大研究員などを務め、2009年から、横浜市緑区にある東京工業大すずかけ台キャンパスに研究室を構えている。

       15年間秘書を務めている原洋子さん(56)は、大隅さんについて「つつましやかな態度だが、心の中は科学に対するダイナミズムと探求心があふれている。教え子たちの一人一人を大事にされていて懐が大きい方です」と人柄を紹介した。

       特任助教のアレクサンダー・メイさん(29)は「6年前にオートファジーの存在を知ってから、先生のことをずっと尊敬している」と話し、同大科学技術創成研究院助教の堀江朋子さん(39)は、「これまで候補になられて何年も受賞されなかったので、驚きました」と喜びを語った。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20161003-119-OYTNT50334

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    4. 大隅氏 ノーベル賞…生理学・医学賞
      2016年10月4日5時0分

      細胞の自食作用 発見…オートファジー 不要物分解・再利用 がん研究に道

       スウェーデンのカロリンスカ研究所は3日、2016年のノーベル生理学・医学賞を、細胞が自らたんぱく質などを分解してリサイクル(再利用)する「細胞自食作用(オートファジー*)」の仕組みを見つけた東京工業大の大隅良典栄誉教授(71)に授与すると発表した。酵母から人間まで共通する細胞内の根源的な生命現象を遺伝子レベルで明らかにし、がんや神経疾患の治療研究に道を開いたことが評価された。

       日本のノーベル賞受賞は25人目。一昨年の赤崎勇・名城大終身教授、天野浩・名古屋大教授、中村修二・米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授の3氏、昨年の大村智・北里大特別栄誉教授と梶田隆章・東京大教授に続く3年連続の受賞となる。生理学・医学賞では、1987年の利根川進・米マサチューセッツ工科大教授、2012年の山中伸弥・京都大教授、昨年の大村氏に次いで4人目だ。自然科学3賞(生理学・医学賞、物理学賞、化学賞)では、大隅氏は日本人3人目の単独受賞。利根川氏以来29年ぶりで、ほかには1949年の湯川秀樹博士しかいない。

       授賞理由は「オートファジーのメカニズムの発見」。オートファジーは、細胞が必要な栄養を得るため自らの体の一部を分解する現象だ。

       大隅氏は東大助教授だった1988年、観察がしやすい酵母を使った実験で、たんぱく質が細胞内にある小器官に取り込まれて分解される現象を顕微鏡で発見し、オートファジーの仕組みを解明した。オートファジーのかぎとなる遺伝子を特定し93年に発表した。

       動物細胞の場合、細胞内に現れた膜が、分解酵素を含んだ器官「リソソーム」と融合し、不要なたんぱく質を分解して再利用する。このオートファジーがうまく働かないと、受精卵は正常に成長できない。また、細胞内に異常なたんぱく質がたまって、パーキンソン病などの神経疾患につながることも分かり始めている。

       がん細胞は増殖時にオートファジーを利用していると考えられている。このため、オートファジーを阻害すれば、がんを抑えられる可能性があり、海外では臨床試験も行われている。大隅氏の業績は、こうした病気の新しい治療法開発の土台になる。

       カロリンスカ研究所は授賞理由で「細胞がその中身をどうリサイクルするかについて、新しいパラダイム(枠組み)を導いた」と評価した。

       賞金800万スウェーデン・クローナ(約9500万円)が贈られる。授賞式は、ノーベル賞の創設者アルフレッド・ノーベルの命日にあたる12月10日、ストックホルムで行われる。

       

        ◆大隅良典氏(おおすみ・よしのり)

       1945年生まれ。福岡市出身。67年東京大教養学部卒。74年同大で理学博士取得、同年米ロックフェラー大研究員、88年東京大助教授、96年岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所教授、2014年から東京工業大栄誉教授。05年藤原賞、06年日本学士院賞、12年京都賞、15年カナダの医学賞「ガードナー国際賞」受賞。

       

        *オートファジー =autophagy=ギリシャ語の「自分(オート)」と「食べる(ファジー)」を組み合わせた造語。

       

      「情報は顕微鏡の中に」

       「人がやらないことをやろうという思いから、酵母の研究を始めた」。受賞決定後の記者会見で、時折笑顔を浮かべながら、研究の原点を振り返った。応用を重視しがちな風潮にとらわれず、好奇心のままに突き進む研究姿勢が、科学者の最高の栄誉で報われた。

       「情報は必ず顕微鏡の中にある」との信念で、研究を続けてきた。観察に使った酵母は細かったり、丸まっていたり、顔つきがそれぞれ違う。飢餓状態にある細胞の中に、小さな粒状の物質が蓄積し、盛んに動き回っている。3年間の米国留学から戻り、10年余りたった1988年夏。がんや糖尿病の治療研究につながる現象「オートファジー」を、世界で初めて、光学顕微鏡で確認した瞬間だった。

       1974年に29歳で米国留学に旅立つ1年前から、トレードマークのひげをのばし始めた。「童顔だったので、あまり若造に見られたくなくて」。細胞分裂の周期に興味を持ち始めていた時期。勇んで向かった研究の本場で、今回の受賞につながる酵母の研究に出会った。

       オートファジーが病気との関連で注目されるようになり、出される論文の数も飛躍的に増えたが、「サイエンスにはゴールがない」と表情を引き締めた。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20161004-118-OYTPT50081

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    5. [スキャナー]細胞内リサイクル…大隅氏 ノーベル賞 不足栄養分 「自作」し補充
      2016年10月4日5時0分

       細胞が自分自身の一部を分解するオートファジー(自食作用)は、多くの生物に共通する重要な現象だが、メカニズムは長い間謎に包まれていた。その基本的な仕組みと重要性を明らかにした大隅良典・東京工業大栄誉教授(71)が、ノーベル生理学・医学賞に輝いた。(科学部 前村尚、冨山優介)

       

        ■不足分補う

       オートファジーは、細胞内に現れた球形の膜が、不要なたんぱく質などを包み込んで分解する現象だ。その正体は、細胞が不要なたんぱく質を分解して栄養になるアミノ酸を作る巧妙なリサイクルシステムだ。

       細胞が飢餓状態で威力を発揮するが、ふだんも働いている。例えば人間は1日200~300グラムのたんぱく質を必要とするが、食事から取り込めるのは70~80グラムだ。不足分は、オートファジーなどによるたんぱく質のリサイクルで補っていることがわかってきた。

       大隅氏は「体内でたんぱく質は合成と分解が同時に行われている。分解は生物にとって重要な現象だ」と強調する。

       オートファジーは、ベルギーの科学者クリスチャン・ド・デューブ氏が提唱し、1963年に名付けた。同氏は、別の研究で74年にノーベル生理学・医学賞を受賞した優秀な研究者だったが、オートファジーの研究は世界的に進まず、詳しい仕組みはほとんど解明されていなかった。

       

        ■注目集まらず

       オートファジーは、ごく短時間で終わってしまう。観察が難しい上、研究者の関心は当時、生命活動に重要なたんぱく質を合成する反応に集まり、体内のごみ処理のような分解機能への関心は低かったという。

       その重要性を世界に知らせたのが、「人がやらないことに挑戦する」という信念を持つ大隅氏だった。

       細胞生物学を専門としていた大隅氏は74年に留学した米ロックフェラー大で、早くから遺伝情報が解明され、実験で扱いやすい酵母が、生物の基礎研究の対象として優れていることに気づいた。東京大教養学部で助教授だった88年、たんぱく質を分解する酵素を持たない特殊な酵母を、顕微鏡で観察してみた。

       オートファジーが進む正常な酵母と比べると、オートファジーの様子を詳しく観察できた。大隅氏は、当時の興奮を「思わず息をのんだ。何時間も顕微鏡をのぞき続けた」と語る。

       大隅氏は、酵母でオートファジーに不可欠な遺伝子が少なくとも14種類あることを特定し、93年に論文を発表した。ただ当時は、酵母のオートファジーの研究を重要と考える研究者は少なく、論文はほとんど注目されなかった。

      門下生も活躍 研究発展…水島・吉森氏ら 哺乳類で発見

       大隅氏は96年、愛知県の岡崎国立共同研究機構(現・自然科学研究機構)基礎生物学研究所に研究の拠点を移した。そこで動物の細胞研究に詳しい吉森保氏(58)(現・大阪大教授)を、研究室に引き込んだ。

       さらに大隅氏の93年の論文の面白さに気づき、研究室の門をたたいたのが内科医の水島昇氏(50)(現・東京大教授)だった。すると状況が変わった。

       水島氏と吉森氏らは、オートファジーの関連遺伝子が哺乳類に共通することを発見した。酵母だけでなく、高等生物にも備わった生命の基本的なシステムと判明した。医学や生物学の重要な研究テーマとして、脚光を浴びるきっかけを作った。

       水島氏は2004年、オートファジーで出現する脂質の膜が光り、観察しやすいよう遺伝子を改変させたマウスを作り、論文に発表した。現在、世界の600を超える研究室で「光るマウス」が使われ、哺乳類の研究を広げた。水島氏の論文はのべ4万4000回、他の研究者らの論文に引用された。大隅氏の93年の論文も、今ではオートファジーの研究で「最も重要な論文」と評価されている。

       大隅氏は3日夜の記者会見で、水島、吉森両氏の名前を挙げ、「共同受賞があったらいいと思っていた」と胸の内を明かした。

       受賞決定を聞いた水島氏は「一つの分野がゼロから発展する現場に居合わせることができたのは幸せだ。単独受賞は、大隅先生の発想にオリジナリティー(独創性)があったという評価でしょう」と話す。吉森氏は「自分が先端で研究している分野が、どんどん大きくなるのを見せてもらった。大隅先生にノーベル賞を取ってもらうのが僕の長年の夢だった」と喜んだ。

       大隅氏のオートファジー研究への情熱は衰えない。「分解がどのように終わるかなど、はっきりしない部分が多い。研究はまだ3合目」と語り、今後の研究にも意欲を見せる。

       

      治療目指し 研究急拡大…神経疾患など 関係明らかに 世界で論文増加

       大隅良典・東京工業大栄誉教授(71)が解明したオートファジーは、細胞内のごみを取り除く重要な役割を果たしている。近年、肝臓病や神経疾患、がんなどにも大きく関わることが明らかになり、急速に研究が広がっている。

       新潟大の小松雅明教授(44)は2005年、オートファジーが起こらないマウスを遺伝子操作で作り、肝臓病になりやすいことを確かめた。細胞に異常なたんぱく質などが蓄積することが原因だった。小松教授は「オートファジーによって処理されるはずのごみがたまると病気になる」と説明する。

       13年には東京大の水島昇教授(50)が、脳に鉄がたまり、運動機能が低下する神経疾患「SENDA(センダ)病」の患者で、オートファジーの遺伝子に異常があることを発見。今年9月には、大阪大の吉森保教授(58)らが、オートファジーの機能が抑制されると、脂肪肝が悪化する仕組みを解明したと発表した。

       神経疾患の一つであるパーキンソン病も、神経細胞内で異常を起こした小器官(ミトコンドリア)を除去できないために起こると考えられている。オートファジーの活動を活性化させれば、こうした病気や脂肪肝などが治療できる可能性がある。

       海外でも応用研究は広がっている。米国では、がん細胞が増える際に必要なオートファジーの働きを抑制して、難治性がんの治療を目指す臨床研究が行われている。今年9月現在、同国内でのオートファジー関連の臨床研究は40件近くに上る。

       米調査会社トムソン・ロイターによると、15年に全世界で発表されたオートファジーの論文数は5000本を超える。15年前(00年)の約60倍、10年前(05年)の約20倍に増えた。

       国内での臨床研究が待たれているが、まだ実施された例はない。小松教授は「iPS細胞(人工多能性幹細胞)研究のように、複数の研究室が集まって拠点を作り、協力して臨床を目指した研究を進めていく必要がある」と話している。

       
      良質の基礎研究 脈々…日本人3年連続

       2000年に始まった日本のノーベル賞受賞ラッシュが止まらない。東京工業大の大隅良典栄誉教授(71)は、この17年で17人目の受賞者となる。一昨年から3年連続の快挙だ。01年策定の「第2期科学技術基本計画」で政府が掲げた「今後50年でノーベル賞30人」の目標を、大きく上回るペースだ。

       自然科学分野の受賞は、その前が1987年の利根川進氏だった。49年の湯川秀樹氏以来、39年間で5人しか受賞していなかった。基本計画の策定後、候補者を推薦する動きが活発になったのかもしれないが、ノーベル賞に詳しい東京大の岡本拓司准教授(科学史)は「ストックホルムの情報収集力は高く、推薦の多寡は関係ない。日本でほとんど知られていなかった田中耕一さんの受賞が、その証拠だ」と語る。そして「近年、受賞が増えたのは、優れた業績が多いからだ」とみる。

       17人の受賞業績15件を振り返ると、成果が発表された時期は、60年代が2件、70年代が5件、80年代が4件、90年以降が4件。70~80年代を振り返ると、貿易摩擦の激化とともに、米国が日本に対して「基礎研究ただ乗り」との批判を強めていた。実際には、極めて良質の基礎研究が脈々と続けられていたことが、近年の相次ぐノーベル賞で裏付けられたと言えるだろう。

       実用からかけ離れた基礎的な研究ほど、常識の壁を突き破るような成果が出ると、科学の世界に新たな地平が切り開かれ、画期的な応用にもつながるといわれる。生命の営みに迫る大隅氏の研究はその典型だ。ノーベル賞がたたえる「人類への貢献」にふさわしい。

       日本に西洋の自然科学が本格的に導入されてから、間もなく150年。多数の日本人研究者が世界で活躍し、日本で活躍する外国人研究者も珍しくなくなった。科学の発展に、日本の人材や施設、資金が果たしている役割は、とても大きい。

       ふだんは「理科は苦手」という中高生も「細胞生物学」と聞いただけで「難しそう」とひるむ向きも、この機会に日本の誇る科学力の一端に触れてみてはどうだろう。今日からしばらく、大隅氏の業績を分かりやすく解説する報道や出版があふれるはずだ。科学に関心をもち、その話題を楽しむ国民が増えてこそ、受賞ラッシュの意味がある。(編集委員 増満浩志)
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20161004-118-OYTPT50153

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    6. ノーベル賞大隅氏 電話対談…「知りたい」追究 幸せ
      2016年10月4日5時0分

       今年のノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった大隅良典・東京工業大栄誉教授(71)は、細胞がたんぱく質を自ら分解してリサイクルする「細胞自食作用(オートファジー)」の仕組みを解明した。大隅さんと、米ニューヨーク滞在中の江崎玲於奈・横浜薬科大学長(91)=1973年物理学賞=が3日夜、電話で対談し、基礎科学の魅力や重要性などについて語り合った。

      (司会は、滝田恭子・東京本社科学部長)

       

      大隅良典氏…2016年生理学・医学賞 東京工業大栄誉教授

      江崎玲於奈氏…1973年物理学賞 横浜薬科大学長

       

      大隅氏…科学は人間の本質的活動

        医者ではない

       ――大隅先生、おめでとうございます。生理学・医学賞としては昨年の大村智先生に続いて日本人4人目の受賞になります。今回の受賞について、どのように受け止めていらっしゃいますか。

        大隅  日本では「医学・生理学賞」と言われることもありますが、Nobel Prize in Physiology(生理学) or Medicine(医学)なんです。私は生理学賞をいただくというふうに思っています。

       私は医者ではありません。また、医学領域の研究として展開してきたことはないのですが、私たちの研究が将来的に医学領域みたいなものに広がっていく可能性を認めていただいたというふうに理解しています。

       

        サイエンス

       ――さきほど共同研究者の水島昇東大教授のお話をうかがいました。大隅先生はいつも生物学にとって必要な研究は何かという視点で研究されていたとおっしゃっています。今回は、そのような基礎的な研究が評価されたわけですけれども、基礎科学の面白さはどのような点にあるのでしょうか。

        大隅  私は、科学というのは人間の本質的な活動だと思っていて、知りたい、分かりたいということを追究するのがサイエンスだと考えています。ある現象を見たときに、いったい何が起こっているのだろう、それを知りたいと考えます。私はサイエンスをずっと続けることができて、個人的にも幸せだったと思っています。

       基礎科学とは本来そういうもので、もちろん、その中からすごい応用研究の芽が生まれてくるのも事実だと思います。

       しかし、とにかく数年で必ず応用につながる、というのを強調すると、サイエンスは、やはりサイエンスでなくなると私は思っています。そういう意味で、人間が本来持っている好奇心みたいなもので研究をしていける社会になってほしいと思います。

       ――江崎先生、いまの大隅先生の基礎研究の話をお聞きになって、どのように受け止められましたか。

        江崎  大隅先生、受賞おめでとうございます。

        大隅  ありがとうございます。

        江崎  オートファジーは根本的に重要な問題で、それを解明されたという点でノーベル賞受賞は当然のことだと思います。今回の受賞に、心からお祝い申し上げたいと思います。

       先生の「ゴーイング・マイ・ウェー」的な研究から成果は生まれました。私自身もそうなのですが、チャンスに恵まれ成果が生まれたということで、大変けっこうだと思います。

        大隅  もちろん色々な幸運に恵まれた結果だということは、十分承知しています。ちょうどいい時代に生まれました。分子生物学という分野が立ち上がって、わくわくするような思いを持って、そういうことをやろうと思えたという時代背景があります。時代と共に研究者はあるのだという思いを強くしています。

        江崎  私はニューヨークのちょっと郊外にいます。先生はニューヨークの街の中にあるロックフェラー大におられたんですね。

        大隅  はい。

        江崎  先生はロックフェラー大で酵母の研究をなさったのですね。

        大隅  そうです。酵母に出会ったのは、実を言うとロックフェラー大にいたノーベル賞学者のエーデルマン(1972年生理学・医学賞)の研究室でした。そこで研究を始めたのも、不思議な縁だなあと思っています。

        江崎  もちろん、大隅先生ご自身が非常に優れた研究者なので、そういう色々なチャンスに恵まれたのです。普通の動物の細胞ではなく、酵母を使った研究をしたから成果に結びついたわけですからね。

        大隅  はい。

        若者たちへ

       ――今回、単独受賞をされたことからわかるように、オートファジーは日本が切り開いてきた分野です。しかし、先生が進めてきたような基礎研究への国のサポートは十分とはいえません。若い人たちが、希望をもって研究の道に進むためには、どのようにしたら良いと思いますか。

        大隅  若い人がいろんなしがらみで安全志向に走る傾向もあるのですが、そういうことばかり言っても仕方がありません。(基礎研究の重要性を)社会が認めて、投資することが、日本の将来にとって意味があるのだと、理解されることがとっても大事だと思っています。

       

      江崎氏…創造性発揮される研究を

        江崎  ノーベル賞を取ったとたんにサイエンスのエリートだけでなく、社会のエリートにまつりあげられます。それはプラスの面だけでなくマイナスの面もありますね。

        大隅  想像に難くありません。

        江崎  科学振興の旗振り役のようなことを求められると思います。私は、日本の研究には問題点が多々あると思います。それを是正することに、ノーベル賞受賞者全体でがんばっていきたいですね。

       授賞式の12月10日前後は、奥さんと一緒においしいお酒と料理をエンジョイしてください。

        大隅  ありがとうございます。

       ――江崎先生はご講演などで、21世紀は生命科学の時代だというお話をよくされます。この分野で、日本の研究者が活躍するためには何が大事でしょうか。

        江崎  若い人たちが自分で自主的な研究をする機会があることが大切でしょう。大隅さんの研究のようなものは、やはり個人のクリエイティビティー(創造性)が問題になる。そういう研究者にチャンスを与えることが大事なのでしょうけどね。

       もう一つは、日本の生命科学研究は医者が中心になっていますが、なにも医者である必要はないのです。

       私は、さまざまなスタイルの研究が必要だと思います。重要なテーマに多くの研究者が集中することも、もちろん必要です。

       また、大きな成果がノーベル賞につながった点では同じですが、昨年の大村さんと今回の大隅さんの研究だって、随分違います。

       あるスタイルの研究だけが大事だとは、私は言えない。ただ、大切なことは、個人のクリエイティビティーが最大限発揮されるような、基礎研究も尊重されることだと思います。

       ――ありがとうございました。

      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20161004-118-OYTPT50106

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    7. 「誰もやらぬことを」 大隅さんノーベル賞…研究コツコツ 仲間に感謝
      2016年10月4日5時0分

       たんぱく質を分解し、リサイクルする細胞の働きを解明した東京工業大栄誉教授の大隅良典さん(71)が、今年のノーベル生理学・医学賞に輝いた。がんや神経疾患などの治療への応用も期待される大発見は、長年にわたる地道な研究の成果だった。3年連続となる日本のノーベル賞受賞決定に記者会見で「この上もなく名誉なこと」と喜びをかみしめた大隅さん。研究者仲間からは祝福の声が相次いだ。

       大隅さんはこの日、横浜市緑区の東工大すずかけ台キャンパスの研究室で報道陣や研究スタッフらに見守られ、その瞬間を待った。午後6時半頃、動画配信サイトで受賞が伝えられると研究室は歓喜に包まれ、大隅さんは祝福の電話がかかってくるたびに「ありがとうございます」と応じた。

       その後、記者会見が行われる東京都目黒区の大岡山キャンパスに移動。1階ロビーで出迎えた職員や学生ら約80人から拍手で迎えられると、照れくさそうにほほ笑み、女性職員から花束を受け取った。

       濃いグレーのスーツ姿で会見場に入った大隅さんはやや緊張した面持ち。1987年の利根川進・米マサチューセッツ工科大教授以来の単独受賞の決定に「驚いている。格別の重さを感じている」と語った。

       研究について「誰もやっていないことを自分が見つけ、やるのがサイエンスの本質」と言い切った。「たんぱく質の分解に(世間の)興味がなかった時代に、『ゴミだめ』と思われた研究からスタートした」と振り返り、「酵母の研究を40年続けてきた。基礎生物学者としてこの上もない幸せだ」と喜びをかみしめた。

       がんなどの治療への応用が期待されていることについては、「(実用化を)確信して始めたわけではない。基礎研究はそういうもので、良い成果につながるのはとても難しい」と強調。そのうえで「社会には、ゆとりを持って科学を見守ってほしい」と訴えた。

       周囲の支えにも感謝を忘れず、教え子の水島昇・東京大教授(50)らには「きょうの栄誉を分かち合いたい」とメッセージ。家族にも、「常に温かく見守ってくれた亡き両親に報告したい」とし、妻・万里子さんに対しては「色んなことを甘えていたと思っている。支えてくれて本当にありがたいことだと思っている」と話した。

       大隅さんの快挙に、研究者仲間も喜んだ。

       6年前に大隅さんの研究室に在籍し、自らも同様の研究に取り組む大阪大准教授の岡本浩二さん(51)は「毎年、受賞を期待していただけに感無量だ」と興奮冷めやらぬ様子。大隅さん宅で昨年5月、「受賞はお預けでしたね」と話すと、「まだまだ当分先だよ」と笑っていたという。

       京都大教授の岩井一宏さん(57)も受賞決定を知り、「おめでとう」とメールを送った。学会参加のため訪れた海外で一緒に散歩をした際、大隅さんが研究者として不遇だった時期を振り返り、「若い研究者には、環境に恵まれなくても研究を続けてほしい」と話していたのが印象的だったという。

      ひげ トレードマーク 「酵母の教え」お酒好き

       大隅さんは福岡市出身。1945年2月に4人きょうだいの末っ子として生まれた。「スポーツはからきしダメ、芸術の才能もない。消去法で科学者になるのが一番向いていると、幼い頃からずっと思っていた」と冗談めかして言う。

       20歳代後半から伸ばし始めたトレードマークのひげは、「だんだん、真っ白になった」と会見で話し、積み重ねた研究生活の長さを感じさせた。3日朝、妻の万里子さんからひげを整えるように言われ、「ちょっとだけ短くした」と明かした。

       大隅さんが岡崎国立共同研究機構(現・自然科学研究機構)基礎生物学研究所の教授に就任した96年から6年間、助教授としてともに働いた大阪大教授の吉森保さん(58)は「子どものような純粋な好奇心を持ったままの人」と評する。

       左党としても知られ、特にウイスキーを好み、「酵母の研究者だから、お酒は好きですよ」と笑う。2008年度の朝日賞受賞時は、吉森さんら研究仲間らへの返礼として、オリジナルのウイスキーを贈った。ボトルには自分の署名とともに、「Lessons from Yeast(酵母からの教え)」と記した。吉森さんは、「研究の話と、好きなお酒と両方を合わせた、大隅さんらしいユニークなプレゼント」と話す。

       神奈川県内の自宅は、建築士に依頼した古民家風で、雑誌に取りあげられたこともある。研究者仲間らを誘い、「勝手塾」と名付けたサロンのような会合を開いている。

       他大学も含めた酒好きの研究者6人と、「七人の侍」という会を結成。若手研究者を鼓舞したいとの思いから、自らの体験談などを講演会で伝える活動を続けている。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20161004-118-OYTPT50125

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    8. 社説
      ノーベル医学賞 生命が続く仕組み解明に栄誉
      2016年10月4日6時2分

       日本発の研究成果が、今年も世界に評価されたことが誇らしい。

       生物が安定して生き続ける仕組みを解明した大隅良典・東京工業大栄誉教授に、今年のノーベル生理学・医学賞が贈られる。

       自然科学分野で3年連続しての日本人の受賞となる。日本の基礎研究が国際的に最高水準にあることが、改めて示された。

       授賞理由は、「細胞自食作用(オートファジー)」の仕組みの発見だ。細胞の中で絶え間なく起きているたんぱく質のリサイクル現象を、遺伝子レベルから明らかにしたことが評価された。

       赤ちゃんが育つ際も、細胞内で自食作用が働いている。一時的に細胞の栄養分が不足しても、特殊な膜が出現して、当面は不要な細胞組織やたんぱく質をアミノ酸に分解し、生命の維持に不可欠なたんぱく質に作り替える。

       脳などの神経細胞が、長期間安定して機能するのは自食作用のおかげだ。異常なたんぱく質が溜たまるのを防いでくれる。心臓の細胞が、止まることなく動き続けるのも、この働きによる。

       生命現象の基本原理に迫った研究成果である。

       神経細胞に異常が起きるパーキンソン病の発症にも、自食作用が関係するとみられている。

       がん細胞は、自食作用を“悪用”して増殖するとされる。活発に起きている自食作用を阻害すれば、画期的な治療法につながる可能性がある。実現に向けて研究開発が加速することを期待したい。

       自食作用は20世紀半ばから、動物細胞で観察されていたが、解明に挑む研究者は少なかった。大隅氏は「人がやらないことをやる」と、研究に打ち込んできた。

       独自の視点で探究し、真理を突き止める。この姿勢が、科学者の原点であろう。

       2000年以降、日本人のノーベル賞受賞が相次いでいる。政府が過去に、基礎科学を地道に支援したことが、10年、20年を経て結実したと言えよう。

       大隅氏は記者会見で、「基礎研究を見守ってくれる社会になってほしい」と語った。

       研究現場の活気を反映する日本の論文発表数は、このところ低迷している。若手の研究者も思うように育っていない。

       大隅氏は「基礎的な研究者も(ノーベル賞の)機会に恵まれる、と若い人が知ってくれたら、うれしい」と訴えた。後に続く研究者が、独創的な分野に専念できる環境を、より充実させたい。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20161004-118-OYT1T50031

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    9. 10月4日 編集手帳
      2016年10月4日5時0分

       パソコンで、「うまくいかない画像サイズになった」と書いたつもりが、画面には「馬食い家内が象サイズになった」。以前、日本漢字能力検定協会が募った漢字変換ミスで年間賞に選ばれている◆食欲の秋を迎えるたび、わが太鼓腹をなでてはこの“珍文”を思い出す。不要な肉である。人間は細胞のかたまりなのに、細胞ほどは賢くないらしい。朗報に万歳をしたあとで、およそ学術的でない感慨に浸っている◆東京工業大学の大隅良典栄誉教授(71)が、「オートファジー」という生命現象の研究で今年のノーベル生理学・医学賞に選ばれた◆オートファジー、すなわち「自身を食べる」。細胞は、不要になったたんぱく質をみずから食べてアミノ酸などに分解し、生命活動に必要なたんぱく質を再生産する。いわば、ぜい肉を自動的に筋肉に変えるようなリサイクルの仕組みであるらしい。神経疾患などに新しい治療法を切りひらく偉大な業績という◆今宵こよいはお祝いに飲み、かつ食わねばなるまい。〈やせてやる コレ食べてからやせてやる〉(サラリーマン川柳)。煩悩を食べてくれる細胞はいずこにありや。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20161004-118-OYTPT50064

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    10. 「情報は顕微鏡の中」…信念が世界初の発見に
      2016年10月4日9時4分

       「人がやらないことをやろうという思いから、酵母の研究を始めた」。

       大隅良典さんはノーベル生理学・医学賞受賞決定後の記者会見で、時折笑顔を浮かべながら、研究の原点を振り返った。応用を重視しがちな風潮にとらわれず、好奇心のままに突き進む研究姿勢が、科学者の最高の栄誉で報われた。

       「情報は必ず顕微鏡の中にある」との信念で、研究を続けてきた。観察に使った酵母は細かったり、丸まっていたり、顔つきがそれぞれ違う。飢餓状態にある細胞の中に、小さな粒状の物質が蓄積し、盛んに動き回っている。3年間の米国留学から戻り、10年余りたった1988年夏。がんや糖尿病の治療研究につながる現象「オートファジー」を、世界で初めて、光学顕微鏡で確認した瞬間だった。

       1974年に29歳で米国留学に旅立つ1年前から、トレードマークのひげをのばし始めた。「童顔だったので、あまり若造に見られたくなくて」。細胞分裂の周期に興味を持ち始めていた時期。勇んで向かった研究の本場で、今回の受賞につながる酵母の研究に出会った。

       オートファジーが病気との関連で注目されるようになり、出される論文の数も飛躍的に増えたが、「サイエンスにはゴールがない」と表情を引き締めた。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20161004-118-OYT1T50045

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    11. 大隅さん「仙人みたい」、吉森保・阪大教授 =関西発
      2016年10月4日6時0分

       たんぱく質を分解し、リサイクルする細胞の働きを解明した東京工業大栄誉教授の大隅良典さん(71)が、今年のノーベル生理学・医学賞に輝いた。大隅さんの下でオートファジーの研究を始めた大阪大教授の吉森保さん(58)は3日、大阪府吹田市の阪大研究室にかかってきた電話で受賞を知ると、「長年の夢がかなった」と顔をほころばせた。

       大隅さんについて「俗事は気にかけない仙人みたいな人だが、実験のことになると目の色が変わった」という。「研究のことを話す時が一番生き生きしていた。まさに研究者の鑑かがみ」と話した。

       吉森さんが大隅さんと研究を始めたのは1996年。大隅さんが教授として当時在籍していた岡崎国立共同研究機構(愛知県)に助教授として招かれてからだ。「他の研究者は『オートファジー』という言葉を知らない状態だった」と振り返る。「そこから研究成果を積み上げ、大隅先生の発見を発端に世界中に研究が広がり、僕たちがさらに研究を発展させることができた。単独受賞が一番ふさわしいと思う」と話した。

       「いつかはノーベル賞を取るだろうと思っていたが、それが現実となりまさか今年とは」と驚いた様子。「今日、それがかなってうれしい。お酒を飲みながら、一緒に喜びたい」と話した。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20161004-043-OYO1T50003

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    12. 大隅さん同窓生ら歓喜 ノーベル生理学・医学賞受賞 =福岡
      2016年10月4日5時0分

       「おめでとう」「母校の誇りだ」――。2016年のノーベル生理学・医学賞の授与が決まった大隅良典さん(71)の地元・福岡では、県内出身者初の受賞という快挙に同級生らから祝福の声が寄せられた。

       大隅さんの母校・福岡高校(福岡市)では3日、同級生らが集まり、インターネットの中継で発表を見守った。同窓会常任幹事を務める弁護士、林桂一郎さん(71)は「とてつもない名誉なこと。努力してきたことが認められて良かった」と興奮した様子で語った。

       小学校の3年間と中学、高校が同じだった福岡市議、藤本顕憲さん(72)は「『おめでとう』と伝えたい」と喜んだ。

       同級生らに母校への参集を呼びかけた自営業、大津邦彦さん(71)は「みんな待ちに待った受賞だが、本人が一番うれしいと思う」と声を弾ませた。

       福岡高校は来年創立100周年を迎える。来年6月の記念式典では大隅さんの講演が決まっている。井上拓夫校長は「今回の偉業は生徒にとっても、職員にとっても勇気づけられ、励みになる」と述べた。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20161003-119-OYTNT50341

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    13. 神経疾患など関係、研究急拡大…オートファジー
      2016年10月4日10時16分

       大隅良典・東京工業大栄誉教授(71)が解明したオートファジーは、細胞内のごみを取り除く重要な役割を果たしている。

       近年、肝臓病や神経疾患、がんなどにも大きく関わることが明らかになり、急速に研究が広がっている。

       新潟大の小松雅明教授(44)は2005年、オートファジーが起こらないマウスを遺伝子操作で作り、肝臓病になりやすいことを確かめた。細胞に異常なたんぱく質などが蓄積することが原因だった。小松教授は「オートファジーによって処理されるはずのごみがたまると病気になる」と説明する。

       13年には東京大の水島昇教授(50)が、脳に鉄がたまり、運動機能が低下する神経疾患「SENDA(センダ)病」の患者で、オートファジーの遺伝子に異常があることを発見。

       今年9月には、大阪大の吉森保教授(58)らが、オートファジーの機能が抑制されると、脂肪肝が悪化する仕組みを解明したと発表した。

       神経疾患の一つであるパーキンソン病も、神経細胞内で異常を起こした小器官(ミトコンドリア)を除去できないために起こると考えられている。オートファジーの活動を活性化させれば、こうした病気や脂肪肝などが治療できる可能性がある。

       海外でも応用研究は広がっている。米国では、がん細胞が増える際に必要なオートファジーの働きを抑制して、難治性がんの治療を目指す臨床研究が行われている。今年9月現在、同国内でのオートファジー関連の臨床研究は40件近くに上る。

       米調査会社トムソン・ロイターによると、15年に全世界で発表されたオートファジーの論文数は5000本を超える。15年前(00年)の約60倍、10年前(05年)の約20倍に増えた。

       国内での臨床研究が待たれているが、まだ実施された例はない。小松教授は「iPS細胞(人工多能性幹細胞)研究のように、複数の研究室が集まって拠点を作り、協力して臨床を目指した研究を進めていく必要がある」と話している。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20161004-118-OYT1T50052

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    14. 「オートファジーの父」、海外からも称賛の声
      2016年10月4日10時21分

       【ニューヨーク=三井誠】今年のノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった東京工業大の大隅良典栄誉教授(71)に対し、海外の研究者からも称賛の声が上がった。

       大隅さんは、細胞が自ら不要なたんぱく質などを分解する「オートファジー」の仕組みを発見した。その成果を発展させ治療や創薬に結びつける研究を続ける米テキサス大のベス・ラビン教授(56)は「大隅さんの成果のおかげで、この分野の研究が進んだ。オートファジーの最大の貢献者であり、『父』と言える。受賞に異論を唱える研究者はいないだろう」と、読売新聞の取材に答えた。

       1990年代後半から大隅さんと交流があるというラビン教授は「我々にも試料を提供してくれたり、アドバイスをくれたりした。こうした寛大さに加え、東京大の水島昇教授ら優れた後輩を育成する能力が相まって、この分野が発展した」と称賛した。

       学会を通して交流があるという英フランシス・クリック研究所のシャロン・トゥーズ博士(59)も「大隅さんは未開の分野を切り開き、結果的に、それが病気にも関係する極めて重要な細胞の仕組みであることがわかった。科学を愛する、謙虚で優れた指導者でもある」とたたえた。

       米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは3日の電子版で、ノーベル生理学・医学賞で日本人が2年連続の受賞となり、2000年以来、日本の自然科学分野での受賞が相次いでいると指摘。ニューヨーク・タイムズ紙は今年、受賞を逃した分野に「がん免疫療法」を挙げ、候補者の1人として京都大の本庶佑ほんじょたすく名誉教授を紹介し、日本の研究者層の厚さを印象づけた。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20161004-118-OYT1T50058

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    15. 大隅さんの妻・万里子さん「うそかと思った」
      2016年10月4日12時6分

       ノーベル生理学・医学賞受賞が決まった東京工業大の大隅良典栄誉教授(71)は4日午前、横浜市緑区の同大すずかけ台キャンパスで、妻の万里子さん(69)らとともに記者会見に出席。

       花束を受け取り、ツーショットで記念撮影に応じると、「たくさんの仲間たちが支えてくれた結果。素晴らしい共同研究者と友人に恵まれたことに感謝する」と述べた。

       東大大学院時代の後輩の万里子さんとは、「運命の出会い」だったという。これまで、お互いに認め合いながら過ごしてきたといい、「本当に感謝している」と照れた表情で妻に言葉をかけた。

       一方の万里子さんは「いつも私をだましたりからかったりする。ノーベル賞と聞いたときはうそかと思ったが、本当になって心底驚いた」と笑顔で話した。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20161004-118-OYT1T50078

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    16. 大隅教授の受賞で関連株に買い注文…東京市場
      2016年10月4日13時5分

       東京工業大の大隅良典栄誉教授のノーベル生理学・医学賞の受賞が決まったことを受け、4日の東京株式市場では関連銘柄に買い注文が集まっている。

       大隅教授が仕組みを見つけた、細胞が自らたんぱく質などを分解してリサイクルする「細胞自食作用(オートファジー)」関連の試薬を取り扱うタカラバイオ(東証1部)は一時、前日終値から10%上昇した。同じく関連試薬を扱うコスモ・バイオ(ジャスダック)は買い注文が殺到し、午後1時現在、値がついていない。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20161004-118-OYT1T50073

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    17. 大隅さん母校・福岡高、先輩の偉業たたえる =九州発
      2016年10月4日14時30分

       東京工業大栄誉教授、大隅良典さん(71)のノーベル生理学・医学賞受賞決定を受け、母校の福岡高(福岡市)は4日、全校生徒を集めた報告会を開き、先輩の偉業をたたえた。また、福岡市の高島宗一郎市長は同日の定例記者会見で、大隅さんを名誉市民とする方針を明らかにした。

       体育館での報告会で、井上拓夫校長は、生徒約1200人を前に、「大先輩の生きざまを君たちの生きる指針にしてほしい」と語りかけた。

       大隅さんの同級生ら6人も、前夜に続いて母校に集まり、当時の写真を広げて思い出話に花を咲かせた。

       一方、高島市長は会見で、「福岡市出身で初のノーベル賞。大変名誉なことで、子どもたちに夢や希望を与えていただいた」と語り、名誉市民とすることを市議会12月定例会に諮る考えを示した。

       名誉市民は、功績が顕著で、市民が深く尊敬できる人物を対象としている。これまでにプロ野球・ソフトバンクの王貞治球団会長や、柔道女子アテネ五輪金メダリストの谷亮子さんら7人が選ばれている。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20161004-127-OYS1T50103

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    18. 「お酒好き」夫婦 和やか…ノーベル賞・大隅さん 夜通し対応 「ビール飲みたい」  
      2016年10月4日15時0分

       自宅をサロンのように開放し、朝まで杯を交わす。ノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった東京工業大栄誉教授の大隅良典さん(71)の傍らには、常にお酒があった。4日午前には、ともにお酒が好きだという妻の万里子さん(69)と記者会見した大隅さん。研究仲間や教え子たちとの交流を欠かさない、その気さくな人柄を慕って集まる研究者らからも祝福の声が相次いだ。

       横浜市緑区の東工大すずかけ台キャンパスで開かれた記者会見には、受賞を聞きつけた学生ら約300人が詰めかけた。共に「お酒が好き」という2人の絶妙な掛け合いに笑いも起き、会場は和やかな空気に包まれた。

       「考えていることも分かっているので、あんまり話が弾むこともありません」。大隅さんが万里子さんについてそう答えると、大隅さんの魅力を問われた万里子さんは「いつもニコニコしているので、一緒にいて心は落ち着きます」と持ち上げつつも、「でも、とてもいい加減なんです」と明かした。

       その上で「友人に言ったら『良い加減なのよ』と言われたので、そう思うことにしています」とユーモアたっぷりに話した。

       会見で大隅さんは、「昨日の昼くらいからオートファジー(細胞自食作用)状態。とにかくビールが飲みたい」と研究になぞらえたジョークを飛ばす場面もあった。

       日本の研究環境についても語り、「若い人が次から次に出てこないと日本の科学は空洞化する」と危機感を募らせ、若手研究者に対しては「1回しかない人生なのでチャレンジしてみるのもいい。何としてもこれやりたいよというのを自分の中で固めて、決意を新たにして頑張ってほしい」とエールを送った。

       

      研究仲間「七人の侍」 祝福

       「将来役立つかどうかわからなくても、自分が発見し、面白いと思った現象をとことん集中して研究した成果だ」

       大隅さんと交流を深めてきた京都産業大(京都市北区)の永田和宏教授(69)は、「飲み友」の受賞を手放しで喜んだ。大隅さんは、永田さんら同年代の生物学者6人と、年に数回、各地の大学で独創的な発想や研究に関する講演会を開いてきた。名づけて「七人の侍」。

       集まると必ず、酒宴となる。メンバーの一人、東京都医学総合研究所所長の田中啓二さん(67)によると、他の宿泊客に迷惑をかけないよう、両隣に宿泊予約が入っていない部屋を確保。各自が日本酒やワイン、ウイスキーなどを1本以上持参し、最近の研究状況や国内外の最新の論文などについて議論する。大隅さんは酔っぱらって、隣の人にしなだれかかったり、他人の靴を間違えてはいたりすることもあるとか。

       大隅さんは、講演会でも酒の席でも「基礎研究が大事。それが応用、臨床研究につながる」というのが口癖で、「自分たちが科学を楽しんで、若者にも夢を与えられたらいい」と熱く話していたという。田中さんは「集まるといつも、ノーベル賞の受賞予想をしていて、大隅さんはいつとってもおかしくないと毎回話題になった」と振り返る。

       次に予定されている七人の侍の講演会は、今月26日の京都。田中さんは「祝杯を上げて、ノーベル賞受賞を肴さかなにうまい酒を酌み交わしたい」と大隅さんとの再会を心待ちにしている。

       大隅さんの受賞理由となった研究の「細胞自食作用(オートファジー)」は、科学者の間でそれほど注目されていなかった。会のメンバーで、京都産業大総合生命科学部シニアリサーチフェローの伊藤維昭さん(73)は、大隅さんが、朝まで飲みながら、「小さな発見でも、世界で初めて知る喜びがある」と語っていたことを覚えている。

       伊藤さんは「現象から原理までを一人で解明し、当初は予想もされなかった病気の治療に役立つ可能性も出てきた。基礎研究の醍醐だいご味を体現された」と快挙を祝福した。

       東京工業大の学生からも喜びの声が上がった。

       同大1年の吉岡拓哉さん(19)は「同じ大学の先生がノーベル賞に決まり、素直にうれしい」と話す。今年4月に大隅さんの講義を受けたことがあると言い、「若者に頑張ってほしいと話していた姿が印象に残っている。自分もこれからたくさん学んでいきたい」と話した。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20161004-118-OYTPT50295

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    19. 10月4日 よみうり寸評
      2016年10月4日15時0分

       東京工業大学のすずかけ台キャンパス(横浜市緑区)には、どこかにクローバーの自生する場所があるらしい◆大隅良典栄誉教授(71)は研究室をふらっと出て行っては四つ葉のクローバーを収穫し、若い人たちに渡すのだという。ご本人は笑みを浮かべ、ただ得意がっているだけのようだが、もらった人はうれしいだろう。通説では、四つの小葉が象徴するのは<希望、誠実、愛情、幸運>◆いつの日か、その全部を大隅さんの研究から受け取る人たちがいることだろう◆細胞が自らたんぱく質を分解し、再利用する「細胞自食作用(オートファジー)」。この仕組みの発見が、がんや神経疾患の治療研究に道を開いたという。未来の人々の笑顔が見えよう◆それにしても基礎研究は難解である。ノーベル生理学・医学賞に選ばれたことを伝える記事を四苦八苦して読み、図解を懸命に眺めても、分かったような、分からぬようなだが、わが胸に一つだけ確かな感触が残っている。クローバーだろうか。清冽せいれつな青いにおいがする。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20161004-118-OYTPT50236

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    20. 「微生物研究 拠点作る」…ノーベル賞から一夜 大隅さん 若手支援意欲
      2016年10月4日15時0分

       ノーベル生理学・医学賞受賞が決まった東京工業大の大隅良典栄誉教授(71)は、吉報から一夜明けた4日、同大の大岡山キャンパス(東京都目黒区)で読売新聞の単独取材に答え、ノーベル賞の賞金の活用なども考えに入れ、微生物の研究拠点や若手研究者支援のシステム作りに力を尽くしたいと意欲を見せた。

       大隅氏はこの日の取材で、「微生物が生物の世界を支えている。研究拠点は私の夢だ」と語った。その上で、「若い研究者がもう少しはつらつとした研究ができる環境にしたい」と話した。

       今回、大隅氏にはノーベル賞の賞金として、800万スウェーデン・クローナ(約9500万円)が贈られる。賞金の活用については、大隅氏は「大変な額だがそれだけでは」と話し、「国が少しでも興味をもって(システムを)作ってみようということがあれば、ありがたいし、私も尽力したい」と語り、国にも支援を呼びかける姿勢を見せた。これまでの会見でも「豪邸に住みたいわけでも、外車を乗り回したいわけでもない。賞金で人の役に立つことができればいい」と話していた。

       大隅氏は、オートファジーという基礎的な研究でノーベル賞の受賞が決まった。しかし、国内では応用研究の成果ばかりを重視する風潮があるとして、基礎研究の停滞を危惧してきた。「応用研究は決して基礎研究と無縁のものではない」と語り、観察がしやすく、自らの受賞のきっかけにもなった酵母を始めとする微生物研究の重要性を強調した。

       「若い人には何とかなるさ、という精神でいろんなことにチャレンジしてほしい」というのが持論だが、日本の大学で若手研究者が酵母などの基礎研究を続け、教授などに昇格していくのは難しいと指摘。「支援に向け、工夫もいるし私も努力したい」と語った。

       ◆ オートファジー (autophagy) ギリシャ語の「自分(オート)」と「食べる(ファジー)」を組み合わせた造語。細胞の中で不要になったたんぱく質などの物質を分解し、必要な栄養素を得るシステム。たんぱく質が分解されてアミノ酸になると、別のたんぱく質を作る材料となり、細胞内のリサイクルにつながる。がんやパーキンソン病などの発症にも関わると考えられている。

       

      妻・万里子さん「うそかと思った」

       大隅氏は4日午前、横浜市緑区の同大すずかけ台キャンパスで、妻の万里子さん(69)らとともに記者会見に出席。花束を受け取り、ツーショットで記念撮影に応じると、「たくさんの仲間たちが支えてくれた結果。素晴らしい共同研究者と友人に恵まれたことに感謝する」と述べた=写真、高橋美帆撮影=。東大大学院時代の後輩の万里子さんとは、「運命の出会い」だったという。お互い認め合いながら過ごしてきたといい、「本当に感謝している」と照れた表情で妻に言葉をかけた。

       一方の万里子さんは「いつも私をだましたりからかったりする。ノーベル賞と聞いたときはうそかと思ったが、本当になって心底驚いた」と笑顔で話した。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20161004-118-OYTPT50258

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    21. 海外研究者も称賛…試料提供 寛大な人 優れた指導者
      2016年10月4日15時0分

       【ニューヨーク=三井誠】今年のノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった東京工業大の大隅良典栄誉教授(71)に対し、海外の研究者からも称賛の声が上がった。

       大隅さんは、細胞が自ら不要なたんぱく質などを分解する「オートファジー」の仕組みを発見した。その成果を発展させ治療や創薬に結びつける研究を続ける米テキサス大のベス・ラビン教授(56)は「大隅さんの成果のおかげで、この分野の研究が進んだ。オートファジーの最大の貢献者であり、『父』と言える。受賞に異論を唱える研究者はいないだろう」と、読売新聞の取材に答えた。

       1990年代後半から大隅さんと交流があるというラビン教授は「我々にも試料を提供してくれたり、アドバイスをくれたりした。こうした寛大さに加え、東京大の水島昇教授ら優れた後輩を育成する能力が相まって、この分野が発展した」と称賛した。

       学会を通して交流があるという英フランシス・クリック研究所のシャロン・トゥーズ博士(59)も「大隅さんは未開の分野を切り開き、結果的に、それが病気にも関係する極めて重要な細胞の仕組みであることがわかった。科学を愛する、謙虚で優れた指導者でもある」とたたえた。

       米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは3日の電子版で、ノーベル生理学・医学賞で日本人が2年連続の受賞となり、2000年以来、日本の自然科学分野での受賞が相次いでいると指摘。ニューヨーク・タイムズ紙は今年、受賞を逃した分野に「がん免疫療法」を挙げ、候補者の一人として京都大の本庶佑ほんじょたすく名誉教授を紹介し、日本の研究者層の厚さを印象づけた。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20161004-118-OYTPT50291

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    22. 大隅さん「微生物研究の拠点作る」…賞金活用も
      2016年10月4日15時13分

       ノーベル生理学・医学賞受賞が決まった東京工業大の大隅良典栄誉教授(71)は、吉報から一夜明けた4日、同大の大岡山キャンパス(東京都目黒区)で読売新聞の単独取材に答え、ノーベル賞の賞金の活用なども考えに入れ、微生物の研究拠点や若手研究者支援のシステム作りに力を尽くしたいと意欲を見せた。

       大隅氏はこの日の取材で、「微生物が生物の世界を支えている。研究拠点は私の夢だ」と語った。その上で、「若い研究者がもう少しはつらつとした研究ができる環境にしたい」と話した。

       今回、大隅氏にはノーベル賞の賞金として、800万スウェーデン・クローナ(約9500万円)が贈られる。

       賞金の活用については、大隅氏は「大変な額だがそれだけでは」と話し、「国が少しでも興味をもって(システムを)作ってみようということがあれば、ありがたいし、私も尽力したい」と語り、国にも支援を呼びかける姿勢を見せた。これまでの会見でも「豪邸に住みたいわけでも、外車を乗り回したいわけでもない。賞金で人の役に立つことができればいい」と話していた。

       大隅氏は、オートファジーという基礎的な研究でノーベル賞の受賞が決まった。しかし、国内では応用研究の成果ばかりを重視する風潮があるとして、基礎研究の停滞を危惧してきた。「応用研究は決して基礎研究と無縁のものではない」と語り、観察がしやすく、自らの受賞のきっかけにもなった酵母を始めとする微生物研究の重要性を強調した。

       「若い人には何とかなるさ、という精神でいろんなことにチャレンジしてほしい」というのが持論だが、日本の大学で若手研究者が酵母などの基礎研究を続け、教授などに昇格していくのは難しいと指摘。「支援に向け、工夫もいるし私も努力したい」と語った。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20161004-118-OYT1T50072

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    23. 「日本の科学 空洞化」…ノーベル賞大隅さん 若手減少に危機感
      2016年10月5日5時0分

       ノーベル生理学・医学賞が決まった東京工業大の大隅良典栄誉教授(71)は4日、同大のすずかけ台キャンパス(横浜市緑区)で記者会見し、「若手研究者が少なく、日本の科学は空洞化する」と危機感を訴えた。

       大隅さんは、大学院生の研究環境について、「今は精神的に、とても貧乏な時代。博士課程まで進もうと決意することが難しいのが現状だ」と指摘。「我々の世代で何としても変えなければならない」と決意を述べた。

       今回の授賞理由では、酵母を使って生命の基本的な現象を解明したことが評価された。大隅さんは「科学研究は役に立つべきだというとらえ方をされると、基礎的なサイエンスは死んでしまう」と、現状を憂えた。基礎科学の研究費についても、「不足している。財政状況は厳しいが、社会全体が基礎科学を支えるシステムを作ること以外、あまり解決策はないと思う」と述べ、基礎研究を充実させる必要性を訴えた。
      http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20161005-118-OYTPT50110

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  62. 細胞自食作用 研究が進展…脂肪肝の治療薬開発に道筋
    2016年9月29日15時0分

     生物の細胞が自分自身の一部を分解する現象「細胞自食作用(オートファジー)」は、大隅良典・東京工業大栄誉教授(71)が1988年に世界で初めて酵母で観察に成功し、93年に関連遺伝子を特定した。その後、人間にも同じ仕組みがあり、がんや神経疾患などに関わっているとみられることが判明、世界中で研究が進められるようになった。そんな中、最近、日本のチームによる重要な成果の発表が相次いでいる。(前村尚)

     大阪大の吉森保教授(58)らは今月、オートファジーの抑制が脂肪肝を悪化させる仕組みを解明したと発表した。

     脂肪肝は肝臓の内部に中性脂肪などが蓄積する病気で、肝硬変や肝臓がんに発展することもある。日本を含む先進国では、人口の約3割が脂肪肝とも言われているが、有効な治療薬はまだない。

     吉森教授らのチームは、人間とマウスの肝細胞を使って実験し、脂肪肝ではオートファジーを抑制する「ルビコン」というたんぱく質が増えていることを見つけた。ルビコンが働かないようにすると、脂肪の分解が進み、肥大化していた肝臓が正常なサイズに戻った。オートファジーの効果とみられるという。

     吉森教授は、「現代社会の生活習慣病にオートファジーが関わっていることがわかったのは大きな成果。ルビコンの働きを低下させる薬を開発すれば、脂肪肝の治療薬になる可能性がある。製薬会社と共同研究を加速させたい」と話す。

     大隅栄誉教授自身らによる研究にも、大きな進展があった。オートファジーを起こす膜がどのように作られるのか、その仕組みはこれまでナゾに包まれていたが、大隅氏らのチームが今年7月、その一端を解き明かしたと発表した。

     チームは、酵母でオートファジーを担う5種類のたんぱく質のうちの一つ「Atg13」に着目。このたんぱく質はひも状の形をしていて、他の4種類のたんぱく質を結びつけていることを明らかにした。

     この5種類のたんぱく質の結合体が多数集まることで、オートファジーを起こす膜が作られるが、Atg13が働かないようにすると、膜が作られないこともわかった。研究チームは「膜が広がる仕組みをさらに解明したい」と意気込む。

     がんとオートファジーの関係などを研究している新潟大の小松雅明教授(44)は、「オートファジーの基礎研究は今も日本が強いが、応用研究は欧米も盛んになってきている」と話す。応用も含めた日本のオートファジー研究のさらなる発展が期待される。

      不要たんぱく質 包み込んで分解

     オートファジーは、細胞内に現れた膜が、不要なたんぱく質などを包み込んで分解する現象。ベルギーの研究者が1963年に、ギリシャ語の「自分(オート)」と「食べる(ファジー)」を組み合わせて名付けた。

     人間は1日平均200~300グラムのたんぱく質が必要なのに対し、食事で摂取できるのは70~80グラム程度。オートファジーで不要なたんぱく質などを分解して再利用することで、不足分を補っているという。

     88年、東京大助教授だった大隅良典氏は、栄養不足の酵母でオートファジーが起きる様子を初めて観察。その後、鍵となる遺伝子を特定した。依然ナゾも多く、大隅氏はオートファジー研究を登山に例えて「まだ3合目」と話している。
    http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20160929-118-OYTPT50173

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  63. にわかに大挙群がる「オートファジー」ギルドに、インチキ医科様な研究予算がジャブジャブと…

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  64. 「研究」ということでいえば、もうすごろくの「あがり」みたいなものだな…

    いつまでも「だまし」が効き続けるわけでもなし…

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  65. ノーベル賞 大隅さん夫妻 会見全文
    10月6日 17時25分

    ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった東京工業大学栄誉教授の大隅良典さん。今月4日、妻の萬里子さんと夫婦で記者会見に臨み、受賞決定の喜びを語りました。会見の全文をお伝えします。

    研究者としてこの上なく光栄

    (大隅良典さん)
    このたびはノーベル医学・生理学賞を受賞することになりまして、研究者にとってはこの上もない光栄だと思っております。きのうから、30いくつかのインタビューを受けているので、もう言いたいことは尽くしたと思っておりますが、ひと言申しあげたいのは、私たちがずっと進めてきました、酵母を使ったオートファジーの研究っていうのは本当にたくさんの私の研究室の仲間たちが支えてくれた結果でありますし、私はたくさんのすばらしい共同研究者と友人に恵まれたことに心から感謝したいと思います。ずっと東大の教養学部、医学部、基礎生物学研究所、そして東工大に移りまして、ほぼ8年を迎えようとしています。そういう環境で自由に研究ができたということも恵まれたことだと思っております。皆さんに心から感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

    (萬里子さん)
    苦手なものですから正直何を申し上げたらいいのか分からないですけども、いつも主人は私をいろいろだましたりからかったりするんですね。それできのうも『ノーベル賞だよ』と言われたから『本当?』って言って、またうそかなと思ったんですけど。本当になって、心底驚きました。本当に研究を認めていただいたということに対して心から本当に感謝申し上げたいと思っております。そして今まで主人を支えてくれた研究のお仲間たちに、心からのお礼を申し上げたいと思っております。どうもありがとうございました。

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